競輪
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競輪(けいりん)とは、自転車競技法という特別法に基き指定された自治体が自転車競走を開催、この結果を賭けの対象としてパリミュチュエル方式により勝者投票券(車券)を販売する公営競技の一つであり、日本を発祥の地とするギャンブルである。
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[編集] 開催者・運営者・選手
開催者となる自治体は所管省庁の経済産業省へ競走の開催を届け出ると、競輪選手と呼ばれるプロの選手達と「競輪場」と呼ばれる自転車競技場における競走出場に関する契約を交わす。また、実際の運営については各地域の自転車競技会に委託している。審判部および番組の編成を行う自転車競技会への指導、また競輪選手の登録・あっせん、育成については中央団体である特殊法人日本自転車振興会が行っている。(経済産業省は競輪選手、地方の競技会、中央の自振興すべての監督指導を行っている) 日本のプロスポーツでは選手数が最も多い競技とされ、およそ3700人(2005年7月末現在で3740人)より構成される。また初期には女性選手による「女子競輪」が1964年まで開催されたこともあった。
創設以来、日本独自のものであったが、現在は日本自転車振興会の技術指導の下、韓国独自の施行者が国内3つの競輪場で開催している。
[編集] 波乱の歴史
自転車競技法は自治体の戦後復興費用捻出および自転車産業の発展を目的として成立、1948年(昭和23年)11月20日において小倉競輪場において第1回の競輪競走が開催された。次第に全国に拡大していったが開催者が不慣れであった点、GHQが全国的な運営母体を認めなかった点などから運営の不手際が生じ、一時は中止に追い込まれるなど波乱の歴史を持つ。競輪を始めた当時は「きょうわ」、「きょうりん」と発音していたが、鳴尾事件が発生した時に語られた揶揄を避けるため、今の「けいりん」に改められたという経緯がある。
この立法・運営側の「曖昧さ」、競走自体においても風圧を受けるトップが不利を蒙るという特殊な面が、逆に観客と選手による独自のローカルルールを生んだ。今日の公営競技において「車券道」、「競輪道」と呼ばれる精神性を語らせては競輪の右に出るものはないが、反面、「わかりづらい」「情実優先の展開レース」という批判も根強い。作家の阿佐田哲也(色川武大)は「競輪こそギャンブルの王様」と呼んでいる。
[編集] 競走(レース)のルール
- コース(バンク)
- 1周 333.3m・335m・400m・500mのいずれかであり、競輪場により異なる(但し大部分の競輪場が400mを採用)。
- 競走距離
- 2,000m~3,000m。競走格、周長により異なる。競技規則上の25mを端数算入する競輪場もあれば、ゴール線からスタートするために端数が出ないところもある。
- 自転車
- 「ピスト(レーサー)」と呼ばれる専用の競技用自転車を使用する。この自転車は固定ペダルとなっており、ブレーキがない。ペダルを後ろに漕ぐと後ろに進むため、速度を緩める際は後ろに漕いで速度を調整する。多くの選手は自分の体格に合わせた完全オーダーメイドのため、公正面から自転車における一定の規格や素材の制限が存在するものの、1台に百万円程度かける選手もいる。ちなみに競輪創生期は実用車によるレースも行われた(要は市販の"ママチャリ"タイプによる競走だが当時は実用車しか存在しなかった)。
- また、車券作戦で重要なポイントの一つに「ギア倍数」がある。出走表に掲載されている「3.57」などがそれであり、無視はできない。自転車についている前後2枚のギア(スプロケット)のうち、大きいギアの歯車の数÷小さいギアの歯車の数で表示される。一般的には3.54または3.57。ギア倍数が低いほど漕ぐ力が軽くなりダッシュ力に優れ、その逆では当然重くなることからダッシュ力は弱いがスピードに乗れば速くなる。出走表掲載後に急遽変更する場合もあり、その際は場内で告知される。「先行選手がギア倍数を普段より落とせば先行・逃げ切り狙い」「先行選手がギア倍数を上げれば捲り狙い」などが読み取れる。また、脚力が衰えたベテラン選手は先行選手についていくためギア倍数を上げる傾向がある。
- 1レース当たり出走人数
- 最小6名~最大9名。枠番車券が発売できなくなるため、5名以下での競走は行われない。
- 4番5番・6番7番・8番9番は同一枠として単枠の1番・2番・3番をあわせて6枠を構成するため、慣習的に4番・6番・8番には格下、つまり競走成績の低い者がおかれる(ひとつの競走において同一枠の両名が棄権した場合、車番を変更することがある)。中でも6番車は最も格下の選手があてがわれるが、これら4番・6番・8番の選手が入着した場合は高配当が出ることが多く、競輪ファンはこれをもじって「ヨーロッパ」と呼ぶ。
- 競走
- バンクと呼ばれるすりばち状のコースを4周~9周(基本は2,000m、但しGI決勝やKEIRINグランプリではそれ以上)し、通常9人で行われる。ゴール前半周のタイムは計測されているもののタイムトライアルではなく、いかに早くゴールするかがポイントとなる。ただレース毎に、定められた時間以内にゴールしなければならないという「規定時間」(スタートから1周目のゴール地点までのタイムで計測)があり、これをオーバーすると賞金が減額させられる(基本的に半額)。
- 競技中には時速70kmにもなり自転車は大きな風圧の抵抗を受けることから、選手は2人~4人で連携(ラインと呼ばれる)して戦う方が有利であり、その場合には、各ラインの先頭の選手が風圧を受ける代わりに、その後ろについた選手は、他のラインに追い抜かせないように抵抗するという役割分担を行う。そのため、競技は当然個人戦であるが、団体競技的な側面も併せ持ち、推理に複雑さと面白さを加えている。
- 先頭の選手が残り1周半を通過してから、ゴールラインを通過して最後の1周となるまで、半鐘が打ち鳴らされる。これを「ジャンが鳴る」という。ここから誘導員が抜けてラストスパートがかかり、ゴールまで息詰まるデッドヒートが展開される。各車が込み合うような展開の場合には、時として接触・落車事故が発生することがある。
- 先頭固定競走
- 現在行われている競走は先頭固定競走と呼ばれ、スタートから残り1周半付近(ジャンが鳴る地点)までは、風圧の影響を避けるため選手と同じ型の自転車に乗った誘導員が選手の前を走る。誘導員はレースに出走する選手と区別するため、橙色のV型帯の入った紺色のユニフォーム・ヘルメットカバーを着用する。車券の対象とはならないが、選手の脚質により車券を購入する上で推理の一因となることもある。
- 誘導員となるには、誘導員試験に合格し、誘導員資格を得る必要がある。競輪選手であること、かつ誘導員試験において2,000mタイムトライアル2分55秒以内(選手なら必ず走破できる設定)が条件である。誘導員は大抵、そのレースが開催されている競輪場をホームバンクとし(東京、神奈川、千葉、埼玉の選手の場合、隣接場をホームとする選手の場合もある)、当日競走に出走しない地元の選手がおこなう。誘導員にも競走に応じて手当てが支給されるので、収入が少ない成績下位の地元選手が多く務める。成績上位の選手はあまりやらないが、地元での記念競輪 (GIII)の決勝戦などではファンサービスのため乗る選手も見受けられる。
- 普通競走
- かつては誘導員がいない代わりに普通競走、つまり誘導員のない競走もあったが、車番連勝式車券が発売される競走では行われないようになり、事実上の廃止となっている。
- 普通競走で誘導員の役割を選手が行うことをトップ引きと呼ぶ。これはトップ引きを行う選手が6番車となる慣例となり、もっとも成績下位の選手が6番車として競走が組まれているゆえんとなっている。
- 車番連勝式車券が発売される以前は、先頭固定競走と予定されている競走でも、選手のトップ引きを行う旨の申告により普通競走に変更することもあった。これは何らかの理由で明らかに格上の競走に出走することになった力の劣る選手、あるいは引退間際の選手などが事前に申告するもので、この場合該当選手の車番は最も勝ち目が薄くなるため、本来は後述の通り最も格下の選手があてがわれる6番に車番変更される。
- トップ引きを行った選手には正規の入着賞金のほかに誘導手当も支給され、雨敢闘手当なども他の選手同様に支給される。先頭固定競走の誘導員は車券の対象とはならないが、この普通競走では6番車のユニフォームを着た選手が誘導員代わりであるため、車券の対象となることが違いとなる。当日の出走表などで普通競走に変更された旨の告知されているため混乱はなく、投票者にも暗黙の了解であったが、同じ5枠の7番車との車券である、枠番連勝式(枠連)5-5の車券は発売されていた。これに対し、普通競走において仮に5枠以外の選手全員が落車棄権してしまえば枠連5-5が的中車券となるため、以前から「おかしい」という声はあがっており、実際に1973年4月9日の千葉競輪場第7競走において、5枠両名を除く9人中7人が落車したため2,363,180円という配当が出た(これは当時全ての公営競技において最高記録)。これは永らく破られず、現在でも枠番連勝式としては全ての公営競技で史上最高配当となっている。
- 車番連勝式車券発売施行の際に『混乱をきたす』ことを理由に、現在は行われていない(規則で車番連勝式勝者投票券を発売するレースは先頭固定競走とすると明記される)。またトップ引きが公正な競走でないという問題については過去に裁判も行なわれており、「主催者側が客に普通競走であることを周知させているので正当」という判例があり妥当であると判断されている。
[編集] 競技規則
競走に対するルール違反は、主なものが以下のように定められており、違反により落車および自転車故障の原因となった場合、または違反行為そのものにより、失格となる場合がある。ただし競技規則には違反を問わないケースも明記されている。
- 第11条…敢闘の義務、追走義務違反の禁止(集団から極端に離れてはならない)
- 第11条の2…過失走行の禁止(端的にはいわゆる「自爆落車」など)
- 第13条…内側差込み等の禁止
- 第13条の2…外帯線内進入の禁止(内圏線と外帯線の間を走る選手を内側から抜いてはならない)
- 第14条第1項…押圧、押し上げ、押し合いの禁止
- 第14条第2項…斜行、蛇行の禁止
- 第14条第3項…中割りの禁止(前で並走している選手の隙間をこじ開けてはならない)
- 第15条…内圏線踏切りの禁止
- 第16条…イエローライン踏切りの禁止(先頭に位置する選手は2秒以上外側へ越えてはならない)
- 第58条…先頭員早期追い抜きの禁止
- 第59条…誘導行為に対する妨害等の禁止
- 第70条第1項第4号…周回誤認
- 内圏線(ないけんせん) - この線より内側の走行は禁止される。
- 外帯線(がいたいせん) - 内圏線の70cm外側に引かれた線。内側追抜判断の基準となる。
- イエローライン - 内圏線の3m外側に引かれた黄色い線。2004年1月より追加された。
[編集] 競輪の主な戦法
前述のように競輪はあくまで個人が他人より先着するために競走をするのが基本であるが、その競走をより有利に進めるために関係の深い選手同士で連携をする。連携は各選手の脚質による戦法で決まる。その戦法の主なものを次に述べる。
- 先行(せんこう)
- 競輪は残り1周半程度までは1本のラインをつくって進む。その時は関係の深い者同士で並びの前後を決めるのであるが、その際に一番前を走る戦法の選手が先行選手である。決まり手は「逃げ」あるいは「逃」と表される。先行選手は残り1周半程度から後ろの選手を引き連れてダッシュをする。つまり先頭誘導員が下がって選手達のスピードが上がってから一番前を走っているのが先行選手と言ってよい。一番前を走るので誰にも邪魔されずゴールに先着する可能性は一番高いが、反面時速70Km程度の速度で走るので猛烈な風圧を受けながら走らねばならないため相当な脚力と持久力がないとつとまらず,そのため並びの中で最も若い選手がなることが多い。疲労で速度が鈍った、いわゆるタレたときには追い込み選手がいかに残してくれるかによって良い着順を取ることが出来る。後ろに追込選手を引き連れて走るため先行選手を「機関車」と呼ぶこともある。
- 追込(おいこみ)
- 先行選手の後ろを走る戦法の選手を追い込み選手、あるいはマーク屋、差し屋といい,決まり手は「差」と表される。風圧を前の先行選手が受けてくれ、スリップストリームを作ってくれる中で走ることが出来るため楽にゴール前まで進むことが出来るが、先行選手をぎりぎりまで「残す」ために後ろから来る選手をブロックしなければならない。その後先行選手に先着するのが正しい追い込みの仕方で、早々と別のラインに切り替える、直線の手前でまだ脚のある先行選手を抜いていくなどの走法は邪道といわれる。先行選手やまくりの選手は「縦の競走」追い込み選手は「横の競走」をすると言われる。先行選手のすぐ後ろを走っている選手を番手、その後ろは三番手・四番手・・・・と呼ぶ。
- 捲り(まくり)
- 先行選手は先にダッシュを仕掛けるが,先行するラインを後ろから追いかけて短い距離で一気に抜き去る戦法を捲りという。捲りを主戦法にする選手もいるが、先行選手が後手を踏んで捲りになったり、あえて力関係で捲りを選んだりすることもある。先行選手以上のダッシュ力は必要となり、かつ先行ラインを抜く時にそのラインの選手のブロックには耐えなければならない。もちろん捲り選手の後ろにも追い込み選手が続いている。
これらの選手の一般的な並び方は各選手の出身地域が3人ずつ分布している場合、それぞれの出身地域をA,B,Cの3地域だとすると「A先・A追・A追/B先・B追・B追/C先・C追・C追」となり,こういう形を三分戦と呼ぶ。もっと細かくなったものは細分戦あるいはコマ切れの競走と呼ばれる。一方で、先行選手が2名しかいないなどラインが2本しか形成されない場合は二分戦と呼ぶ。
[編集] 競走における競輪道
上述した戦法をふまえて、競輪競走においてはルールに明記されているわけではないが、選手全体に認知されている競走におけるやらなければならない行為、あるいはやってはいけない行為が存在する。これは選手道または競輪道とファンや選手に言われており、選手達の間で暗黙の内に決められた事と、ファンと選手の間で暗黙の内に決められた事がある。いわゆる不文律・アンリトゥン・ルール(Unwritten rule)の一つ。
選手達の間で決め事とされているものとしては以下のものがある
- ライン(上述)を組む際に、追込選手の並びを決める基準として、地区のつながりで先行選手との間に差がない場合は直近4ヶ月の平均競走得点が上の選手が有利な番手を得る
- 先行するラインの番手(※1)追込=番手あるいは3番手から最後の直線のみで一気にダッシュする戦法の選手は、外側を捲って来る選手に対して車体を振って牽制するか、いざというときは体当たりをしてブロックしなければならない
- 上記の際に、ラインの三番手の選手は内を閉めて(※2)インを突かれる(※3)のを防ぐ。また、自らインをつくこともしない
- 先行するラインの番手の選手は(三番手でも)インで他の選手に競られた場合、アウトで競り(※4)続けなければならない(一旦、先頭に立って、先行選手を迎え入れてインで競るのは他のラインに隙を付かれるため)
- 先行するラインの番手の選手は、他の選手が後ろから来ない場合は、最後の直線に達するまで先行選手を抜きに行かない
- 先行争いで敗れ、失速した選手は他の選手の邪魔にならないように後退する
- 二分戦(先行選手が2名しかいないレース)の場合、その先行選手同士が並列してマイペースで走ってはいけない。ライン後続を裏切る行為になる。本来はラインを組むべき選手同士がどちらも先行選手だった場合、やむなく二分戦となり先行争いを行わなければならない選手が練習仲間の同地区の選手ということがある。しかし、そのような行為はほぼ絶対に禁止されており、ほとんど見かけることは無い。
またファンとの間で決め事とされているものとしては以下のものがある
- 大本命の先行選手がラインの番手の選手のために、わざと無理な先行をして着外、つまり車券に関係しない順位になってはいけない
- 競走前の顔見せ(※5)で競りを表明した場合、必ず1回は競りにいかなければならない
- 先行1車の競走(先行選手が1人の競走)では必ず二番手を競りに行くか、いちかばちかその先行選手を相手に追込選手が先行か捲りで競走を動かさなければならない
- 一本棒(※6)で最初から最後まで何の動きも無いレースにしてはならない
- 競走前の顔見せで見せたラインの並びと違う並びを、本番の競走の最初からやってはいけない
- 顔見せで事前のコメントと違うライン並びを行なってはならない。これは、古くは顔見せでの並び変更は許されたが、最近は電話投票や前日発売などで事前に投票するファンが増えたことによる。但し事前に「顔見せで決める」とコメントすることは許される。
- 他に、中野浩一は特に先行選手に対して「『○○さん(自分をマークしてくれる選手)のために駆けます(目一杯先行します)』と言わないように!」と指導している。
- (※1)番手=二番手。先行および捲り選手の直後の位置。番手の直後は三番手。
- (※2)内を閉める=後続が内側から抜かすと反則と判定される位置を走ること
- (※3)インを突く=ルールにのっとり内側から追い抜く行為
- (※4)競り=併走状態で追込選手が互いに体当たりを行ない相手のスピードを落とす行為
- (※5)顔見せ=前の競走が終わった直後に行なわれる、次の競走に出る選手の試走
- (※6)一本棒=先行選手から最後尾まで風の抵抗を避けるため一列になる状態
上記に上げた行為はどちらもルールブックに明記されているルール違反ではなく、ただちに問題になることは滅多にないものの必ず反響を呼び、施行者側職員から注意を受けたり、選手の間でも仲間はずれにされる。また競輪場から競走の斡旋(競走参加の要請)をされなくなる事実上の制裁を受けることもある。トップスターでも時折こうした行為があり、ファンの記憶に残り語り継がれているものもある。斡旋の仕組みについては競輪選手の項を参照。
同様の選手道は競艇においても存在している。但し競輪はこうした選手間の立場による要素が他の公営競技よりも多いとされており、これが競輪を知らない人から見た場合の予想の難解さを生んでいる側面もある。
なお明らかなルール違反であり、競輪道(選手道)に反するものとして「金網ブロック」がある。これは文字通り、後方から進んでくる選手をブロックする際に、バンクの外周フェンス(金網)近くまで自分の車体を持ち上げて、相手選手をよりフェンス近くで走らせる威嚇行為である。大変に危険な行為であり、故意に相手をフェンスへ激突させた場合は悪質失格とされ斡旋停止の処分等もありうる。昔はこの行為ですら合法だったが、選手同士に遺恨を残すこともしばしばあり、ブロック行為が寛容であった時代ですらルール違反とされることになった。
競輪選手は競走のグレードに対応した競走得点、マイナス計算となる失格点等によって「級班付け」が行われる。規定の点数を獲得できなければ事実上競輪選手としての資格を剥奪される。したがって、「点数がかかっている」選手がいる場合はラインでここぞとばかりに結束し、点数勝負の選手に勝利をもたらそうとするケースがある。その際は要注意であるとともに、事ギャンブルという視点で捉えた場合、チャンスでもある。
[編集] 競輪選手
競輪選手は日本競輪学校を卒業した後に選手として登録され、S級とA級に分けられた2クラス制の中で、半年ごとに選手の入れ替えを行なって上位のS級を目指す体系となっている。 選手の育成については日本競輪学校、選手そのものについては競輪選手の項に詳しい。
- (歴代賞金王)
- 1949年 小林源吉(埼玉) 1,921,000円
- 1950年 高橋澄(兵庫) 2,425,250円
- 1951年 (不明)
- 1952年 高倉登(埼玉) 3,743,000円
- 1953年 山本清治(大阪) 3,532,100円
- 1954年 中井光雄(滋賀) 3,795,530円
- 1955年 松本勝明(京都) 3,793,780円
- 1956年 松本勝明(京都) 4,118,150円
- 1957年 西村公佑(大阪) 4,338,200円
- 1958年 石田雄彦(和歌山) 4,592,500円
- 1959年 山本清治(大阪) 5,010,370円
- 1960年 石田雄彦(和歌山) 5,796,080円
- 1961年 吉田実(香川) 4,876,590円
- 1962年 吉田実(香川) 6,160,800円
- 1963年 高原永伍(神奈川) 10,875,660円
- 1964年 石田雄彦(和歌山) 12,304,940円
- 1965年 白鳥伸雄(千葉) 12,101,480円
- 1966年 稲村雅士(群馬) 12,384,020円
- 1967年 平間誠記(宮城) 19,093,920円
- 1968年 吉川多喜夫(神奈川) 16,923,220円
- 1969年 高原永伍(神奈川) 17,899,460円
- 1970年 福島正幸(群馬) 16,866,540円
- 1971年 大田義夫(千葉) 17,642,200円
- 1972年 福島正幸(群馬) 23,799,720円
- 1973年 阿部道(宮城) 35,937,630円
- 1974年 阿部道(宮城) 40,595,800円
- 1975年 福島正幸(群馬) 39,613,900円
- 1976年 藤巻昇(北海道) 56,742,000円
- 1977年 中野浩一(福岡) 66,139,600円
- 1978年 中野浩一(福岡) 82,385,200円
- 1979年 中野浩一(福岡) 92,186,200円
- 1980年 中野浩一(福岡)111,410,600円
- 1981年 中野浩一(福岡)107,685,711円
- 1982年 井上茂徳(佐賀)108,267,311円
- 1983年 中野浩一(福岡)109,093,600円
- 1984年 井上茂徳(佐賀) 98,545,100円
- 1985年 滝澤正光(千葉) 96,287,600円
- 1986年 滝澤正光(千葉)100,883,000円
- 1987年 滝澤正光(千葉)131,285,100円
- 1988年 滝澤正光(千葉)129,654,000円
- 1989年 坂本勉(青森) 99,305,700円
- 1990年 坂本勉(青森)121,627,000円
- 1991年 鈴木誠(千葉)118,745,700円
- 1992年 吉岡稔真(福岡)190,028,133円
- 1993年 神山雄一郎(栃木)156,129,100円
- 1994年 吉岡稔真(福岡)158,604,533円
- 1995年 神山雄一郎(栃木)185,597,533円
- 1996年 吉岡稔真(福岡)178,409,511円
- 1997年 神山雄一郎(栃木)228,571,400円
- 1998年 神山雄一郎(栃木)183,822,500円
- 1999年 神山雄一郎(栃木)180,272,200円
- 2000年 児玉広志(香川) 170,820,200円
- 2001年 伏見俊昭(福島)203,315,600円
- 2002年 山田裕仁(岐阜)244,348,500円
- 2003年 山田裕仁(岐阜)215,344,600円
- 2004年 小野俊之(大分)183,537,300円
- 2005年 加藤慎平(岐阜)186,102,000円
- 2006年 有坂直樹(秋田)191,489,111円
[編集] 競走格付け
競輪の競走格付けにはグレード制が採用されており、上位のグレードから以下のように分類される(本来の数字表記はローマ数字)。
- GP (KEIRINグランプリ)
- GI (グレード制施行前は「特別競輪」と呼称)
- GII (グレード制施行前は「準特別競輪」や「特別記念競輪」と呼称)
- GIII (記念競輪)
- FI (S級シリーズ)
- FII (主に一般競走)
それぞれの詳細については競輪の競走格付けを参照のこと。
[編集] 全国の競輪場
詳細については競輪場を参照のこと。
[編集] 自転車競技場
競輪場の他にも全ての都道府県には、自転車競技が行われる国体が開催された関係から、競輪場を含め1ヶ所以上の自転車競技用バンクが設営されており、競輪場がない県でも選手の本拠所属地にする事ができる。なお沖縄県を本拠所属地にしている選手もいるが、鳥取県・島根県が本拠所属地の選手は現時点では存在しない。
[編集] 車券発売種類
(全7賭式)
- 枠番二連勝複式(2枠複)18通り
- 枠番二連勝単式(2枠単)33通り
- 車番二連勝複式(2車複)36通り
- 車番二連勝単式(2車単)72通り
- 車番拡大二連勝複式(ワイド)36通り
- 車番三連勝複式(3連複)84通り
- 車番三連勝単式(3連単)504通り
※単勝式・複勝式は規則上上記7賭式を発売する場合は発売しなくてよいとされているため、事実上廃止。元来から単勝式・複勝式の売り上げは微々たるものであり、レースによっては「的中者なし」で購入金額の30%を控除して購入者全員に払い戻すことも多々あった。このため、電話投票でも取り扱いをしたことはない。
[編集] 高額配当
競輪がギャンブルの側面を持つ以上、高額配当というのは常に話題に上るものであるが、その最高配当は2006年9月21日に奈良競輪場で行われた第10競走(A級)で、三連勝単式における4,760,700円である。
なお、最新の情報については、Keirin-Dataplaza ランキング情報 を参照されたい。
[編集] 場外発売
電話投票では1991年から各地の記念競輪 (GIII) 以上の競走を対象に全国発売されるようになり、現在では全国全競走を購入できる。また場外発売でもGIII以上は場間場外発売を行っている他、S級シリーズ (FI) や一般戦 (FII) でも地方都市を中心にしてサテライトなどの専用場外で発売する場合もある。なお、1998年11月に開設された東京都港区にあるラ・ピスタ新橋と、2004年10月に開設された神奈川県横浜市中区のサテライト横浜、2007年3月に開設されたサテライト大阪は有料会員制となっている。詳細については競輪場外車券売場を参照のこと。
[編集] 放送媒体での実況中継
競輪においてのテレビ実況は、記念競輪(GIII)以上のクラスについては主として開催競輪場と場外発売が実施されるそれぞれの地域のローカルテレビ放送局がネットワークを組んで実況中継される。
特に一流レーサーが多数参加するGII競走以上の格ともなると関東、中京、近畿の広域放送地域にある独立UHF放送局では午後を中心に長時間にわたってレースの実況・関連情報、開催地の紹介などを放送している。また現地スポーツ新聞記者のほか元競輪選手など専属の解説者も日替わりで出演している。
サンテレビでは2005年4月から毎週火曜日に岸和田競輪場の中継(競輪の話題も)を中心としたを「まいど!火曜日はKEIRIN」を放送している。
以前は決勝戦をTXN(テレビ東京系列)を中心に配信していたが、決勝戦が日曜日の開催を原則とするようになった関係上、中継できない競走もあるため独立UHFで中継することもある。GIの決勝戦では、一時期古舘伊知郎が担当していた(この期間、古舘は競輪のイメージキャラクターでもあった)。
なお年末の「KEIRINグランプリ」はNHK衛星第1テレビジョン及びNHKデジタル衛星ハイビジョンでも放送される。これは収益金の一部がNHK厚生文化事業団に寄贈され、また優勝者に対してNHKからの寄贈トロフィーが贈られるためである。
- 主な解説者
- (番組の司会やゲストとして出演することもある)
地方の競輪場によっては S級シリーズ (FI) などの重要な競走も地元ローカルテレビ局が生中継することもある。また近年は競輪を専門にした衛星放送SPEEDチャンネルや、インターネット放送も行われている。
ラジオでは全国放送を主にGP、GIの決勝戦を中心に放送している。主にアール・エフ・ラジオ日本を中心に中継が行われているが、近年はTBSラジオ局をキーステーションとした中継も行われている。
[編集] 競輪の歴代イメージキャラクター
[編集] オートレースとの統合について
2007年3月5日の読売新聞の報道「競輪とオートレース事業、集客力アップへ…2法改正案」によれば、経済産業省が「自転車競技法」とオートレースの根拠法「小型自動車競走法」の一部改正案を発表、国会に提出予定で、日本自転車振興会と、同じ経済産業省の管轄であるオートレースを管理する特殊法人「日本小型自動車振興会」を2008年4月をめどに統合するという。併せて「自転車競技会」「小型自動車競走会」も、それぞれ、2008年4月をめどに公益法人に移行すると報じている。報道内容では、競馬と同様の20歳以上の学生の車券購入解禁や、複数レースに渡る優勝選手を予想する「重勝式」投票券の導入に言及されている。「重勝式」投票券が導入されると、日本では1961年2月に競馬で廃止されて以来の復活となる。
[編集] 関連項目
- 競輪の競走格付け
- 競輪の競走一覧
- 競輪選手一覧
- トラックレース(自転車競技)
- SPEEDチャンネル
- ケイリンライブ!282
- 岸和田BBスタジオ
- 四国競輪インターネットライブ
- 競輪場
- ギャンブルレーサー
- 競輪場外車券売場
[編集] 外部リンク
- 日本自転車振興会 競輪の総合サイト KEIRIN.JP
- 「ケイリン」(自転車文化センター)