中選挙区制
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中選挙区制(ちゅうせんきょくせい)は一つの選挙区から単記非移譲式投票で3人から5人を選出する選挙制度であり、大選挙区制の一種である。
[編集] 概説
中選挙区制とは日本独自の呼称である(他言語へのリンク先は中選挙区制、大選挙区制の区別がないため。両者を共に示す単語となっていることに注意)。1902年の衆院選から1917年の衆院選まで衆議院総選挙の大選挙区制では6人以上の選挙区が29区も存在していたが、日本では1928年の総選挙において、3人から5人の選挙区が置かれた。6人以上の選挙区が存在していた大選挙区制ではなく、かつ1人区の小選挙区制でもないので、大選挙区制と小選挙区制の中間の制度と言う意味から中選挙区制と呼ばれ、1928年の第16回衆議院議員総選挙から1942年の衆院選の総選挙は中選挙区制と呼ばれるようになった。
戦後、1946年の衆院選では47都道府県中40府県において都道府県単位による選挙区単位を大選挙区と呼んでいたことから、大選挙区制と小選挙区制の中間の制度と言う意味から中選挙区制と呼ばれ、1947年の衆院選から1993年の衆院選までの総選挙は中選挙区制と呼ばれるようになった。なお、戦後の中選挙区制時代の総選挙では、議員定数是正による増減によって、2人区や6人区が少数の選挙区で存在していた。また暫定措置で奄美諸島が本土復帰した際に1人区(事実上の小選挙区)として奄美群島選挙区がおかれていた。
都道府県議会議員選挙や政令指定都市の市議会議員選挙も1人区を除けば実質上、中選挙区制となる選挙区が多い。