ロシア地上軍
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ロシア地上軍(ろしあちじょうぐん、露:Сухопутные войска)とはロシア連邦軍における陸軍である。2006年現在、39万人の人員を抱え、戦車を2万2千両保有し、火砲等を3万門保有していると考えられている。(国境警備隊や内務省軍などの準軍事組織を含まない)
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[編集] 歴史
第二次世界大戦中に赤軍の総数は膨大なものとなり、日々指導が困難となったことから独立の指揮機関が必要とされ、1946年3月、最初の地上軍総司令部が設置された。
召集兵の復員が進み、地上軍の総数が減少したことから、1950年3月、総司令部は解散された。
1955年3月、再び総司令部が設置されたが、1964年3月には再び解散された。1967年11月、三度目の総司令部が設置された。
ソ連崩壊後、1997年11月~12月、総司令部は、地上軍総局(Главное управление Сухопутных войск)として参謀本部の一部署に改編された。
[編集] 任務
[編集] 構成
[編集] 地上軍総司令部
ロシア地上軍は、地上軍総司令部(Главное командование Сухопутных войск)によって指揮統率される。地上軍総司令官は、国防次官を兼任する。
旧ソ連軍では、陸軍の軍令機関がそのまま全軍の参謀本部に発展した経緯から、陸軍自身の軍令機関が設置されなかった(つまり、軍種としての陸軍が存在しなかった)時代がある(共産圏の軍隊も、ソ連軍の例に倣っている場合が多い)。このことから、西側では共産圏の軍隊を陸軍(army)とは呼ばず、地上軍(ground force又はland force)と呼び、自衛隊や韓国軍(ソ連軍に倣って建設された北朝鮮の陸軍を地上軍と呼称している)では地上軍と呼称している。
[編集] 機構
[編集] 軍管区
ロシア地上軍は、以下の六つの軍管区(Военный округ)に区分されて配備される。
- モスクワ軍管区(Московский военный округ;МВО)
- レニングラード軍管区(Ленинградский военный округ;ЛенВО)
- 沿ヴォルガ・ウラル軍管区(Приволжско-уральский военный округ;ПруВО)
- 北カフカーズ軍管区(Северо-кавказский военный округ;СКВО)
- シベリア軍管区(Сибирский военный округ;СибВО)
- 極東軍管区(Дальневосточный военный округ;ДВО)
[編集] 部隊建制
- 軍管区(военный округ)
- 軍(армия):ソ連軍時代は諸兵科連合軍と戦車軍の2種類があったが、現在は区分されていないようである。
- 軍団(армейский корпус)
- 師団(дивизия):自動車化狙撃師団、戦車師団、砲兵師団、機関銃・砲兵師団がある。
- 強化地区(укрепрайон):拠点防御部隊
- 旅団(бригада)
[編集] 兵科
ロシア地上軍の兵科は、兵科、支援兵科、後方部隊・施設に分かれる。
[編集] 兵科
兵科(рода войск)とは、戦闘に直接参加するいわゆる戦闘職種である。
- 自動車化狙撃兵(Мотострелковые войска):歩兵
- 戦車兵(Танковые войска)
- ロケット・砲兵(Ракетные войска и артиллерия):砲兵
- 防空兵(Войсковая ПВО):高射砲兵
- 陸軍航空隊(Армейская авиация):現在はロシア空軍の兵科
[編集] 支援兵科
支援兵科(специальные войска;直訳だと特殊部隊となるが、ここでは支援兵科と訳す)とは、地上軍の任務遂行を保障するための兵科である。
- 偵察兵(разведывательные войска):情報職域。ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の管轄
- 通信兵(войска связи)
- 電波電子戦兵(войска радиоэлектронной борьбы)
- 工兵(инженерные войска)
- 放射線・化学・生物学防護兵(войска радиационной, химической и биологической защиты)
- 技術保障兵(войска технического обеспечения)
- 自動車兵(автомобильные войска):輸送兵
- 後方警備兵(войска охраны тыла)
[編集] 後方部隊・施設
後方部隊・施設(воинские части и учреждения тыла)は、全軍共通であり、ロシア連邦軍後方部が一元管理している(元々陸軍の組織から発展したため、海軍所属の後方部隊・施設勤務者でも陸軍式の制服と階級呼称を帯びる)。
[編集] 歴代総司令官
職名 | 氏名 | 階級 | 在任期間 | 出身校 | 前職 |
---|---|---|---|---|---|
総司令官 | ニコライ・コルミリツェフ | 上級大将 | -2004.11 | オムスク高等諸兵科共通指揮学校 | シベリア軍管区司令官 |
総司令官 | アレクセイ・マスロフ | 大将 | 2004.11- | ハリコフ高等戦車指揮学校 | 北カフカーズ軍管区参謀長 |
[編集] 関連項目
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