和了
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
和了(ホーラ)とは、麻雀において、手牌を一定の形に揃えて公開すること。他のゲームにおける「あがり」に相当する。このため、一般的にはあがりと呼ばれ、これを動詞化して「和了る」「和がる」「和る」のように表記されることもある。
最も典型的な得点方法であり、各プレイヤーは自身の和了を目指すとともに、他のプレイヤーの和了を阻止する。
和了により局は終了する。
目次 |
[編集] 和了の条件
次の2つの条件を満たしたときに和了が認められる。ただし、当該条件を満たしている場合でも、和了する義務はない。
- 手牌の構成が所定のパターン(和了形)に該当する
- 何らかの役が成立している(一飜縛り)
和了形には次の3種類がある。
- 一般的な和了形
- 雀頭と4組の面子が含まれる形。4面子1雀頭と呼ばれる最も典型的な和了形。
- 七対子の和了形
- 7組の対子が含まれる形。なお、同種の牌4枚は2組の対子として扱わないのが一般的である。詳細は七対子を参照。
- 国士無双の和了形
- 13種類のヤオ九牌各1枚ずつと、さらにいずれかのヤオ九牌1枚が含まれる形。詳細は国士無双を参照。
なお、一飜縛りについての詳細は役を参照のこと。
[編集] 和了の方法
和了の直前の段階において、手牌は必ず和了形より1枚少ない状態になっている(天和の場合は例外)。この状態を聴牌(テンパイ)という。聴牌の状態から和了形を完成させるために必要な牌を和了牌という。なお、和了牌は1種類であるとは限らない(詳細は聴牌を参照)。
和了するためには、聴牌の状態から、何らかの方法により和了牌を取得する必要がある。
和了の方法には、主として次の2種類がある。
稀に次のような方法で和了することもある。
- 嶺上開花(リンシャンカイホウ)
- 槓を行った後に嶺上牌を取得して和了すること。ツモ和了の一種と扱われることが多い。詳細は嶺上開花を参照。
- 槍槓(チャンカン)
- 他のプレイヤーが和了牌を加槓したとき、これを取得して和了すること。詳細は槍槓を参照。
- 天和(テンホー)
- 配牌の段階で和了形が完成していること。親の場合しか起こらない特殊な和了。詳細は天和を参照。
[編集] 自摸和
自摸により和了牌を取得して和了することを自摸和という。一般的にはツモあがりと呼ばれる。
具体的な手順は次のとおり。
- 和了牌を自摸した直後に「ツモ」と明瞭に発声する。
- 手牌を公開する。このとき、和了牌は他の牌と混ぜないようにする。
- 得点を申告し、他のプレイヤー3人から支払いを受ける。
[編集] 栄和
他のプレイヤーが和了牌を打牌したときに和了することができる。このような方法による和了を栄和という。一般的にはロンあがりと呼ばれる。
具体的な手順は次のとおり。
- 他のプレイヤーが和了牌を打牌した直後に「ロン」と明瞭に発声する。
- 手牌を公開する。このとき、和了牌は捨てられた場所(河)に置いたままとする。
- 得点を申告し、和了牌を打牌(放銃)したプレイヤーから支払いを受ける。
[編集] 頭跳ね
あるプレイヤーの打牌に対し、複数のプレイヤーが同時にロンを宣言した場合、打牌したプレイヤーから反時計まわりで最も近いプレイヤーのみに和了を認めるルールを、頭跳ねまたは上家どりという。
[編集] 両家和
あるプレイヤーの打牌に対し、2名のプレイヤーが同時にロンを宣言することを両家和(リャンチャホー)またはダブロンという。頭跳ねのルールを採用していない場合、通常は両者の和了を認める。
[編集] 三家和
あるプレイヤーの打牌に対し、3名のプレイヤーが同時にロンを宣言することを三家和(サンチャホー)またはトリプルロンという。頭跳ねのルールを採用していない場合、3名すべての和了を認める。ただし、三家和が生じた場合に流局扱いとすることも多い。詳細は流局を参照。
[編集] 和了に関連する用語
[編集] 放銃
自分の打牌により他のプレイヤーがロン和了することを放銃(ほうじゅう)という。振り込みとも呼ばれる。
なお、何らかの理由で意図的に放銃するような場合を、特に差し込みということがある。
[編集] 安あがり
点数の少ない和了で局を終らせることを安あがりという。
主として、対戦相手のチャンスを潰すなど、守備的な戦術として用いられる。また、親が連荘を果たすために行われる場合も多い。なお、確たる目的のない安あがりは、対戦相手に嫌がられることが多い。
[編集] アガラス
最終局において、4位のプレイヤーが自らの4位を確定させる和了をすることをアガラスという。あがってラスト(4位)となることから、このように略される。同義語として、ラス確(ラスト確定和了の略?)がある。一般的にはマナーとして推奨されない傾向が強い。
同様に、3位のプレイヤーが自らの3位を確定させる和了をすることをアガサンという。これにも同義語として三確という言葉がある。4位の者と接戦である場合に限らず、最下位でないことを確定させる和了は効果的であることが多い。