左うでの夢
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左うでの夢 | ||
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坂本龍一 の アルバム | ||
リリース | 1981年 10月5日 | |
レーベル | アルファレコード | |
プロデュース | 坂本龍一 | |
坂本龍一 年表 | ||
B2-ユニット (1980年) |
左うでの夢 (1981年) |
音楽図鑑 (1984年) |
左うでの夢(LEFT HANDED DREAM)とは、坂本龍一の3作目のオリジナルアルバム。1981年10月5日にリリース。
[編集] 解説
「歌はうまさじゃなく声色、ヘタでも自己表現としては音楽の中で最高のもの」ということで、坂本のヴォーカルが大々的にフィーチャーされている(10曲中6曲がヴォーカル曲)。1、2作目と比較するとシンプルなメロディー・構成の曲が増え、和音によるバッキングやカデンツ(終止形)を避けるなど、西洋音楽のボキャブラリーからの脱却がモチーフになっている。また、ファンク的なリズムを意識的に避けることと「祭りの音楽」がコンセプトとしてあったようだ。 共同プロデューサーにロビン・スコットが名を連ねているが、後に、このアルバムの数曲を基にロビン主導の12インチシングル『アレンジメント』が作られている。 制作にはキング・クリムゾンのエイドリアン・ブリュー、高橋幸宏、細野晴臣、仙波清彦などが参加した。
発売当時のレコードには、糸井重里の手になる「スナオサカモト」のコピーが付けられていた。タイトルについては、当初ロビン・スコットが「同盟」というタイトルを提案したが却下、矢野顕子が「左うでの夢」を提案したところ、それが採用された(坂本は左利き)。
[編集] 収録曲
- ぼくのかけら ( music by Ryuichi Sakamoto, words by Shigesato Itoi )
ゆったりとした3/4拍子のリズムに乗り、何本ものシンプルなメロディーが複雑に絡み合っていく。後にダンスリーとの共演アルバム『the End of Asia』で再演されている。 - サルとユキとゴミのこども ( music by Ryuichi Sakamoto, words by Shigesato Itoi )
三線(サンシン)を模したようなチープな音色のシンセ・リフとシンプルなメロディー、朴訥とした歌詞が特徴。ベースは坂本が弾いていると思われる。 - かちゃくちゃねぇ ( music by Ryuichi Sakamoto, words by Akiko Yano )
「かちゃくちゃねぇ」はごちゃごちゃしていていらいらする様子という意味の津軽弁。そのいらだちを、坂本の声はうまく表現していて微笑ましい。ひたすらシンプルな沖縄風のメロディーを繰り返すが、2分24秒あたりからリズムが激しくなり動きが出てくる。また、ディレイ(エコー)がリズムにもメロディーにも効果的に使われている。 - The Garden Of Poppies ( music by Ryuichi Sakamoto )
ダイナミクスがつけられたパーカッションのリズムと繰り返されるシンセベースの上で、エイドリアン・ブリューのギターが咆哮する。ドラムは坂本が叩いていると思われる。 - Relache ( music by Ryuichi Sakamoto, Robin Scott, Adrian Belew )
前曲に続きシンプルなリフが主体の曲。高橋幸宏の変則的なフィルインを多用したドラムと、細野晴臣の隙間の多いベースラインによるグルーヴ感がすばらしい。この曲でも、エイドリアン・ブリューのアニマル・ギターが活躍。後に、ロビン・スコットのヴォーカルを加え「JUST ABOUT ENOUGH」のタイトルで12インチ・シングル『アレンジメント』に収録。 - Tell'em To Me ( music by Ryuichi Sakamoto, words by Akiko Yano )
6/8拍子。マリンバのアンサンブルと坂本のヴォーカルによる暗いハーモニーがメインになっている。中間部では、ブリューのフリーキーなギターソロがフィーチャーされている。後に、ロビン・スコットのヴォーカルを加え「ONCE IN A LIFETIME」のタイトルで12インチ・シングル『アレンジメント』に収録。 - Living In The Dark ( music by Ryuichi Sakamoto, words by Tetsuro Kashibuchi )
ムーンライダーズのかしぶち哲郎が作詞を担当。この曲も細野と高橋のコンビネーションが素晴らしい。 - Slat Dance ( music by Ryuichi Sakamoto )
隙間の多い、たゆたう様な3拍子のリズムとSEのみが前半は続く。後半から現れる完全4度のハモリの美しいメロディーが3回繰り返され、和音は解決しないままに曲を閉じる。 - Venezia ( music by Ryuichi Sakamoto, words by Tetsuro Kashibuchi )
この曲もかしぶち哲郎が作詞。息の長いシンプルなメロディーが、従える和音の色彩を変えながら何度も何度も繰り返される。サックスの音が効果音的に使われている。バックのシーケンスは坂本による手弾き。後に、ロビン・スコットのヴォーカルを加え「THE LEFT BANK」のタイトルで12インチ・シングル『アレンジメント』に収録。 - サルの家 ( music by Ryuichi Sakamoto )
リズムボックスのビートに乗って、サルが戯れる。ミキサー卓上のスイッチングで曲が構成されているようで、そのスイッチングの手つきが非常にグルーヴを感じさせる。
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