予想屋
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予想屋(よそうや)とは、公営競技の場内において競走(レース)の着順を予想し、その情報を販売する人である。
予想屋はあらかじめ場によって割り振られた場所に立って(「場立ち」という)自分が考えたレース展開や自分が集めた情報を公開する。それを聞いた客が自分が聞いてみたい予想屋の予想を金銭と引き替えに受け取る。
料金は通常一回100円(1日分500~1000円という所もある)で、5cm四方程度の小紙片に手書きやスタンプで予想を記したものを渡すスタイルが一般的である。
各公営競技場には名物となるような予想屋も存在しているが、これは的中率やセールストークなどにより人気の有無が出てくるためで、人気の予想屋にはレース前に黒山の人だかりが出来る光景となる。しかしあまりに予想の的中率が低い場合には認可が取り消されるという場合もある。
なお教えられた予想が的中しなくても返還請求はできない。客がどの予想屋を信用するかにかかっており、全ては客の自己責任となる。中には的中客からの「御祝儀」をアテにして客ごとに違う予想を教え、自分の手元に祝儀が入る確率を高くすることだけを考える悪質な公認予想屋が存在した事もあるため、多くの場では自ら販売した予想を投票券発売終了後に公開するように、公認予想屋の団体などで内規を定めたり、指導を行なっている。
また,予想屋によっては,独自の新聞を発行し,それを買えば各レースごとの買い目を教えてくれるサービスをするものもある。
なお競輪・競艇・オートレース・地方競馬では競技場側に申請を行い、認可の元に出入りしている予想屋が存在するが、中央競馬では公な場内での活動は認めていないため存在しない。それゆえ、中央競馬主催の競馬場や場外勝馬投票券発売所にいる場合、それらはコーチ屋と呼ばれる非合法な予想屋と思われるので注意が必要である。
[編集] 公認予想屋以外の予想行為者
非合法ではないが非認可の予想屋も存在しており、古くは電話による予想屋業、最近ではインターネット上などでの予想屋業も存在し、公営競技場の敷地外近辺で予想屋業を行なっている者も存在する(馬券予想会社の項を参照)。
競技場内で認可なく予想屋業を行う者もいるが、これはノミ屋およびコーチ屋などの可能性がある。ノミ行為については参加させた側のみならず、参加した側も警察による取り調べの他、法により罰せられる事がある。競馬主催者もノミ行為防止の為、特に自施設内で非公認の予想屋として活動している者たちに対しては警察などと連携して取り締まりを実施しており、近年では関連法規の改正によりおとり捜査を利用した取り締まりも可能となっている。
また新聞記者や評論家なども予想を行い、その情報を新聞やテレビ等で公表することもあるが、彼らは新聞の記事やテレビの番組製作を担っている立場として予想を行うわけであり、予想屋と異なりその情報のみを売っているわけではない。競馬においては、古くは調教師や騎手などが新聞紙面などで予想行為を行っていた時期もあったが、現在は競馬法で競馬関係者の予想行為が禁止されているため行われていない。