丸正事件
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丸正事件は1955年に静岡県で発生した殺人事件。冤罪の疑いがあるといわれている。
1955年5月11日から翌12日朝の間に、静岡県三島市にある丸正運送店の女性店主が絞殺された。この事件の犯人として、同年5月29日に李得賢、翌日に鈴木一男が逮捕された。
李得賢は事件について終始関与を否定、鈴木一男は一度自白をしたものの、それは拷問によるものだとして、その後は一貫して否定した。
1957年、第一審で李得賢には無期懲役、鈴木一男には懲役15年の判決が下される。第二審への控訴は棄却、最高裁への上告も棄却された。その後、1974年4月25日、鈴木一男は満期出所、1977年6月17日には李得賢も仮釈放された。
二人の出所後、再審請求が行われたが棄却、即時抗告も行われたが棄却、さらに特別抗告が行われているが、1989年1月2日に李得賢が死去、その3年後の1992年12月27日に鈴木一男も死去。被告死亡による公訴棄却となり、真相は闇の中である。
この事件では被害者の死亡時刻や死亡状況の推定について不備が指摘されており、再審請求に際して提出された被害者に関する新鑑定によれば、被害者の死亡時刻には犯人とされた両名ともにアリバイが存在している。