住吉神社 (東京都中央区)
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住吉神社(すみよしじんじゃ)は、東京都中央区にある神社である。旧社格は郷社。
1590年(天正18年)8月1日、徳川家康が関東下降の際、摂津国佃村の漁夫33人が江戸に移り、1645年(正保二年)には現在の地に百間四方の土地を埋め立てて築島し永住することになった。この島を故郷の摂津国佃村にちなんで佃嶋と命名、正保三年6月29日、摂津国佃鎮座の住吉社(現田蓑神社)分霊と徳川家康公の御霊を奉遷祭祀し、住吉神社が創建された。
1694年(元禄七年)には、初めての講組織が誕生し、その後幾多の火災風災に見舞われながらも、氏子信者の結束により近世に及ぶ。
明治になり、月島、晴海、豊海と埋め立てが進み、全島が氏子中に編入され、昭和22年には、現在の佃住吉講が組織され、住吉神社氏子総代として、各町会、連合睦会と協力して、三年に一度の例大祭を執り行う、獅子頭宮出し、本社八角神輿宮出し、古来の神輿海中渡御を再現した船渡御など江戸文化を今に残した祭事が執り行われている。
境内の鳥居には有栖川宮幟仁親王筆による陶製の住吉神社扁額が格式高く飾られている。また、勝どき4丁目にはその分社(御旅所)がある。
丸谷才一の短編小説「鈍感な青年」には、三年に一度の例大祭以外の年の「かげまつり」の描写が印象深く描かれている。