リカバリー領域
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リカバリー領域は、OS付属のPC(パーソナルコンピューター)において、内蔵HDDに設けられた、OSのリカバリー(再インストール)のための領域。2001年頃のパソコンから使われるようになった仕組み。
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[編集] その目的と利点
付属OSとその他の付属ソフトのために、複数枚のCDを添付することが避けられ、コストを下げることができる。2000年前後に、リカバリーCDを省くことでコストを削減し、購入者が初回起動時に内蔵CD-Rドライブを利用して、新しいCD-RメディアにリカバリーCDを作成する仕組みのPCが出てきたが、この仕組みの不合理性を受けて、2001年頃から、HDDにリカバリー領域が設けられるようになって来た。リカバリーCDのように紛失することは無く、中古市場においても利点となり得る。リカバリーCDと比較して、理論上短時間でリカバリー作業が終わる。
[編集] 基本的な仕組み
PCの内蔵HDDは、通常一つないし二つのパーティションに分割して出荷されるが、リカバリー領域は更にもう一つのパーティションとして用意される。一般的にはWindowsからは通常見えないようになっている。リカバリーが必要になった場合のみ、電源投入直後に特定のキーの組合せでリカバリー機能を呼び出すことによって、リカバリー領域からリカバリーシステムが起動する。 一部リカバリーを起動する為の専用のディスクを必要とする機種もある。
[編集] その弊害(デメリット)
HDDが故障した場合に、消費者側でHDD交換による復旧が行なえない場合がある。故障に限らずHDDの交換には注意する必要がある。また付属OSとは別のOSを導入する場合も同様。内蔵HDDを外してしまえば、当然リカバリー領域からOSを導入することはできない。
また、OS導入に伴うパーティション構成の変更によってリカバリー領域を破壊すると、付属OSを再度利用することができなくなる場合がある。特に、Linux/FreeBSDなどの付属OS以外のOSを利用している人が、購入直後にこの失敗をすることがある。
前述のような場合に備えて、一応はリカバリーCDがメーカーから用意されてはいるものの、マイクロソフトとの関係で、リカバリーCDの入手は有償かつ手続きが複雑になり、Windows 2000やWindows Meなど古いWindowsが初期インストールされた機種では、リカバリーCDの提供そのものが中止されていることが多い。
一般の消費者(上級者以外のユーザー)からみれば、付属のHDDが機械的に故障した時点で、そのパソコンの寿命が終わってしまうに等しいもので、メーカー、販売店、マイクロソフトから見れば、CDコストの削減や、作業フローの簡単さ、作業時間の短縮、パソコンの買い換え時期が早まる、というメリットがあるため今後更に導入されるパソコンが増えるものと思われる。
[編集] その他
リカバリー領域の仕様、リカバリーシステムの仕様はメーカーごとに異なる。 実際の運用では、付属の説明書やメーカーウェブサイト上の案内(説明書がPDFで提供されていることもある)を参照して確認する必要がある。
[編集] 確認方法と各メーカーでの呼称
基本的にはウェブサイトの各機種仕様のページで、リカバリといった単語で検索すれば調べやすい。 メーカーごとのリカバリー操作がわかっていれば操作してみるのが確実。
- IBMではdisk to diskと呼ぶ。(リカバリー操作)
- NECでは再セットアップ領域を利用したセットアップと呼ぶ(再セットアップの種類と手順のあらまし)
(121ware.comは記事直接リンクを拒否するため。面倒でも各自調べる必要がある。たとえば、あるモデルではHDDに再セットアップ領域があっても、OSが起動できない場合は別途起動CD-ROMが無いと再セットアップができない。マニュアルPDFを読むかぎり。なお、当時のマニュアルPDF参照は、必ずしも最新最良の情報を提供しているとは限らない。)
[編集] 採用PC
:NEC : :SONY : :SHARP : :SOTEC : :Dell :inspiron710m :東芝 : :日本IBM(レノボ) :X40,R51