土石流
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土石流(どせきりゅう)とは、土砂が水(雨水や地下水)と混合して、河川・渓流などを流下する現象のこと。土砂災害の原因の一つ。山津波(やまつなみ)ともいう。
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[編集] 発生のメカニズム
主に、集中豪雨による山腹崩壊や不安定土砂の移動が引き金になり発生する。流下区域は、河川の勾配と深い関係があり、勾配が2度を下回ると土砂が堆積を起こして移動が停止する。土石流の先頭部分には、巨礫や流木が集中するため大きな破壊力を持ち、しばしば集落や道路などに壊滅的被害を及ぼす。 噴火による融雪、火山湖の決壊、地震による山体崩壊などによっても生ずる。
[編集] 鉄砲水との区別
流れてきたものが土砂の割合が多ければ土石流、水分の割合が多ければ鉄砲水と区別される。
[編集] 対策
治山、砂防により行われる治山ダム、砂防ダムなどの発生源対策、地域住民の避難態勢の構築が重要である。
[編集] 避難の目安
土石流の発生は、雨量計で把握できないゲリラ的な集中豪雨が引き金となる場合もあるので、地元自治体からの避難勧告はもとより、地域住民の自発的な判断による早めの自主避難が重要である。特に、山の方から聞いたこともない音(地鳴り)がする、ふだん水が流れていない箇所から水が噴き出した、急に河川の水量が減ったなど聞き慣れない、見慣れない現象が起きた場合は、速やかに避難すべきである。
また、一概にいえないものの、大きな河川より普段は流量も少なく幅も狭いが傾斜が急である河川で発生することが多い。土石流危険渓流に指定されている河川には特に注意すべきである。