内股すかし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
内股すかし(うちまたすかし)は格闘技、柔道の技の一つ。相手が内股を掛けてきたときの返し技。
相手が内股を掛けるために上げた脚をかわして(すかして)、その脚を上げた勢いを利用して相手の体を回転させ倒す。 内股は掛けやすさのわりに一本を取りやすい強力な技であるが、自分のバランスを大きく崩しながら掛ける技なのですかされて一本を取られてしまうことも多い。
相手の足の透かし方には2つのバリエーションがあり、1つは自らの足を後方へ下げるというもので、こちらは自らの体も前方につんのめるため不安定になりやすい。もう1つは自らの足を思い切り跳ね上げるというものであり、こちらの場合は自分の股下(両足の間)で相手を回転させる。いずれの場合も非常に高度な技で、かなり熟練した者でない限り試合では使えない。相手の体を回転させられずに相手が続けて技(とりわけ払腰など)を掛けてきた場合はその餌食になりやすいというリスクもあるため相応の勇気が必要であり、同時に、一瞬で相手の技を内股と判断する洞察力と相手の勢いを足一本で堪える足腰の強さも要求される。
なお、他の全ての柔道技は、漢字だけで、平仮名は入っていない。しかし、この「内股すかし」の「すかし」だけは平仮名である。これは技名をつけるときに、この技の意にあう「すかし」の漢字がなかったからである。
[編集] シドニーオリンピックでの誤審問題
男子100kg超級決勝で、日本の篠原信一と、フランスのダビド・ドゥイエと対戦した際に ドゥイエの内股に対して、篠原の内股すかしが決まって金メダルだと日本側は喜んだが、結果2人の審判はドゥイエの内股で有効、1名の副審のみが篠原の一本勝ちを支持した。結果、篠原は銀メダルに終わった。(詳細は、篠原信一の項目を参照)
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 格闘技関連のスタブ項目 | 投げ技 | 柔道