インストール
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インストール(Install)とはコンピュータにおいて、ソフトウェアやデバイスドライバの設定をおこない、使用可能な状態にすることである。セットアップとも呼ばれる。
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[編集] 概要
インストールとは、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが格納されているCD-ROMなどの記憶媒体や圧縮ファイルからファイルを展開し、プログラムを実行することができる状態にすることである。使用者が他のマシンや媒体からハードディスクドライブ等に直接コピーする方法と、インストーラと呼ばれるインストール専用のプログラムを用いて行う方法がある。
一般的にインストールはソフトウェアを利用可能にする手順の一つであり、ファイルを展開し、実行可能な状態にするところまでを指すことが多い。
なお、英語のinstallは「設置する」「取り付ける」といった意味であり、コンピュータやモニタを設置すること、周辺機器を接続すること、拡張カードを取り付けることなど、ハードウェア全般についても用いるが、日本語ではソフトウェアを導入する意味に用いる事が多い。
[編集] インストーラ
インストールを対話形式で簡単に行うためのプログラムである。特定の場所に確実にインストールしてもらう必要がある場合、インストールするファイルが複数のディレクトリに散在している場合、ライセンスキーの照合が必要な場合、システムのクリーンインストール(ハードディスクを初期化したうえで再度システムを入れ直すこと)後の自分のデータの復旧を自動で行いたい場合、あるいは単に見栄えをよくする目的で用いられる。
インストーラで行うことは、まず使用許諾契約書の承認、次に使用ユーザーの入力(必要な場合)、インストール先の選択(必要な場合)、最後に必要なファイルのアーカイブからの展開である。インストール中は用意された画像の表示やほかの製品の宣伝が行われることもある。
一般的にインストーラでインストールしたプログラムにはアンインストーラがついている。これはインストールしたプログラムをアンインストール(削除)するためのプログラムである。また、プログラムのバージョンアップを行う際にインストーラと同じ要領でバージョンアップを行えるようにアップデータを使用することもある。アップデータは自動的にパージョンアップの対象となるプログラムを検索し、入れ替えるべきファイルを自動的に入れ替える(またはすべてのファイルを入れ替える)。これと似たプログラムにパッチプログラムが存在する。これはデータの変更された部分の差分だけが用意されており、アップデータよりデータを小さく出来る。パッチプログラムは用意された差分から既存のデータを最新のものに書き換えることでバージョンアップを行う。
[編集] オープンソースにおける簡便化の取り組み
オープンソースのオペレーティングシステムでは、多くの組織と個人によって作成された多様な応用ソフトウェアに対して、パッケージ管理システムによって、統一された入手方法とインストール方法が実現している。
クローズドソースであるWindowsでは、マイクロソフトが用意した追加/削除管理システムやWindows Updateが活用されている。しかし、WindowsやMac OSでは、オペレーティングシステム(基本ソフトウェア)と応用ソフトウェアとの間で、追加インストールの方法が完全に統一はなされていない。
それに対して、一部のオープンソースのオペレーティングシステムの応用ソフトウェアではソースから再編成したパッケージを再配布できるため、適宜パッケージ形式を変更した上で、特定の配布拠点をインターネット上に設けることができる。
これによって、単一の管理システムで、オペレーティングシステムの中核(カーネル)から配布拠点に置かれる応用ソフトウェアまで、すべてを自動ダウンロードしてアップデートや追加インストールできるようになっている。
[編集] スラングおよび誤った表記
- インスコ - 主に2ちゃんねるなどで使用される。
- インストロール
- インストリール
- インストゥール