特殊学級
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特殊学級(とくしゅがっきゅう)は、主に小中学校で、特別な支援を要する児童生徒のために設けられた学級である。自治体によって、養護学級、育成学級、心障学級、障害児学級、実務学級、学習室、総合学級、個別支援学級、なかよし学級、あすなろ学級など、さまざまな呼び方がある。
学校教育法第75条に、「小学校、中学校、高等学校及び中等教育学校には、次の各号のいずれかに該当する児童及び生徒のために、特殊学級を置くことができる」とあり、以下の子供達が挙げられている。知的障害、肢体不自由、身体虚弱、弱視、難聴、情緒障害、そして、その他心身に故障のある者で、特殊学級において教育を行うことが適当なものとある。これに基づいた学級のため、関係者の間ではニュートラルな呼び方として75条学級ともいうことがある。
東京都などでは健康障害の生徒のために健康学園という学校を設置しており、これも制度上特殊学級に分類される。
法律上は高等学校にも特殊学級を置けるが、実際に設置されている例はほとんどない(もしくはゼロ?)。このため、設置するよう呼びかける市民運動がある。なお、大阪では知的障害者の公立普通高校への入学が試験的に行なわれている。これ以外にも、軽度の障害者も対象にした高校はある。
「ひまわり」など、教室名に数字ではなく草花などの名前が付けられることが多い。
普通学級は定員40人だが、特殊学級は生徒数1人からでも編成でき、最大は8人である。なお教育委員会によっては数人程度集まらないと編成しない場合がある。教員は普通免許状のみで担任できる(養護学校も同じ)。
なお、「大学でも障害者を学生として受け入れ、特殊学級を設置して欲しい」との声もある。ちなみに種智院大学などでは知的障害がある学生の受け入れも行なっている。
学校教育法が2006年6月に改正され、2007年4月1日からの特別支援教育完全実施により、これまでの特殊学級に代わって、「特別支援学級」という名称になる。一時期、在籍を普通学級と一元化する「特別支援教室」の構想もなされたが、固定学級の機能を残すべきとの強い声があがり見送られた。
また、その対象も、従来の障害に加え、「その他心身に故障のある者で、特殊学級において教育を行うことが適当なもの」とされていたものが、「その他教育上特別の支援を必要とする児童・生徒及び幼児」に修正された。
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[編集] 歴史
1890年に松本尋常小学校に落第生学級が設置されたのが最初の特殊学級とされる。これは障害児のみを対象としたものではなく学業不振児が主対象だったようだ。
[編集] 統計
[編集] 特殊学級在籍生徒数
小学校は59,419人で全児童の0.8%。うち国立113人、私立174人。
中学校は26,514人で全生徒の0.7%。うち国立152人、私立106人。
中等教育学校前期課程は0人。
[編集] 特殊学級数
小学校は21,384個で全学級の7.8%。うち国立24個、私立18個。
中学校は9,537個で全学級の7.9%。うち国立16個、私立9個。
中等教育学校前期課程は0個。
(2003年・文部科学省)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 特別支援教育について文部科学省
- 特別支援教育の推進のための学校教育法等の一部改正について(通知)文部科学省
- 学校教育法等の一部を改正する法律(法令データ提供システム - 総務省行政管理局)
- 日本発達障害ネットワークJDDネット
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