冷凍機械責任者
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冷凍機械責任者(れいとうきかいせきにんしゃ)は、高圧ガス保安法に規定される国家資格である高圧ガス製造保安責任者の区分の一つ。経済産業省管轄。
第一種、第二種、第三種に分かれ、第一種は、主に大型冷凍空調機器を備えている施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場等において、製造(冷凍)に係る保安の実務を含む統括的な業務を行う。第二種は、主に中型冷凍空調機器を備えている施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場等において、製造(冷凍)に係る保安の実務を含む統括的な業務を行う。1日の冷凍能力が300t未満の製造施設の保安に関わることができる。第三種は主に小型冷凍空調機器を備えている施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場等において、製造(冷凍)に係る保安の実務を含む統括的な業務を行う。1日の冷凍能力が100t未満の製造施設の保安に関わることができる。
各種の冷凍機械責任者の資格の有無は免状により証明され、その取得には国家試験に合格することが必要となる。同試験は法令上は年1回以上実施することとされ、実際には毎年11月の第2日曜日に行われている(実施は国から高圧ガス保安協会に委託されている)。同協会が別途実施している講習課程を修了(受講し技術検定に合格)した者は、国家試験の一部科目が免除になる。
法令上、一定規模以上の冷凍設備を有する各事業所は冷凍機械責任者免状を取得した者の中から冷凍保安責任者を選任し都道府県知事へ届け出ることとなっているが、その選任には免状所持に加え所定の実務経験も必要となる。
正式表記については、「第一種冷凍機械責任者」のように「第○種」は前置され、また、表示環境が縦書きか横書きかにかかわらず「○」の部分は算用数字でなく漢数字を用いる。
[編集] 試験科目
- 第一種
- 高圧ガス保安法に係る法令
- 冷凍のための高圧ガスの製造に必要な高度の保安管理の技術
- 冷凍のための高圧ガスの製造に必要な通常の応用化学及び機械工学
- 第二種
- 高圧ガス保安法に係る法令
- 冷凍のための高圧ガスの製造に必要な通常の保安管理の技術
- 冷凍のための高圧ガスの製造に必要な基礎的な応用化学及び機械工学
- 第三種
- 高圧ガス保安法に係る法令
- 冷凍のための高圧ガスの製造に必要な初歩的な保安管理の技術
[編集] 講習科目
- 各種とも国家試験と同じ科目の講義が実施され、法令を除く科目について後日「技術検定」が行われる。
- 技術検定に合格すると、修了証(無期限有効)が交付され、国家試験では法令の1科目だけを受験する。
- 第一種・第二種については2科目が技術検定の対象となり、その2科目とも所定の成績を収めなければ修了証は交付されない。技術検定で1科目だけ合格して国家試験でその1科目だけ免除、という制度は設けられていない。