円通
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円通(えんつう、1754年-1834年)は、江戸時代後期の天台宗の僧。字は珂月。号は無外子・普門。
初め日蓮宗の僧であったが天台宗に改宗し、比叡山に入って慧澄・豪潮などに学んだ。当時は儒学者・国学者の間から仏教批判が起こり、円通は仏教の衰退は天文地理の研究から始まると考え、インドの暦学を修学した。その結果、1810年(文化7年)に須弥山宇宙論による『仏国暦象編』5巻を著している。これに対し伊能忠敬は『仏国暦象編斥妄』で反論し、同じく大坂の武田真元も大坂訪問中の円通に論戦を挑んでこれを論破している。初め山城国智積院に住していたが、その後は江戸増上寺恵照院に住した。