亜塩素酸ナトリウム
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亜塩素酸ナトリウム | |
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IUPAC名 | sodium chlorite(慣用名)、sodium dioxochlorate(系統名) |
別名 | |
組成式 | ClNaO2 |
式量 | 90.44 g/mol |
形状 | 白色結晶 |
結晶構造 | |
CAS登録番号 | [7758-19-2] |
密度と相 | g/cm3, |
水への溶解度 | 39 g/100 mL (17 ℃) |
融点 | 180–200 ℃(分解) |
沸点 | ℃ |
出典 |
亜塩素酸ナトリウム(あえんそさん—)は、亜塩素酸のナトリウム塩で、化学式 NaClO2 と表される無機化合物である。
目次 |
[編集] 合成
二酸化塩素に水酸化ナトリウムと過酸化水素とを反応させると、亜塩素酸ナトリウムが得られる(式)。
- 2ClO2 + 2NaOH + H2O2 → 2NaClO2 + O2 + 2H2O
[編集] 性質
白色の結晶で、水によく溶ける。特異な刺激臭があり、水溶液に塩素(式)、あるいは次亜塩素酸ナトリウムを作用させたり、電気酸化を行うと、二酸化塩素が発生する。
- 2NaClO2 + Cl2 → 2ClO2 + 2NaCl
加熱により分解し、塩素酸ナトリウム (NaClO3) と塩化ナトリウム (NaCl) に変わる。
[編集] 用途
亜塩素酸ナトリウムは漂白剤、酸化剤として用いられる。
有機合成化学では、アルデヒドをカルボン酸へ変換する酸化剤として用いられる(式)。この反応の活性種は亜塩素酸 (HClO2) である。
- RCHO + HClO2 → RCO2H + HOCl
反応は多くの場合、リン酸緩衝液などで pH を微弱な酸性に保った状態で行われる。さらに、系中で発生する次亜塩素酸 (HOCl) など、副反応を誘発する塩素化合物を捕捉するために、2-メチル-2-ブテンなどの捕捉剤(スカベンジャー)が添加される。
この反応は、収率や化学選択性が高く、後処理が簡便であるため、カルボン酸の合成法として非常に重要である。1級アルコールをカルボン酸に変換する場合でも、強い酸化剤を用いてアルコールを1段階で直接カルボン酸に変えようとするよりも、スワーン酸化やTPAP酸化によりアルコールをいったんアルデヒドに変え、それから上式の手法でカルボン酸とするほうが、収率や選択性が上回る場合が多い。全合成などで多用される手法である。