麻雀の得点計算
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麻雀の得点計算(まあじゃんのとくてんけいさん)とは、麻雀において、和了により獲得される得点を計算することをいう。点数計算ともいう。
麻雀においては、最終的な持ち点により勝敗が決まる。持ち点の変化は、主に和了によって生じるが、和了の際の点数の決定は歴史的な経緯により複雑な計算を必要としている。ベテランならば瞬時に計算することもできるが、初心者には正しく計算することさえ難しい。
目次 |
[編集] 概要
計算方法は、概ね次の手順による。
- 符の計算
- 飜数の計算
- 基本点の算出
- 各自の負担額の決定
実際には、符と飜数が決まれば点数は確定する。これをまとめたものが後述の早見表である。
なお、いったん点数の授受が行われて次の局に移行してしまった場合、事後的に計算の間違いが発覚しても、通常は訂正せずに続行する。
具体的な計算方法は後述するが、初心者には難解かと思われる。なお、コンピュータゲームの麻雀やネット麻雀などにおいては、コンピュータが自動的に計算してくれる。
[編集] 符
符とは、手牌の構成や和了の状況により計算されるもので、役(飜数)とともに得点計算の二大要素となる。
具体的には、以下の各項目をすべて加算し、その合計を10符単位に切り上げたものである。たとえば、合計が34符なら、切り上げて40符となる。
なお、七対子の場合は特例として25符2飜とするのが一般的であるが、50符1飜として扱うルールもある。複合する他の役による跳満以上の成立条件などが異なる(25符2飜とするルールでは七対子の他に4飜あれば跳満となるが、50符1飜とするルールでは他に4飜あっても満貫止まりである)。
[編集] 副底と加符
副底(フーテイ)とは、和了の際に必ず与えられる20符のことである。符底ともいう。したがって、どのような場合でも、符の合計は必ず20符以上になる。
門前の状態で、ロンにより和了した場合には10符が与えられる。これを門前加符(メンゼンカフ)という。したがって、門前でロンの場合、符の合計は必ず30符以上になる。
[編集] 面子の構成による符
和了時の面子の構成により、4つの面子それぞれに対し以下の符が割り当てられる。幺九牌の刻子は中張牌の刻子に比べ、2倍の符が得られる。
明刻子 | 中張2符、幺九4符 |
暗刻子 | 中張4符、幺九8符 |
明槓子 | 中張8符、幺九16符 |
暗槓子 | 中張16符、幺九32符 |
順子 | 0符 |
[編集] 雀頭による符
雀頭となった牌が、三元牌・荘風(場風)・門風(自風)の場合に2符加算される。荘風と門風が重複している場合(いわゆるダブ東やダブ南)には4符とするルールもある。
[編集] 待ちによる符
聴牌時の待ちにより、以下の符が加算される。
両面待ち | 0符 |
嵌張待ち | 2符 |
辺張待ち | |
単騎待ち | |
双碰待ち | 0符 |
[編集] 和了の方法による符
ツモ和了の場合、2符が加算される。例外として、平和が成立している場合には加算しない。
なお、ツモ和了による平和を認めないルールでは、2符を加算する。
[編集] 喰い平和の特例
門前ではないが、平和の形になっているような場合(いわゆる喰い平和)、ロン和了だとすると、副底のみの20符になる。この場合は、特例的に30符とすることが多い。喰い平和の一飜を廃止した代償、あるいは平和加符の10符と考える説などがある。
[編集] 飜数の計算
得点計算における飜数は、成立している役の飜数を合計したものである。たとえば、立直(1飜)・平和(1飜)・三色同順(2飜)の場合、4飜として扱う。
さらに、ドラが含まれる場合は、ドラ1枚につき1飜を加算する。
なお、一部の役の喰い下がりに注意する必要がある。
飜数1飜につき、基本的に点数は倍になる。たとえば、符が40符で飜数が2飜の場合、40×2×2=160点である。ただし、飜数が大きくなると点数が爆発的に大きくなってしまうため、得点の上限が定められている(満貫)。満貫については後述する。
[編集] 場ゾロ
現在の麻雀のルールでは、役(およびドラ)による飜数とは別に、さらに2飜が追加される。先に挙げた30符4飜の例でいうと、さらに2飜追加されることで160×2×2=640点となる。この2飜を場ゾロ(リャンゾロ、デンデン、バンバン)という。ただし、一般的に、飜数は場ゾロを除いて表す。
歴史的には、開局時のサイコロの目によって異なる飜数が与えられた。
[編集] 基本点の算出
次の式により算出された点数を基本点という。
- 基本点=符×2(飜数+2) (ここで+2は場ゾロの分)
上記の例のように、40符2飜の場合、基本点は640点となる。
[編集] 各自の負担額の決定
4人打ちの場合、和了の際に他のプレイヤーが負担する点数は次のように決定される。ただし、支払いの段階で100点未満の端数は100点に切り上げる。
- 子のツモ和了:基本点×2を親が支払い、他の2名がそれぞれ基本点を支払う。
- 子のロン和了:基本点×4を放銃者が支払う。
- 親のツモ和了:基本点×2を他の3名がそれぞれ支払う。
- 親のロン和了:基本点×6を放銃者が支払う。
上記の40符2飜の例において、子がツモ和了した場合、親は1300点(640×2=1280を切り上げ)、他の2名(子)は700点(640を切り上げ)ずつ、それぞれ支払うことになる。子のロン和了なら2600点(640×4=2560を切り上げ)を放銃者が支払う。
2人打ちでは授受される点数は親が和了した場合は基本点×6、子の場合は基本点×4となる。これについても授受の際に100点単位に切り上げられる。
[編集] 満貫
基本点の上限は2000点である。飜数が5飜以上の場合など、基本点が2000点以上となる場合を満貫(マンガン)と呼び、基本点は2000点として扱う。
ただし、飜数が6飜以上の場合には、満貫以上の点数とする(後述)。
なお、30符4飜の場合、基本点は1920点であるが、特例的に満貫として扱う(基本点を2000点にする)ことが多い。これを切り上げ満貫という。
[編集] 跳満
6~7飜の場合、基本点を3000点として扱う。これを跳満(ハネマン)という。
[編集] 倍満
8~10飜の場合、基本点を4000点として扱う。これを倍満(バイマン)という。 地域によっては、8~9飜を倍満、10飜を三倍満としている。
[編集] 三倍満
11~12飜の場合、基本点を6000点として扱う。これを三倍満という。
[編集] 数え役満
13飜以上の場合、基本点を8000点として扱う。これを数え役満または四倍満という。ただしこれを採用しないルールもあり、その場合は三倍満として扱う。
ロン
リーチやドラを用いずに、手役のみで数え役満を達成した例である。三暗刻(2飜)・対々和(2飜)・混一色(3飜)・混老頭(2飜)・小三元(2飜)・白・中(各1飜)で13飜・数え役満となる。
もっともこの場合、門前でなくてはならず(混一色が喰い下がりするため)、使用できる牌が極端に限られるため、下手な役満よりも難易度は高く、あまり現実的とはいえない。実際は、刻子や槓子などにより、大量のドラが乗ることで数え役満に届く例が多い。
[編集] 役満
通常、役の価値は飜数で表されるが、難度の高い一部の役は役満として特別扱いされる。役満の基本点は8000点である。13飜以上の四倍満貫を数え役満と呼ぶのはこのためである。なお、役満貫を満貫の3倍や5倍などとすることもある。
役満の中でも特に難度の高い一部の役(一般には純正九蓮宝燈、国士無双13面待ち、四暗刻単騎待ち、大四喜)は、ルールによっては大満貫あるいはダブル役満と称して、役満の倍の点数とする。ルールによっては、役満が複合した場合にも同様の扱いとする。
例:
字一色+四槓子+四暗刻(四槓子の聴牌形の関係上必ず単騎待ちとなる)+大四喜が複合した形となる。四暗刻単騎待ちおよび大四喜によるダブル役満を認めるなら6倍役満、認めない場合でも4倍役満となる。
[編集] 得点計算に関するその他のルール
[編集] 積み符
連荘などによって積み棒(場棒)が存在する場合、場棒1本について、和了時の得点が300点加算される(ツモ和了の場合は各自の支払いが100点ずつ増える)。これを積み符という。場棒1本につき1500点(ツモ和了の場合は各自500点ずつ)とすることもある。
[編集] 高点法
得点計算において、複数の解釈が成立する場合、最も点数が高くなるように計算しなければならない。この原則を高点法という。
代表的な例として、七対子とも二盃口とも解釈できる場合がある。この場合、通常は点数が高くなるように二盃口と解釈する。
その他、3455の待ちで5で和了した場合、2-5の両面待ちではなく単騎待ちと解釈したほうが符が2符高くなる。ただし、平和が成立する場合には、両面待ちと解釈することになる。
[編集] 割れ目
標準的なルールではないが、点数授受をさらに引き上げるルールとして知られているのがワレメ(割れ目)である。 これは、局の開始時に牌を取り始めた山(ワレメ)の位置のプレーヤーは授受する点数が自動的に倍になるというものである。倍になるという点で親と似ているが、ワレメは積み符計算まで済んであとで機械的に点数を倍にするものである。ワレメが親であれば容易に高得点が実現され、リスキーなルールである。
近年では、フジテレビで不定期に放送される麻雀番組「THEわれめDEポン」でこのルールが採用された事から、このルールの知名度が高まった。
[編集] 青天井
特殊ルールとして、青天井と呼ばれる以下のような点数計算法が採用される場合がある。通常は前節の通り飜数に応じて、満貫・跳満・倍満・三倍満・数え役満の点数が適用されるが、青天井ルールではこの満貫以上の打ち切りをせず、本節の計算式に基本点および飜数を厳密にあてはめて計算する。すなわち、1飜上がるごとに得点は倍になっていく。役満相当の役は13飜格とし、通常の役とも複合する。また、国士無双は20符とする。変哲のない手でも通常の役満以上の点数が続出する超インフレルールであり、普通はこのルールが採用されることはまずない。
(例)子の40符8飜で163,900点、同じく40符10飜で655,400点。数え役満ともなれば500~600万点を優に超えるような膨大な点数となる。
[編集] 点数の早見表
一般的には、上記のような基本点からの計算は煩雑であるため、計算結果は早見表となっている。これを用いると符と飜数だけ数えれば、自動的に点数が算出できる。一般的に、点数計算のできるプレーヤーはこれをほぼ暗記しているため、素早く、正確に計算できるのである。
- 平和でない20符(門前でなく全て順子で頭の符もなくロンあがり)の形は30符とするので、20符1飜は存在しない。
- 120符以上の形は必ず少なくとも3飜付くので最低でも満貫である。
[編集] 親
括弧内はツモの場合の子1人あたりの払い分。30符4飜および60符3飜は満貫に切り上げられることがある。
20符 | 25符 | 30符 | 40符 | 50符 | 60符 | 70符 | 80符 | 90符 | 100符 | 110符 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1飜 | - | - | 1500 (500) |
2000 (700) |
2400 (800) |
2900 (1000) |
3400 (1200) |
3900 (1300) |
4400 (1500) |
4800 (1600) |
5300 (1800) |
2飜 | 2000 (700) |
2400 (800) |
2900 (1000) |
3900 (1300) |
4800 (1600) |
5800 (2000) |
6800 (2300) |
7700 (2600) |
8700 (2900) |
9600 (3200) |
10600 (3600) |
3飜 | 3900 (1300) |
4800 (1600) |
5800 (2000) |
7700 (2600) |
9600 (3200) |
11600 (3900) |
満貫 12000 (4000) | ||||
4飜 | 7700 (2600) |
9600 (3200) |
11600 (3900) |
満貫 12000 (4000) | |||||||
5飜 | 満貫 12000 (4000) | ||||||||||
6-7飜 | ハネ満 18000 (6000) | ||||||||||
8-10飜 | 倍満 24000 (8000) | ||||||||||
11-12飜 | 三倍満 36000 (12000) | ||||||||||
13-飜 | 数え役満 48000 (16000) |
[編集] 子
括弧内はツモの場合の子・親1人あたりの払い分。30符4飜および60符3飜は満貫に切り上げられることがある。
20符 | 25符 | 30符 | 40符 | 50符 | 60符 | 70符 | 80符 | 90符 | 100符 | 110符 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1飜 | - | - | 1000 (300,500) |
1300 (400,700) |
1600 (400,800) |
2000 (500,1000) |
2300 (600,1200) |
2600 (700,1300) |
2900 (800,1500) |
3200 (800,1600) |
3600 (900,1800) |
2飜 | 1300 (400,700) |
1600 (400,800) |
2000 (500,1000) |
2600 (700,1300) |
3200 (800,1600) |
3900 (1000,2000) |
4500 (1200,2300) |
5200 (1300,2600) |
5800 (1500,2900) |
6400 (1600,3200) |
7100 (1800,3600) |
3飜 | 2600 (700,1300) |
3200 (800,1600) |
3900 (1000,2000) |
5200 (1300,2600) |
6400 (1600,3200) |
7700 (2000,3900) |
満貫 8000 (2000,4000) | ||||
4飜 | 5200 (1300,2600) |
6400 (1600,3200) |
7700 (2000,3900) |
満貫 8000 (2000,4000) | |||||||
5飜 | 満貫 8000 (2000,4000) | ||||||||||
6-7飜 | ハネ満 12000 (3000,6000) | ||||||||||
8-10飜 | 倍満 16000 (4000,8000) | ||||||||||
11-12飜 | 三倍満 24000 (6000,12000) | ||||||||||
13-飜 | 数え役満 32000 (8000,16000) |
[編集] 得点計算の例
以下の計算例では、4人打ち・青天井なし・ワレメなし・次ドラ(指標牌の次の牌がドラ)・平場(積み符なし)とする。
[編集] 基本的な計算例
東場の東家が、
で立直し
を引いた場合(ドラ表示牌は
、裏ドラ表示牌は
)を例に挙げる。
聴牌形は順子が3つと数牌の対子、そして嵌塔子1つであった。このため、符は副底の20符に嵌張待ちの2符とツモあがりによる2符が加えられ合計24符。これを10符単位に切り上げて30符となる。
役としては断ヤオ九(1飜)・一盃口(1飜)が発生し、立直してツモなので立直(1飜)と門前ツモ(1飜)の分も加算して4飜となる。
この結果、基本点は30×24+2=1920となり、あがったのが親であるため子はそれぞれ1920×2=3840を100点単位に切り上げた3900点を支払い、親は3900×3=11700点を受け取る事になる。
[編集] 平和の計算例
東場の南家が、
で立直し、次の手番で
を引いてあがった場合(ドラ表示牌に
、裏ドラ表示牌が
)を例に挙げる。
まず、立直しているという事は門前である事になり、ツモあがりのため加符は発生せず得点計算の基本は20符となる。聴牌時には3つの順子と客風牌の対子、そして両面塔子があったため、牌の組み合わせや待ちによる符は加算されない(既に完成していた3つの順子・最後に完成した順子・客風牌の対子・両面待ちそれぞれ0符のため)上、この形式は平和が成立するためツモあがりの2符も加算されない。これにより、20符で計算される。
立直している事により1飜、更に立直した次の手番で和了牌を取ってあがったので一発および門前ツモとして計2飜、更に平和の1飜により4飜となる。
これにより基本点が20×24+2=1280となるため、以下の点棒のやりとりが行われる。
- 親(東家)は1280×2=2560、これを100点単位で切り上げた2600点を払う。
- 子2名(西家、北家)はそれぞれ1280を100点単位に切り上げた1300点を払う。
- あがった南家の得点は2600+1300×2=5200点となる。
[編集] ドラが絡む例
東場の東家が
で立直し、南家が
を振り込んだ場合を例に挙げる(ドラ表示牌は
、裏ドラ表示牌は
)。
この事例は聴牌の形としては3つの順子+客風牌の対子+両面塔子であり、先の事例同様平和が成立している形である。この状態でのロンあがりは副底+加符の30符となる。
この形式も先の事例同様立直と平和のみというシンプルな形ではあるが、ドラと裏ドラが1枚ずつ含まれている。このためこの役は4飜となる。
基本点は30×24+2=1920となり、親のロンあがりなのでこれを6倍し1920×6=11520を100点単位に切り上げた11600点が南家から東家に移動する事になる。
[編集] 副露している例
東場の南家が
で聴牌した状態で、東家が
を振り込んだ場合を例に挙げる(ドラ表示牌が
、裏ドラ表示牌が
)。
和了形は4順子(内3つはチーによる物であるが、これは得点計算上は影響しない)と客風牌の単騎待ちとなり、符は副底の20符に単騎待ちの2符が加算されるため、これを10点単位に切り上げて30符とする。
成立している役は一気通貫のみである。これは本来2飜の役であるが、副露している場合は1飜として扱う。また、ドラであるが1枚あるため、これの1飜が加えられ2飜となる。
ここから、基本点は30×22+2=480点となり、子のロンあがりなので振り込んだ東家が480×4=1920点を100点単位に切り上げた2000点を南家に支払う事になる。
[編集] 七対子の例
南場の東家が
で聴牌した状態で、
を引いた場合(ドラ表示牌は
、裏ドラ表示牌は
)を例に挙げる。
この形式は七対子なので、符は25符で固定されている(関東ルール)。単騎待ちや飜牌の対子は符には考慮しない。
成立している役は七対子(2飜)に門前ツモ(1飜)を加え合計3飜である。一盃口は成立しないことに注意せよ。
ここから、基本点は25×23+2=800点となり、親のツモあがりなので、子三人がそれぞれ800×2=1600点を東家に支払うことになり、親の得点は1600×3=4800点となる。
[編集] 満貫以上の例
南場の東家が
で立直し、北家が
を振り込んだ場合を例に挙げる(ドラ表示牌が
、裏ドラ表示牌が
)。
この形式は門前で刻子3つ(中張牌の刻子が2つとヤオ九牌の刻子が1つ)と対子2つ(中張牌の対子が1つ、和了時に刻子となったヤオ九牌の対子が1つ)で聴牌とした物であり、ロンあがりなので加符も発生する。よって符は20(副底)+10(加符)+4×2(中張牌の暗刻子が2つ)+8(ヤオ九牌の暗刻子)+4(ヤオ九牌の明刻子:ロンで取った牌により成立したため)+0(数牌の対子)+0(双ポン待ち)=50符となる(実際のところ、ここで行う計算は次に行う飜数の計算により無意味になる)。
一方、役は立直(1飜)・飜牌(中の刻子による1飜)・対々和(2飜)・三暗刻(2飜)と、ドラとしてが3枚あるため、1+1+2+2+3=9飜となる。このためこの和了は倍満となり、振り込んだ北家は和了した東家に24000点を支払う事になる。ちなみに、立直・対々和・三暗刻の双ポン待ちという点からもわかるように、この事例はツモであれば四暗刻で役満となる事例でもある。
[編集] 役満の例
東場の南家が
で聴牌した状態で、西家が
を振り込んだ場合を例に挙げる(ドラ表示牌が
、裏ドラ表示牌が
)。
この例では大三元が成立している。大三元は役満なので、振り込んだ西家は和了した南家に32000点を支払う事になる。
符を計算すれば副底にヤオ九牌の暗刻2つ、明刻1つと辺張待ちを加えた42符を切り上げた50符で、役は他にも混一色(喰い下がり2飜)、全帯ヤオ(喰い下がり1飜)、飜牌3つ(各1飜)とドラ3枚があるが、一切考慮しない。役満はこれら全てに優先するものである。
[編集] 備考
- 「一旦同意の上で点数が授受され次局が始まってしまったときには、計算間違いが発覚しても取り消しはできない」というルールを悪用して、意図的に誤った点数を申請するというテクニックさえ存在する。勿論、本来はルール違反である。
- 政治家になる以前の菅直人が、麻雀の点数計算の複雑さに目を付けて麻雀の点数を自動的に計算する機械を発明して特許を取ったが、実用化はされなかった。
- 「飜」の文字(旁が「飛」)は常用漢字「翻」(旁が「羽」)の異体字だが、麻雀に於いてはもっぱら「飜」表記が使用されている。