什 (会津藩)
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什(じゅう)とは、会津藩の藩士の子弟の教育のための組織である。似たものに薩摩藩の「郷中」がある。
町内の区域を「辺」という単位に分け、辺を細分して「什」という藩士の子弟のグループに分けた。什では「什長」というリーダーが選ばれ、什長は毎日、什の構成員の家の座敷を輪番で借りて、什の構成員を集めて「什の掟」を訓示した。什の掟は7ヶ条からなる。
なお、什の掟は藤原正彦のベストセラー「国家の品格」でも紹介され、会津出身の民主党最高顧問の渡部恒三も度々引用したことから全国的にも知られるようになり、学校でのいじめが社会問題化する中、教育関係者の注目も集めた。なお、最後の一節「ならぬことはならぬものです」から、NN運動が福島県を中心に展開されている。
[編集] 什の掟
一、年長者の言うことに背いてはなりませぬ
二、年長者には御辞儀をしなければなりませぬ
三、虚言をいふ事はなりませぬ
四、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
五、弱い者をいぢめてはなりませぬ
六、戸外で物を食べてはなりませぬ
七、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです