好美清光
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好美 清光(よしみ せいこう、1929年 - )は法学者。専門は民法。一橋大学名誉教授。
[編集] 経歴
鹿児島県生まれ。旧制大島中学校(現鹿児島県立大島高等学校)を経て、一橋大学法学部卒業。
東京地方裁判所判事補、一橋大学助教授を経て、同教授、1992年同名誉教授、法学博士。1992年から2000年まで中央大学教授。同年弁護士。鳥飼総合法律事務所客員弁護士等を歴任。その間、1962年ドイツ連邦共和国へ留学(フンボルト財団)。
基礎的・理論的な研究を重視し、法解釈学と統合しようとする手法に特徴がある。また、物権的請求権、即時取得、損害賠償、相殺、解除、不当利得等、個々の具体的な民法の分野において精緻な解釈論を展開して、実務に大きな影響を与えた。さらに、急速に変化した戦後の社会関係を反映した具体的諸問題に本格的に取り組み、現代的な重要問題を指摘し、多くの分野で、現在の法理論の基礎を確立させた。
[編集] 主要な業績
- 「債権に基く妨害排除についての考察」(一橋大学法学研究2号・1959年)
- 「 Jus ad rem とその発展的消滅 ― 特定物債権の保護強化の一断面」(一橋大学法学研究3号・1961年)
- 「賃借権に基づく妨害排除請求権」(契約法大系Ⅲ・有斐閣・1962年)
- 「物権的請求権」(注釈民法(6)・舟橋諄一編・有斐閣・1967年)
- 「即時取得(民法192条から195条まで)」(注釈民法(7)・川島武宜編・有斐閣・1968年)
- 「日照権の法的構造(1)~(3)」(ジュリスト490号・493号・494号・1971年)
- 「不当利得法の新しい動向について(上)(下)」(判例タイムズ386号・387号・1979年)
- 「契約の解除の効力」(現代契約法大系 第2巻・遠藤浩他編・有斐閣・1984年)