分
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分は、様々な分野の単位として使われる文字である。日本語では「ふん」または「ぶ」と読まれる。現在の日本語では、時間の単位の意味として用いられることが多い。本項では時間の単位の分について詳述する。
「分」は「わける」という意味であるので、単位としては、何らかの基本となる単位を分割した単位に宛てられる。分割の数は分野によって異なる。10分の1のほか、金銭については日本では両の4分の1、中国では両の100分の1とされた。西洋から六十進法の時間や角度の単位(minute)が伝わると、それにも分という字が宛てられた。
- 分(ふん)
- 分(ぶ)
- 分(フェン)
分 | |
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記号 | min., ′ |
系 | 国際単位系(併用単位) |
量 | 時間 |
定義 | 60秒 |
SI | {{{SI}}} |
分(ふん)は、時間の単位の一つである。秒は、国際単位系(SI)では併用単位となっている。
1分は1時間の60分の1であり、1秒の60倍である。ただし、協定世界時(UTC)において閏秒が適用された場合は59秒や61秒になる。
記号は、英語のminuteを略したmin.やm、また′が用いられる。ただし、特に分を単独で用いる場合に m の記号を使うと、メートルの記号と誤解されるおそれがある。′は角度の単位の分にも用いられる。
古代において、時間の基本となる単位は日であった。それが24に分割されて「時間」という単位が生まれた。後に、より細かな時間の分割が必要になり、分と秒という単位が作られた。「分」「秒」という単位が最初に見られるのは、精密な機械式時計が発明された1250年ごろで、ラテン語でそれぞれpars minuta prima(第一の小さな部分、"first small part")、partes minutae secundae(第二の小さな部分、"second small part")と呼ばれた。ここから、分は英語でminute、秒はsecond minuteと呼ばれるようになり、秒は単にsecondと呼ばれるようになった。
分が1時間を60分割しているのは、バビロニア発祥の六十進記数法によるものである。
分と言う時間の単位が市民の生活に現れたのは、鉄道の開通以降のことである。複数の列車が特定の駅ですれ違うための運行ダイヤグラムの作成のためには、時だけでは不足であった。
上述のような事情により、本来の分の定義は「60分の1時間」であるが、SIでは秒が時間の基本の単位であるため、分の定義は「60秒」となる。。