七里田温泉
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七里田温泉(しちりだおんせん)は大分県竹田市直入(旧国豊後国)にある温泉。近隣の長湯温泉と同様に炭酸濃度の高さとその効能(飲泉含む)で知られる。
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[編集] アクセス
平日は1時間に1本運行されるが土曜・休日は便が減るので事前に確認すること。(大分県道47号竹田直入線を経由する。)
[編集] 泉質
- マグネシウム・ナトリウム・炭酸水素塩泉
- 源泉温度56℃。
- 黄白濁色。
炭酸を多く含んだ適温の湯が大量に湧出しており、源泉かけ流しを行っている。
なお、「木乃葉の湯」の平成9年2月調査の温泉分析書によれば、泉質はマグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩硫酸塩泉。旧泉質名では含芒硝重炭酸土類泉。泉温54.2度、pH6.8。陽イオンはマグネシウム285mg(48.55%)、ナトリウム325mg(29.28%)、カルシウム178mg(18.39%)、カリウム64.9mg、鉄(Ⅱ・Ⅲ)3.8mg、微量のストロンチウム、マンガン、亜鉛など。陰イオンは炭酸水素2080mg(69.96%)、硫酸516mg(22.04%)、塩素136mg、炭酸1.0mgなど。遊離成分はメタケイ酸215mg、メタホウ酸8.9mgで、溶存ガス成分は遊離二酸化炭素572mg。他に微量のラドン0.10キュリーを含む。陽イオン計857.8mg、陰イオン計2733.6mg、溶存物質計3820mg、成分総計は4390mg。
[編集] 効能
神経痛、筋肉痛、五十肩など(入浴) 慢性消化器疾患、糖尿病、肝臓病など(飲用)
※効能は万人に対してその効果を保障するものではない。
[編集] 温泉街
地元温泉組合が運営する施設(木乃葉の湯、下湯温泉共同浴場)のほかに民宿があるだけの山間の静かな温泉。
[編集] 歴史
鎌倉~戦国時代にこの地を治めていた朽綱氏が湯治などに使っていたとされる。朽網宗暦は「出湯の儀在所の飾りに候間方式修理掃除当申付事云々(=温泉はこの地の宝であり土地の決め事を守って修理や掃除などの怠りこと無い様に申し付ける)」という教訓状を与えている。 後の岡城主三代目中川久清が、寛永三年(1663)ここに御茶屋を建て湯治に使っていた記録が残っており、湯守に米一石五斗を与えて温泉の管理に当たらせた。
[編集] 備考
「下湯(したゆ)温泉共同浴場」は温度37.5度の炭酸泉。炭酸含有量は1250㎎という(長湯温泉のラムネ温泉は温度32.8度で781㎎)。 炭酸ガスの濃度が高いため酸欠状態にならぬよう換気に充分注意しながらの入浴が必要である。