公立学校選択制
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公立学校選択制(こうりつがっこうせんたくせい)とは、日本においては一般的に、進学予定の公立の小学校・中学校を複数校の中から選ぶことができるという制度である。
現在は、東京の区部を中心として、一部地域のみで施行されており、年々区域が拡大している。以前は公立小中学校は厳密な学区制が取られており、特殊学級への通学や、いじめによる転校などの例外を除けば、入学先の学校は固定していた。
一度入学時に学校を選択すれば、卒業まで学校を変更できないという規定が多い。また、希望者多数の場合は抽選となる。各学校の特色を知ろうとしても、情報公開の不十分さなどで、噂に流されてしまうケースも多い。
誠実な教育をしている学校が選ばれるという面では、良い制度であるが、欠点もある。進学実績などが良い学校には希望が集中し、逆に評判が悪い学校は閑散とする。また、1学年1学級のような小規模校は敬遠されることが多く、小規模校はますます小規模になっていき、品川区のある小規模中学校では学校選択制導入以後、入学者が減っており、2006年度には入学者がついに0人になった。
例えば品川区のある小学校は、区内で歴史が古く、私立中学校への進学者も多いこともあいまって、毎年40~70人程度の児童が旧他学区より流入している。また同区のある小学校は、大企業の社宅が近くにあるため、教育熱心な家庭が多いこともあいまって、毎年差し引き16人程度流入している。一方、毎年差し引き20人程度旧他学区へ流出している小学校もある。中学校では、冷暖房完備で温水プールがある中学校に毎年50~80人程度旧他学区から流入している。
品川区では、小学校は17%、中学校は23%の児童生徒が従来の学校以外を選択していて、選択率は年々増加している(数字は2003年度)。
[編集] 参考文献
- 学校選択制時代の小中公立校ガイド 佐々木宏著 ISBN 449603672X