山猫 (映画)
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山猫 IL GATTOPARDO |
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監督 | ルキーノ・ヴィスコンティ |
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製作 | ゴッフレード・ロンバルト |
脚本 | ルキーノ・ヴィスコンティ スーゾ・チェッキ・ダミーコ エンリコ・メディオーリ パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ マッシモ・フランチョーザ |
出演者 | バート・ランカスター アラン・ドロン クラウディア・カルディナーレ |
音楽 | ニーノ・ロータ ジュゼッペ・ヴェルディ |
撮影 | ジュゼッペ・ロトゥンノ |
編集 | マリオ・セランドレイ |
配給 | ティタヌス |
公開 | 1963年3月28日 1964年1月18日(英語国際版) |
上映時間 | 187分 |
製作国 | イタリア フランス |
言語 | イタリア語 |
allcinema | |
キネマ旬報DB | |
IMDb | |
『山猫』(IL GATTOPARDO)は、ルキーノ・ヴィスコンティ監督による1963年のイタリア、フランス映画。
目次 |
[編集] 概要
- 原作はヴィスコンティと同じくイタリア貴族の末裔である、ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサの長編小説。王制の終焉を迎え、没落していくイタリア貴族を描いた作品で、ランペドゥーサ自身の体験を基に描いたフィクションである。映画では全8章のうち第6章までを取り上げている。また第6章の舞踏会の場面が全編のおよそ3分の1を占める。
- この作品はヴィスコンティのフィルモグラフィーのちょうど中間に位置し、イタリアン・ネオレアリズモの巨匠と謳われたヴィスコンティが初めて貴族社会を取り上げた、後の作品に続く転機となった作品である。また自身の血統であるイタリア貴族とその没落を描いた意味で、「ヴィスコンティが唯一自身を語った作品」と評された。
- この作品は第16回カンヌ国際映画祭グランプリを獲得、国際的な評価を確立した傑作であるが、世界配給権を持つ20世紀フォックスから「長すぎる」とのクレームを受け、シドニー・ポラックの監修で161分の「英語国際版」が作成され、日本などではこの短縮版が公開された。オリジナルのネガは保存状態が悪かったため過度の経年劣化を起こし、この国際版よりも褪色が見られるようになった。そのためイタリアが国家予算を投じて修復に努め、当時の撮影監督ジュゼッペ・ロトゥンノの監修によって2003年まで作業が行われた。
[編集] スタッフ
- 監督 :ルキーノ・ヴィスコンティ
- 製作:ゴッフレード・ロンバルト
- 脚本:ルキーノ・ヴィスコンティ、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、エンリコ・メディオーリ、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、マッシモ・フランチョーザ
- 音楽:ニーノ・ロータ、ジュゼッペ・ヴェルディ
- 撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ
- 編集:マリオ・セランドレイ
- 配給:ティタヌス
[編集] キャスト
- バート・ランカスター:ドン・ファブリツィオ(サリーナ公爵)
- アラン・ドロン:タンクレディ
- クラウディア・カルディナーレ:アンジェリカ
[編集] エピソード
- 世に名高い舞踏会のシーンに貴族の役で登場しているエキストラたちは、3分の1が実際のシチリア貴族の末裔たちである。
- 舞踏会のシーンはスタンリー・キューブリック監督『バリー・リンドン』などと同様、人工の光源を排除して自然光のみで撮影されている。室内での撮影で不足した光量を補うため多数の蝋燭が点火されたが、そのためにセット内は蒸し風呂のような暑さとなった。劇中でキャストがしきりに扇を仰いでいたり、汗に塗れていたりするのは演技ではない。