レイノルズ数
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レイノルズ数 (Reynolds number) とは、慣性力と摩擦力(粘性による)との比で定義される無次元数。流体力学分野、特に粘性流体を扱う場合において、相似則が成り立つかどうかなど流れの性質を調べるために利用される重要な値。飛行機の翼による空気の流れやカルマン渦などに使われている。イギリスの物理学者・技術者オズボーン・レイノルズ (Osborne Reynolds) が定義した。
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[編集] 定義
しばしば Re と書かれ、次の式で表される:
(単位は SI による例)
したがって、レイノルズ数が小さいということは相対的に粘性作用が強い流れということになり、レイノルズ数が大きいということは相対的に慣性作用が強い流れだということになる。
[編集] さまざまな流れにおけるレイノルズ数
レイノルズ数は、
- 流体の種類と状態 (→ 動粘性係数): ν
- 注目部分の流速: U
- 注目部分の長さ: L
が決まると定まる。詳細な数字でなく、「10 の何乗」という桁数に注目することも多い。たとえば、空気中を飛行する飛行機の主翼でのレイノルズ数は 106 ~ 108 程度である。
[編集] 乱流遷移
乱流と層流を区別する指標としても用いられることがあるが、明確な区別はできない。一般的に円管内を流れる流体の場合は大体、レイノルズ数が 2,000 程度以下で層流、2,000~4,000程度を遷移領域(層流、乱流が変化する領域)、4,000程度以上を乱流とされている。平板の場合、レイノルズ数が400,000以下で層流領域、500,000程度で遷移し、それ以上で乱流に発達する。
[編集] 関連項目
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