写真家
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写真家(しゃしんか、英語 "photographer")とは、主に芸術的な写真を撮ることで生計を立てており、一定の社会的評価を得ている人。
今日では機材の発達により誰でも一定レベルの写真が撮れるようになっているため、中々線引きの難しい言葉である。
新聞などの報道写真を撮影する人、風景を専門に撮っている人や人物だけを専門に撮っている人、商品撮影(ブツ撮り)専門の人などもいる。ジャンルにより、戦争写真家、動物写真家などとも呼ばれる。使用しているカメラも様々で、白黒のみの人やカラーでも少し変化を加えていたり、インスタントカメラを使ったり、コンピュータグラフィックス(CG)で加工することを前提とする場合もある。
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[編集] 関連語
[編集] カメラマン
本来の英語の "cameraman" は、写真を撮るためのカメラではなく、映画やテレビのカメラで撮影する人(撮影技師)を指す語である。日本では写真家も含めて「カメラマン」と呼ぶこともあるが、芸術的な写真を撮っていると自認する写真家は、カメラマンと呼ばれることをひどく嫌う。
カメラマンと呼べる写真家の範囲であるが、クライアントである企業から仕事を受けて、または、企業向けの写真撮影をするタイプの写真家、すなわち、報道写真家、広告写真家、ファッション写真家といった範囲に限られるとする考え方がある一方で(従軍カメラマン、報道カメラマン、芸能カメラマンなど)、すべての写真家をカメラマンと呼ぶことができるとする考え方もあり(例えば、「アマチュアカメラマン」という言い方すらありうる)、一様ではない。
有名なカメラマンとしては森山大道、荒木経惟、スズキノリヒトなど
[編集] アマチュア写真家
「アマチュア写真家」という言い方が残っているように、特に戦前までの日本では、写真を撮ることで生計を立てていない人のことも「写真家」と呼んでいた。当時はカメラが高価だったこともあって、誰もが写真撮影できるような状況にはなく、撮影できる人が特別な存在であった事と関係しているであろう。
[編集] 町の写真館
写真を撮ることで生計を立てていても、町の写真館(写真スタジオ)を経営して写真撮影をしている人のことは「写真家」と呼ぶことに違和感を感じ、フリーの写真家か広告業界や出版・放送関連業界の企業に属している者のみを写真家と認識する傾向がある。その理由についてはいくつか考えられる。
- 「町の写真屋」に対する蔑視が原因という説(被写体から言われた通り記念写真やお見合い写真を撮っている人は、芸術家たる写真家の名に値しない、そのような作品には芸術性や報道性がなく撮影者の主体性がない、というような蔑視。映画の看板を描く「看板屋」はあくまでも看板屋であって画家ではない、というような蔑視と同じタイプのもの)
- 逆に「町の写真屋」からアマチュアに対する蔑視が原因という説(もともと「町の写真屋」は写真師と呼ばれており、「写真家」という呼び方は写真師がアマチュアを蔑視した言い方で、それゆえ写真師の方が蔑称である写真家と呼ばれることを拒否していた。ところが写真師という言葉がなくなり、「写真家」という呼び方がプロまで飲み込んでしまったという説)