中華料理店症候群
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中華料理店症候群(ちゅうかりょうりてんしょうこうぐん, Chinese Restaurant Syndrome (CRS))は、グルタミン酸ナトリウム(うま味調味料)の摂取のしすぎで起こるとされた症状。現在ではその存在はほとんど否定されている。
1968年にアメリカ合衆国で中華料理を食べた人が、頭痛、顔面の紅潮、体の痺れなどの症状を訴えたという風評が発端とされる。理由については明らかにされていないが、ナトリウム(食塩のナトリウムも含む)の急激な摂取による血圧の変化、劣化した油の急激な摂取などが原因ではないかとされている。
その後、JECFA(国際連合食糧農業機関 (FAO)、世界保健機構 (WHO) の合同食品添加物専門家会議)、米国食品薬品局 (FDA)、ヨーロッパ食品情報会議 (EUFIC)、欧州連合食品科学委員会 (SCF) などで議論・調査がなされたが、グルタミン酸ナトリウムの摂取における中華料理店症候群を裏付ける証拠は見つからなかった。
また、1970年以降、中華料理店症候群の報告はほとんど見られなくなった。