峰不二子
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峰 不二子(みね ふじこ)は、モンキー・パンチの漫画作品及びそれを原作とするアニメ『ルパン三世』シリーズに登場する架空の人物。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] プロフィール
- 身長:167cm
- 体重:50kg
- バスト:99.9cm
- ウェスト:55.5cm
- ヒップ:88.8cm
- 好きなもの:お金、宝石
- 苦手なもの:カエル、狭い空間(閉所恐怖症)
※上記の様にスリーサイズがゾロ目なのは、原作者であるモンキー・パンチ曰く、「覚えやすいから」だそうである。
[編集] 人物
[編集] 原作
ルパン三世一味の紅一点。ある時はルパンの敵であり、味方であり、時には恋人である(敵として登場することが多い)。原作では一貫した人物設定はなく、話により異なった謎の人物として登場する。例えば11話では古い知人、19話では部下の一人、20話では婦人秘密捜査官、30話では探偵社の社長、64話ではルパンの入学した東西京北大学の先輩(この時に銭形警部も同大学に在学していることがトリビアの泉で紹介された)、66話では同じ大学の同級生、69話では敵対組織ネズミ一族の一人、75話では不私刑(フリンチ)の部下、という具合である。ちなみに第11話では医者の父親を、第24話では科学者の兄をルパンによって殺されている。初回登場は原作第3話『死んでゆくブルース』であり、ルパンと共謀して罪を犯す。『ルパン三世・新冒険』より人物が固定される。
固定後の不二子は、むしろルパンに冷遇されることが多い。男爵との勝負では次元・五ェ門の救出を優先して不二子を男爵に譲ったり、不二子をクビにして別の従順な女性をメンバーにしようとしたこともあった(この時は次元五右ェ門が不二子擁護に回った)。「ボディ・スチール」では、アニメでは最終的に老人の脳と交換されるのは銭形だったが、原作では不二子である。ルパンの「お前と組むのはベッドの中だけと決めてるんだ」というセリフが全てを物語っている。逆に次元五右ェ門らから疎まれることはほとんどなく、「キャ!!デラックス」で五右ェ門に小悪魔と評された以外は悪く言われたことはまったくない。
名前の由来は、アルセーヌ・ルパンが登場する江戸川乱歩の『黄金仮面』の登場人物という説がファンの間で唱えられることもあるが、作者モンキー・パンチは名前を考えていた時、目の前にあった富士山のポスターと、自分の吸っていたタバコの「峰」を合わせたと、『トゥナイト2』のインタビューで語っている(『トリビアの泉』では「富士山の峰」が由来と紹介)。
[編集] アニメ版
外見は誰もが見惚れるグラマーな美女だが、性格は外見に似合わず最悪。金や宝石の病的なまでの執着心等、物欲においては、間違いなくルパン一味No.1で、奪った宝や大金を独り占めにする事しか考えていない。ルパンが自分に甘い事を見抜いている為、時には残酷といえるぐらい非情な仕打ちをする事さえもある。ルパンの敵、味方、恋人を自認するだけあり、ルパンを騙す、利用する、裏切るは日常茶飯事的に平然と行い、ルパンは不二子との約束を守っているが、不二子の方がルパンと約束を守った試しは一度も無い。
酷い時には、多額の金や宝石目当て、更には自己保身の為に、ルパン達を一流の殺し屋と戦わせる事もあり、実はルパン達の行ってきた殆どの殺人の元凶にもなっている。また、ルパンに催眠術をかけて富豪の誘拐をさせたり、結婚を仄めかした上で裏切り金塊を強奪しようと企んだこともあった。
ルパン同様、一応泥棒であるが、時々政府機関や各国政財界の大物から特別な依頼を受けたり(『ルパン三世 PartIII』第20話 他)重機銃を軽々と扱う、高度な機械技術、一般女性を遥かに上回る身体能力、更には色仕掛けのみでなく巧みな話術で相手を翻弄する戦術知識を備えているといった部分からも、普通の家庭で育ったとは考え難いであろう。
この事からも、不二子は元々泥棒ではなく、フリーの女スパイ(又は秘密諜報員)であったのではないかという説がある。事実、KGBやCIAといった数多くの世界的スパイ組織との繋がりや顔を通じ合わせているエピソードがある。また、泥棒に転業したのは、当時一人で泥棒家業をやっていたルパンの事件を目撃した影響という説もある。TVシリーズ一作目の第9話『殺し屋はブルースを歌う』ではルパンたちに出会う3年前まではプーンと共に殺し屋をやっていた過去が明らかにされている。
様々な悪漢や殺し屋達と共謀してルパンを裏切り続けているが、その裏切り癖が裏世界でも有名な為、成功した試しは殆どと言って無い。結局それが仇となって身を滅ぼし続けており、最終的には自分に甘いルパンの元へ泣きついて戻ってくる、といったパターンが多く、次元大介と石川五ェ門には信用が薄い。ただ最近では、さすがに懲りたのか、ルパンも不二子を完全には信用しなくなり、「万が一、不二子が自分達を騙したり裏切った時の保険」とも言える手段を幾つか用意してある為、逆に不二子の方がルパン達に出し抜かれる事も多くなっている。また、ルパンが何が何でも手に入れたいと思っている宝の場合、不二子の裏切り癖を知っているルパンは絶対に協力を申し出る事はない。
ちなみに、頓挫した映画の企画書には、峰不二子がルパンのコトを「てんでネンネの坊や」と評しており、「ワタシのコト好きだなんてオカシイわ」などと述べていることから、ルパンより年上との設定だったらしいことを窺わせる。
彼女にとってルパンは、はっきり言って金ヅルとしての印象しかなく、恋人の立場も都合のいい時にしか利用しない(但し、一度だけルパン三世 (TV第1シリーズ)第13話で、魔毛狂介が作ったタイムマシンで、その存在が消されそうになったルパンが、ルパンの名前を残そうとして求婚し、それを受けて教会で結婚式をあげようとし、タイムマシンを壊した後も、嫌がるルパンに結婚を迫った事があり、唯一「不二子がルパンを追いかける」エピソードとなっている)。
但し、不二子もルパンの女癖の悪さを分かっている為、半ば愛想を尽かしているような場面もある。事実、『カリオストロの城』では恋人だったが過去にルパンをふったと言っているに加え、ルパンも不二子にドライな対応をしていた。これは、この作品のルパン達が他の作品に比べ、年齢を重ねている為であり、最後はこのようなドライな関係になっているようである(同作品中でルパンは因縁浅からぬヒロインのクラリスに対して格別に配慮している為に不二子の扱いがぞんざいになっているだけであり、二人が疎遠になった訳ではないとする説もある)。
最も、不二子も不二子で贅沢な高望みをする女性である。アニメのエピソード中にも、本気で恋愛をする描写があったが、いずれも相手は貴族階級出身でイケメンが定番であった。ちなみに、離婚暦があり、また未亡人でもある。
彼女だけは銭形の目の前に現れても逮捕されないが、それは付近にルパンがいる可能性が高いので、囮として目を付けられ、敢えて野放しにされているだけにすぎない。しかし一対一になった場合は、銭形も逮捕を試みることもある(『ルパン三世 PartIII』第16話、第50話など)。
主要キャラの四人よりは、やはり女性である為、戦闘力は落ちるようで、長編においてそれを感じさせられる描写がある(但し、『DEAD OR ALIVE』では自分よりはるかに大柄で筋肉質の相手を投げ飛ばす描写も存在する為、普通の人間に比べれば並外れた戦闘力の持ち主であるとも言える。更にこの作品で不二子が武術の達人という設定が明らかにされたが、これまでのシリーズではルパン、五ェ門、銭形が本格的に武術を学んでる設定が作中で語られてるので、唯一それが無い次元よりも本格的な格闘技の面では強いとも解釈できる)。新ルパン三世「不二子不死」では、ルパンが歯が立たなかった男爵を打ちのめし、自力で男爵から脱出したこともある。もっとも、ルパン達が不二子の立ち回りに助けられた事もかなりある。
愛用の拳銃はFN ブローニングM1910。これは、麻薬取締官であった大塚が、その当時、唯一携帯を許された拳銃であるらしい。このブローニングを、不二子はミニスカートを捲り上げて、ガーターから抜く。愛用のタバコはモア・メンソール。但し、不二子がこのタバコを吸うシーンは、全作を通じて殆どない。
[編集] 配役
- パイロットフィルム:増山江威子
- TVシリーズ:二階堂有希子(ルパン三世 (TV第1シリーズ))→増山江威子(ルパン三世 (TV第2シリーズ)~ルパン三世 PartIII)
- TVスペシャル:増山江威子
- 劇場版:増山江威子(ルパン三世 ルパンVS複製人間~ルパン三世 バビロンの黄金伝説)→小山茉美(ルパン三世 風魔一族の陰謀)→増山江威子(ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス~)
- OVA:小山茉美(ルパン三世 風魔一族の陰謀)→増山江威子(ルパン三世 生きていた魔術師)
- 実写版『ルパン三世 念力珍作戦』:江崎英子
- ミュージカル『ルパン三世 I'm LUPIN』:沙羅さおり
- 『ルパン三世 D2 MANGA』:横山智佐