七人のナナ
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七人のナナ | |
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ジャンル | ラブコメディ |
テレビアニメ | |
原作 | 今川泰宏 |
監督 | 今川泰宏 |
企画 | GENCO |
シリーズ構成 | 今川泰宏 |
脚本 | 今川泰宏、横手美智子、 池田眞美子、小林靖子 |
キャラクターデザイン | 西田亜沙子 |
アニメーション制作 | A.C.G.T |
製作 | テレビ東京、ADK、GENCO |
放送局 | テレビ東京系放送局 |
放送期間 | 2002年1月10日 - 2002年6月27日 |
話数 | 全25話(OVA1話を含まず) |
漫画 | |
原作・原案など | 今川泰宏 |
作画 | 国広あづさ |
出版社 | 秋田書店 |
掲載誌 | 週刊少年チャンピオン |
レーベル | 少年チャンピオン・コミックス |
発表期間 | 2001年11月8日 - 2002年6月27日 |
巻数 | 全3巻 |
話数 | 全27話 |
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『七人のナナ』(しちにんのなな)は、テレビ東京系列で放映されたアニメ作品であり、『週刊少年チャンピオン』で連載された漫画作品である。
目次 |
[編集] 概要
アニメ版は2002年1月10日から2002年6月27日まで、テレビ東京で放映された。
今川泰宏自らが監督とシリーズ構成、キャラクター原案は吉崎観音。
漫画版は、『週刊少年チャンピオン』に2001年11月8日から2002年5月25日まで、原作今川泰宏、執筆国広あづさの担当で連載された。
製作過程の関係か世に出たのは漫画が先であるが、単行本などによると原作はあくまでアニメである。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 内容
大筋はアニメもコミックも以下の通り。
少しそそっかしくて優柔不断、成績も平凡な、どこにでも居そうな中学生・鈴木ナナ。彼女は同じクラスの秀才・神近優一に憧れているが、なかなか気持ちを言い出せない。そんなある日、ひょんなことからナナは性格の異なる7人に分かれてしまう。折しも入試まであと1年、ナナは6人の「ナナ」と共に受験を戦う決意をする―「神近くんと同じ高校へ行き、恋心を打ち明ける」ために―。
「受験生活」という暗いイメージになりがちなテーマを明るく描いたラブ・コメディ作品。7人に分かれなかったらきっと告白をする決心がつかず高校も妥当な線で諦めていたであろうナナが、自分の分身である「ナナ」たちと共に苦難に立ち向かう中で様々な経験を積んでいく、成長の物語でもある。
また、物語の舞台となる「古都町(ことまち)」は、京都を模した風情あふれる町であり、中でも主人公ナナとおじいさんが暮らす鈴木家は旧家であるらしく、坪庭やくぐり戸、果ては枯山水の庭まである、2階建ての大きな日本家屋である。鈴木家の軒下には「くくりざる」という不思議な人形が7つ吊るされている。
なお、コミックとアニメとで1話ごとのエピソードの発端部分は共通であるが、流れがまるで違う仕上がりになっている。
[編集] コミック版
主人公の鈴木ナナは、海外から帰宅したナナの父がニューヨーク骨董品屋で見つけてきた「クリスタル・イン」を部屋の中で月明かりにかざしてみると、翌日の朝、(自分を含め)七人になっていた。これから、七人のナナでの生活が始まる。
[編集] アニメ版
中学2年のバレンタインデーの日、主人公の鈴木ナナは憧れの「神近くん」に渡すチョコケーキを焼こうと、発明家のおじいさんが無断で持ち出したオーブンレンジを使うために中に入っていた7色に光る不思議な物体を取り出してしまった。そのとき、強烈な光が彼女を包み込み、気を失ってしまう。気がつくと(自分も含め)7人に分裂した自分がいた。
混乱の中、ドサクサ紛れに渡したチョコケーキにも自分の名前を入れ忘れ、気持ちを伝えられなかったナナ。来年は高校受験、神近くんとは別の高校に行ってこのまま終わってしまうのか…「ナナ」たちと瞳の励ましのもと、ナナは神近くんと同じ高校を目指すことを決意する。しかし、ナナが7人居ることを知っているのは自分とおじいさん、そして親友の瞳だけ…。ここから、ドタバタの毎日が始まる。
アニメ版の「ナナ」たちは各自に対応する7色の不思議な「プリズム」を持っており、空を飛んだり怪力を発揮したりすることが出来るが、正体がバレては困るので「受験戦隊ナナレンジャー」という子ども向けヒーローの衣装を着て活躍する。つまり、ただの「受験を絡めた学園恋愛モノ」に留まらず、アクション要素もあるのだ。
コミック版が終始明るい展開だったのに対して、アニメ版では中盤~終盤にかけてシリアスな展開も見られる。また、今川自身と思われるキャラクターが随所に現れたり、「メロディ・ハニー」や「623 (ムツミ)」といった吉崎観音定番キャラクターも登場する。アニメ版だけに登場するフィーチャーとしては他に「万年桜(まんねんざくら)の丘」―ナナを分裂させたプリズムの影響を受けたと思われ、7人のナナ出現以降枯れることの無い巨大で美しい枝垂桜(しだれざくら)が咲く丘―があり、物語中に幾度となくキー・プレイスとして利用されていたのが印象的であった。
初主演となった水樹奈々をはじめ、後にアイドル声優として注目されることとなる無名キャスト陣を抜擢した作品だったが、「ナナ」たちが線画では見分けがつかないためか、彩色ミスが目立つ作品でもあった。 全25話。
なお、DVD化(全8巻)の際、「特典映像」1話が第7巻に含まれていた。 これは「ナナ」にかけたものと思われるが、同時にちょうど抜けていた正月のエピソードで、話数的にも矛盾の無いものであり、テレビ放映時とは異なる倫理規定に基づくサービス的なエピソードであった。
[編集] アニメ版スタッフ
- 原作:今川泰宏、吉崎観音
- 企画:岩田圭介(TV TOKYO)、松下洋子(nas)、真木太郎(GENCO)、大月俊倫(KING RECORDS)
- キャラクター原案:吉崎観音
- キャラクターデザイン:西田亜沙子
- 美術監督:武藤正敏
- 色彩設計:西表美智代
- 撮影監督:青木孝司、桑良人
- 編集:瀬山武司
- 音楽:平野義久
- 音響監督:本田保則
- 音響効果:庄司雅弘、鷲尾健太郎、北方将実(フィズサウンドクリエイション)
- 録音調整:阿部智佳子
- 録音助手:松田悟
- 録音スタジオ:タバック
- 録音制作デスク:浅田泰裕
- 録音制作:アーツプロ
- 音楽プロデューサー:宿利剛
- 音楽制作/協力:スターチャイルドレコード、テレビ東京ミュージック
- アソシエイトプロデューサー:中村直樹、森山敦、梶剛士、木場正博
- アニメーションプロデューサー:安部正次郎
- プロデューサー:小田原明子(TV TOKYO)、山崎立士(nas)、大澤信博(GENCO)
- 監督/シリーズ構成:今川泰宏
- アニメーション制作:A・C・G・T
- 製作:TV TOKYO、nas、GENCO
[編集] 主題歌
- OP:『Success,success』
- 歌:nana×nana(なななな) レーベル:スターチャイルドレコード 作詞:国分友里恵 作/編曲:岩木正樹
- ED:『Birdie, birdie』
- 歌:水樹奈々 レーベル:スターチャイルドレコード 作詞:国分友里恵 作/編曲:岩木正樹
[編集] 関連ソフト
- VHS・DVD発売元 スターチャイルド(共に全8巻)
[編集] アニメ各話サブタイトル
(全て2002年)
- 1月10日 第 1問 「ナナ×7=ナナ?」
- 1月17日 第 2問 「大混乱!7人そろって学校へ?」
- 1月24日 第 3問 「七人みんなで一人のナナ?」
- 1月31日 第 4問 「誕生!受験戦隊ナナレンジャー?」
- 2月 7日 第 5問 「決定!神近君の志望校?」
- 2月14日 第 6問 「受験番号623!深夜ラジオで大騒動?」
- 2月21日 第 7問 「夜食モグモグ!料理勝負も受験のために?」
- 2月28日 第 8問 「英語で告白!家庭教師をやっつけろ?」
- 3月 7日 第 9問 「甘い誘惑!恋と秘密とカンニング?」
- 3月14日 第10問 「恐怖の赤点!期末テストを突破せよ?」
- 3月21日 第11問 「二兎追うものは二兎を得よ?」
- 3月28日 第12問 「真夏の集中合宿!ドキドキ恋の肝試し?」
- 4月 4日 第13問 「恋する英会話!神近君とお空の上でランデブー?」
- 4月11日 第14問 「ホームステイで受験勉強!サンフランシスコは大騒ぎ?」
- 4月18日 第15問 「それぞれの受験!未来は我が手か誰の手に?」
- 4月25日 第16問 「恋散る文化祭!涙も枯れる大舞台?」
- 5月 2日 第17問 「ナナが消える日、出てくる日?」
- 5月 9日 第18問 「雪降る告白?ナナとみんなのHappy X'mas!」
- 5月16日 第19問 「家族そろって大みそか!パパ・ママ帰国で大ピンチ?」
- 補習問題 「お正月だよ!7×7=49人のナナ?」(DVD特典エピソード)
- 5月23日 第20問 「絶対合格!おまじないで大迷走?」
- 5月30日 第21問 「消えたシャーペン!驚き桃の木8人目のナナ?」
- 6月 6日 第22問 「対決!ナナと神近君!面接試験で推薦合格?」
- 6月13日 第23問 「推薦取り消し!!私の恋と受験はどうなるの?」
- 6月20日 第24問 「受験前日!!最期の対決ナナVSナナ?」
- 6月27日 第25問 「合格発表!!心の丘に花の咲く?」
[編集] 主な登場人物
[編集] 7人に分裂したナナ達と鈴木家の人々
- 鈴木家の人々の名前にはそれぞれ数字が含まれている。
- 主人公。おじいさんの発明品のせいで体が7つに分裂してしまう。7つに分裂した後はオリジナルのナナということで「ナナ」と呼ばれている。どこにでもいるごく普通の中学3年生。少しドジで勉強も今ひとつだが、両親が海外赴任で不在なので、家事一般は得意である。誕生日は7月24日。
- 怒ナナっぺ(声:桃森すもも)
- 主人公から分裂した6人のうちの1人。オリジナルの短気な部分が強調された人格。かなり怒りっぽく、いつも怒鳴っている。けんかっ早くて考えるより先に行動してしまう、いわゆる熱血漢タイプ。
- 笑ナナっち(声:浅木舞)
- 主人公から分裂した6人のうちの1人。オリジナルの明るい部分が強調された人格。いついかなる場合も笑顔を絶やさない。とても明るく前向きな考えの持ち主。
- コミック版ナナっちは小悪い人格で、7人の中で唯一、アニメとコミックとで性格が違うキャラクターである。
- 涙ナナりん(声:福井裕佳梨)
- 主人公から分裂した6人のうちの1人。オリジナルの優しい部分が強調された人格。感受性豊かで、わずかなことに感動し泣いてしまう。彼女の泣く声は破壊力抜群。
- 幸ナナっこ(声:秋田まどか)
- 主人公から分裂した6人のうちの1人。オリジナルののんびりした部分が強調された人格。何事にもテンポが遅い。人を疑うのが嫌い。
- 頭ナナさま(声:中原麻衣)
- 主人公から分裂した6人のうちの1人。オリジナルの冷静な部分が強調された人格。7人の中では圧倒的な知能派。オリジナルは飛びぬけて勉強できる方ではないが、なぜか彼女はとても勉強ができる。"Les Miserables"などを愛読している。
- 霊ナナぽん(声:名塚佳織)
- 主人公から分裂した6人のうちの1人。オリジナルの女性的な部分が強調された人格。スタイル(バストのサイズは7人中トップ)、しぐさともに色っぽいという言葉がぴったり当てはまる。霊感が強い。
- 黒ナナ(声:水樹奈々)
- アニメ版の終盤に登場した8人目のナナ。オリジナルと正反対の行動ばかりして邪魔をするため他のナナたちと反目し、最終2話での決戦に至る。受験そのものおよび神近優一に想い人がいたことのストレスにより発生した、鈴木ナナの本心のネガティブな面が具現した姿と示唆されており、ストーリーに“自分との戦い”という幹を形成させる立役者となっている。「影ナナ」「ダークナナ」「ブラックナナ」とも。なお、劇中ではオリジナルを除く他のナナたちからは「邪魔ナナ」と呼ばれている。
- 白ナナ(声:水樹奈々)
- 漫画版の終盤およびドラマCDに登場した8人目のナナ。
- 鈴木六造(声:麦人)
- ナナのおじいさんで、発明家。ナナの両親は海外赴任のため、当初は2人で暮らしていた。ナナが分裂する原因を作った人であるが、良き理解者でもある。
[編集] ナナの両親
同じ旅行会社に務める。現在は夫婦でアメリカ勤務となっている。
- 鈴木五郎
- 六造の息子。
- 鈴木三子
- 五郎の妻。
[編集] ナナの同級生
- 神近優一(声:石田彰)
- ナナの憧れの存在。勉強好きで成績は優秀。一流高校への進学が期待されている。写真撮影が趣味。
- 小野寺瞳(声:松来未祐)
- ナナの親友。ナナが7人に分裂したことを知っている数少ない存在の1人。ナナにとってはお姉さん的存在で、第4問で7人の愛称を考えたのも彼女である。鱧(はも)料亭の娘で、繁忙時などは配膳を手伝ったりしている。
[編集] ナナ応援団(漫画版では神近FC(かみちか・ふぁんくらぶ))
- 神近FCのメンバーの苗字の中には木に関連する文字が含まれている。
- ナナに何かとちょっかいを出す3人組。ナナが分裂する遠因を作ったとも言えるが、意地悪をするのは別にナナを嫌ってのことではない。ちなみに最終話でのみ読み上げられる名前は、ご覧の通りそれぞれを演じている声優と同じである。
[編集] 第3古都町中学の職員
- ナナたちの通う第三古都町中学の教頭と生活指導。のちにナナたちの担任・副担任となる。いつも2人一緒で、生徒に厳しい態度で臨んでいるが、それも生徒を思うが故である。ちなみに両先生の苗字も、最終話でのみ登場する。
[編集] その他キャラクター
- 623(むつみ 声:???)
- 第6問より登場する、人気ラジオDJ。これ以降、いくつかの回のシメと、意外と重要な場面に登場していた。なお、彼は吉崎観音の定番キャラクターの1人で、吉崎が原作のケロロ軍曹などにも登場している。
- なお、CVは不明ではなく、非公開である。
- メロディー・ハニー(声:松井菜桜子)
- ビリーちゃん
- 「七人のナナ」の世界で人気の、魚の姿をしたキャラクター。
- ナナっこがいつも抱えているぬいぐるみの他にもキーホルダー等様々なアイテムが登場している。
[編集] その他
- アニメ第1問には、「ヒゲの男」として今川自身が出演している。
- 英語圏放映時タイトルは「Seven of Seven」。
- キャラクター原案の吉崎観音が原作の著者であるケロロ軍曹のアニメの89話Aパートで本作がパロディされている。
- ちなみにケロロ軍曹ではギロロが分裂し、最後には無事に一人のギロロに戻った。
[編集] 関連サイト
- StarChildスペシャル:七人のナナ…スターチャイルドによる公式サイト
テレビ東京系列 木曜18:00枠 | ||
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