富山連続婦女暴行事件
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富山連続婦女暴行事件(とやまれんぞくふじょぼうこうじけん)とは、2002年4月15日に婦女暴行未遂容疑で逮捕された男性が、他の女性も暴行していたとして再逮捕され、裁判で懲役3年に処され刑を服した後に真犯人が見つかった事件である。
[編集] 事件の経過
2002年4月15日、同年3月に当時16歳の少女に暴行を働こうとしたとして、当時タクシー運転手だった34歳の男性が婦女暴行未遂容疑で富山県警察管轄の氷見警察署に逮捕され、5月には別の少女への婦女暴行容疑により再逮捕された。逮捕のきっかけはこの男性が少女らの証言と似ていたことであり、逮捕後3日後に男性が容疑を自白した。
但し、男性には犯行当時のアリバイが存在したこと、現場証拠である足跡が男性の物と違うことが発覚するものの、富山地検が男性を立件。富山地裁で争われるが、男性の自白と少女らの証言が重要視され有罪判決が下り同年11月に懲役3年が確定。男性は刑を服し2005年1月に出所した。
男性が出所した後の2006年11月、別の容疑で逮捕された51歳の男の自供により真犯人が判明。2007年1月17日に男性の親族へ経緯を説明し富山県警察が謝罪、1月19日に記者会見で事実が判明した。また、これを受けては、男性の無罪判決を求める再審請求を富山地裁に行う方針である。また、1月29日に富山地検の検事正が男性に直接謝罪した。しかし、富山地裁および担当裁判官は謝罪していない。
無実となった男性は真犯人発覚後にマスコミのインタビューに答え、尋問した刑事から「身内が間違いないと認めている」と告げられ弁明しても聞いて貰えず、罪を認めざるを得ない状況に陥ったと答えている。また、同意すること以外は意見を述べることを刑事から禁じられた上で、刑事の言うことが事実だという念書を書かされ署名させられていたことも告白している。長勢甚遠法務大臣も1月26日に男性に対し謝罪したものの、男性が述べた自白の強要については違法性が無いと述べた。その為、当時の捜査員に対して処分は行わないとしている。
なお、男性の父親は男性の逮捕当時入院中で、息子の逮捕は知らされず男性の服役中に亡くなっている。