変温動物
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変温動物(へんおんどうぶつ)とは、外部の温度により体温が変化する動物のことをさす。冷血動物とも呼ばれる。恒温動物と対義であり、鳥類と哺乳類を除くすべての動物がこれである。
[編集] 変温動物の体温
変温動物は、恒温動物のように自力で高い体温を保つことができない動物と考えられる。体温調節のために日光などの熱エネルギーを利用する。たとえばトカゲ類では、まず日光浴をして、体温を上げ、その後に活動にはいると言われる。
は虫類、両生類では、一般に、30℃以下の、恒温動物よりも低い体温で活動している。逆に体温が高くなりすぎると、むしろ活動が阻害される。
しかし、変温動物だからと言って、筋肉が発熱しないわけではなく、運動によって筋肉から熱を発生させ周りより高い体温をもつ場合もある。むしろ、昆虫は空を飛ぶ能力があり、このような高度な活動性を保つには、高い体温が必要である。 ミツバチなどの社会性昆虫では密集して飛翔筋を運動させることで熱を発生させ、巣の温度を調節することが知られている。
恒温動物が常に高い体温を維持し、それによって行動能力を高く維持する代わりに、多量の餌を消費するリスクを負うのとは反対に、変温動物は、必要ないときは低い体温でいることで、餌の消費は格段に少なくてすんでいるとも言える。また、低い体温でもある程度の活動ができてしまう面もある。よく、変温動物は周囲の温度が下がると活動できなくなる、と言われるが、これは必ずしも正しくない。その証拠に、ヒキガエルやサンショウウオ、アカガエルなど、厳冬期に繁殖、産卵を行うものが存在し、これらがその活動を行うときの周囲の気温は、5℃程度かそれ以下である。
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