レッドアウト
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レッドアウトとは、主に航空機のパイロットに見られる症状で、マイナス方向の巨大なG、-Gがパイロットにかかった際、血液が眼球内の血管に集中し、視野が赤くなる症状を指す。
- 対してプラス方向のGによって起こる症状はブラックアウト。
- ブラックアウトに比べて危険性は低い。
ジャンボジェット等の快適性が重要視される航空機の場合は無論のこと、一般には航空格闘機ですら頻繁には起こるものではない。飛行機はその構造上、旋回するときには頭を旋回曲線(R)の内側へと向けた方がやりやすく、それは格闘機でも例外ではないからである。頭を内側へ向けていれば必然的に血液は遠心力で足へ集中し、結果として(より危険な症状である)ブラックアウトの方が起こりやすいことになる。
頭を外側へ向けて旋回するマニューバーは一般的ではなく、各自パイロットが個人的に考案したマニューバーを利用するとき、格闘戦などの緊急時や曲芸飛行などでアウターループ等を行うときなどを除けば、起こる可能性は低い。
視野が真っ赤になるのは眼球内血管に血液が集中するためであり、単純に頭部に血液が集中しても、見た目上の色彩が変化することはない。 ただし脳内での各器官における血流量に偏りが生まれれば別で、その場合、頭痛、目まい、キラキラしたものが見える、視界が灰色に染まる(グレイアウト)などの症状が起こる。