労働条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
労働条件(ろうどうじょうけん)とは、労働者が使用者の下で働く際、労働者と使用者の間で取り決められた就労に関する条件である。具体的な労働条件としては、賃金(算定方法や支給日・支給方法)・就業時間・休息のほか、休日などがある。使用者は雇い入れの際、労働者に労働条件を明示しなければならない(労基法15条)。
日本国憲法第27条第2項では、「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」と規定している。労働基準法(昭和22年4月7日法律第49号、労基法)第1条第1項では「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」と規定している。また、労働基準法第2条第1項では「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。」としている。そのほか、最低賃金法(昭和34年4月15日法律第137号)・賃金の支払の確保等に関する法律(昭和51年5月27日法律第34号)・雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年7月1日法律第113号)などの法律が制定されている。
労働条件は、雇い入れの際に個々の労働者と使用者の間で結ばれる労働契約によって決まるが、労働協約や就業規則で定める基準に達しない場合はその部分が無効となり、当該基準によることとなる(労働組合法16条、労基法93条)[1]。なお労働基準法の基準を下回る労働契約等はその部分が無効となり、当該基準によることとなる(労基法13条)。最低賃金等の規制に違反する場合も同様である。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ たとえば、個々の労働者を「月給16万円」との条件で雇い入れた場合でも、就業規則に月額賃金を18万円以上とする旨定めている場合は18万円を支給しなければならず、さらに賃金を月19万円以上とする旨の労働協約を締結した場合には、19万円を支給しなければならないのである。