和時計
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和時計(わどけい)とは、江戸時代を中心に日本で作られた時計である。
日本に初めて器械時計が持ち込まれたのは1543年の鉄砲伝来と同時と考えられており、当時より国産化へ向けての取り組みが為されていたものと思われる。
特徴として、一般の時計が1日を24等分した時刻法の定時法を原則としているのに対し、季節によって変化する太陽の日の出から日の入り、日の入りから日の出の間をそれぞれ6等分した不定時法を前提として製作されている。
なお厳密には、江戸時代においては毎日昼と夜の長さを変えていた訳でなく、15日毎の変更になっていたので、時計の仕掛けもそれに合わせられた。
時計の進む速度は基本として一定なので、15日ごとに時計の文字盤をはめ変える方式(割駒式文字盤)のものと、昼用と夜用の2種類の天符を使用し、昼と夜の境(明六つ、暮六つ)ごとに自動的に切り替わる方式(二丁天符)のものが存在した。
当時、時計は高級品であり持つのは富裕な人が多かっため、装飾が施されたものも多く作られた。また、種類も掛時計・櫓時計・台時計・尺時計・枕時計・卓上時計・卦算時計・印籠時計・懐中時計など豊富に存在した。アラームやからくりを付けたものもあった。