寺村輝夫
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寺村 輝夫(てらむら てるお、1928年11月8日 - 2006年5月21日)は児童文学作家。東京都出身。
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[編集] 略歴
太平洋戦争末期、「白い飯が食える」という理由だけで、作戦内容も知らずに神風特別攻撃隊に志願したが、出撃前に終戦。
早稲田大学在学中「これからはこれぐらいやっておかねば」と、英会話サークルに入ろうとしたが、間違えて隣の児童文学サークルに入ってしまう。ここで坪田譲治に師事し、「びわの実学校」の同人となる。
卒業後、創作活動に専念する傍ら、文京女子大学教授も務める。
デビュー時の作品は、お世辞にも面白いと言えない堅いものだったが、担当編集の「あなたが面白いと思うものを書いていいんですよ」の一言で開眼。殆ど書きなぐりに近い『ぞうのたまごのたまごやき』は、業界の前評判が大変悪かったが、一度出版されればたちまち子供の心をつかみ、以後『王さまシリーズ』はライフワークとなった。
約5年間の闘病生活の後、2006年5月21日午後7時25分、肺炎のため東京都西東京市の病院で死去。享年77。著作権は長男が引き継いでいる。
[編集] 主な作品
- 毎日出版文化賞を受賞した『ぼくは王さま』をはじめとした『王さまシリーズ』(理論社)をはじめ、『かいぞくポケットシリーズ』、絵本『おしゃべりなたまごやき』、『ミリ子は負けない』、『寺村輝夫のおばけ話・とんち話』(全20巻・あかね書房)など著書多数。
- ポプラ社より『寺村輝夫童話全集』(全20巻)が刊行された。
- 『こまったさん』シリーズでは原作者。
- 『おかしなおかしな三にんぐみ』では翻訳にも挑戦。
- 若手童話作家の育成雑誌『のん』も発行。これは予定通り20号で終刊。
[編集] その他
- 自宅は児童文庫「王さま文庫」として、毎週近所の子供たちに開放されている。
- 地元の少年野球チームでは監督も務めた。
- 大のアフリカ好きで、まだアフリカが日本人に知られていなかった頃から、毎年旅行を行う。作品にもアフリカやゾウがよく登場する。また『かいじゅうムズング』『ンガイの指が鳴るとき』では、植民地支配に対する怒りをモチーフとした児童文学を作り上げた。
- 王さまの玉子好きも寺村自身のキャラクターであり、アフリカ旅行には箱詰めの玉子を山ほど持って行った。
- 家族をモデルとしたキャラを作品に出す事があり、あちこちの作品に時々出てくるロコちゃん、トムくん、オムくん、ダックスフントのポレは、寺村の妻、長男、次男、ペットとその名前がモデル。