冒進
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冒進(ぼうしん)とは、鉄道用語で、列車または車両が不安全な状態のまま次の区間に進むこと。信号冒進、閉塞冒進、異電源区間冒進などがあり、いずれも鉄道運転事故などの重大な要因となる。
- 信号冒進は、自動閉塞方式の区間(単に自動区間ともいう)では一般に1閉塞区間を1列車に占有させるようになっているので、別列車は停止現示(赤信号)があればその手前に停止しなければならない。別列車がその停止現示をこえて進入するのが信号冒進であり、正面衝突・追突の危険性がある。ただし誘導信号機による場合や無閉塞運転、別途指示により次区間に進入することが可能な箇所もある。ATS、ATC等により安全を確保している。
- 閉塞冒進は、信号冒進と同じく正面衝突・追突の危険性があるが、閉塞の確保を信号システムに依らない非自動閉塞方式の区間(単に非自動区間ともいう)ではこちら方が重要になる。決められたタブレット、通票、スタフの形状により安全を確保しているので、違う形状や不携帯のままで次区間に進入すれば閉塞冒進となる。
- 異電源区間冒進は、電化区間には直流区間と交流区間があるため、両区間が接している箇所にはデッドセクションを設けて送電を区分している。したがって車両が交流状態で直流区間に入れば直流冒進、車両が直流状態で交流区間に入れば交流冒進になる。交直流電車は(自動化されている車両もある)運転士がこのデッドセクション区間を通過中に適正な車両状態になるように車上の切り替えスイッチを扱うようになっているが切り替えが不適正ならば車両や変電所、架線に障害を与えるので、これが異電源区間冒進である。通常は車両側にも保護対策がなされている。さらに類似の冒進には無架線区間に電車・電気機関車が進入する冒進もあり、架線・パンタグラフなどが大きなダメージを受ける。
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