三倍増醸清酒
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三倍増醸清酒(さんばいぞうじょうせいしゅ)(通称三増酒)とは、第二次世界大戦中に米不足の中開発された清酒の一種。
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[編集] 製造手法
本来の清酒の原材料である白米・米麹で作ったもろみを清酒と同濃度に水で希釈した醸造アルコールで3倍に希釈し、これに水飴等の糖類と、グルタミン酸やコハク酸などの調味料を添加して味を調えて醸造する。つまり、本来の米だけから作る清酒を合成清酒で3倍に水増しした清酒である。
[編集] 普及の背景
戦後、米不足が解消した後もメーカーの利益率が高かったこと、安価な清酒を大量生産でき、清酒の消費拡大ができたこと、消費者が三倍増醸清酒の味になじんでしまい、米の味が濃厚な本来の清酒の味をしつこいと感じる者も増えたことなどによって、戦後の清酒の主流であり続けた。1980年代半ばから次第に本来の清酒への回帰志向の消費者が増え始めたために、希釈率の低い本醸造酒や、本来の日本酒である純米酒の生産が増え始めた。
[編集] 特徴
酒質は全体に甘ったるく、悪酔い(二日酔い)を引き起こしやすい。
[編集] 関連項目
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