糸井重里
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糸井 重里(いとい しげさと、1948年11月10日 - )は、日本のコピーライター、エッセイストである。東京糸井重里事務所代表。
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[編集] 人物
群馬県前橋市出身。群馬県立前橋高等学校卒業、法政大学文学部日本文学科中退。広告プロダクションに勤務した後、1971年にコピーライターとしてデビュー。「不思議、大好き。」(1982)「おいしい生活」(1983)などのキャッチコピーで一躍脚光を浴び、コピーライターという職業を世間に認知させた。また、スタジオジブリの諸作品のキャッチコピーも担当している。
本業のほかにも、作詞、ゲーム(『MOTHERシリーズ』)の制作、テレビ番組のコメンテーター、声優(『となりのトトロ』)、漫画原作・脚本・エッセイの執筆、徳川埋蔵金の発掘作業に至るまで、幅広く活躍するマルチクリエイターである。著作多数。日本モノポリー協会会長も務める。
糸井重里本人は今日のダーリンやコラム・対談などで自分の考えは吉本隆明に影響を受けていると言っていることや親好が深い中沢新一にも自分の考え方を語り意見をしてもらっている。またこの考え方に関してほぼ日刊イトイ新聞でもコーナーを設けている。
自身が代表を勤める株式会社東京糸井重里事務所が運営するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」は、一日の総ページビューが約80万件ある有名サイト。著名人やクリエイターなどの連載やオリジナルグッズの販売などが主なコンテンツで、連載の執筆陣は清水ミチコ、鳥越俊太郎、渡辺真理、春風亭昇太、天海祐希など多彩であり、また、タモリ、萩本欽一、矢沢永吉、松本人志、谷川俊太郎など多数の有名人との対談も掲載されている。サイト内における糸井の愛称は「ダーリン」。
日本テレビのバラエティ番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」で年に1度開催される「芸能人釣り選手権」に糸井は毎年参加。開会式で田中直樹(ココリコ)から「C級コピーライター」と罵倒されるのが恒例となっている。
以前はプロ野球・巨人のファンとしても有名で、「ニュースステーション」ではファン代表としてキャッチコピーをつけたりしたが、1991年にはシーズン開幕前の同番組で「今年優勝を逃したら六本木を褌一丁でランニングする」と宣言、そのシーズン巨人は優勝を逃したために実際にランニングする羽目になった。このランニングは11月の深夜に行われ、「こんな愚かな真似はもう二度と繰り返さないでほしい」というコメントを残した。同番組ではそれ以前にも1989年に久米宏が日本シリーズの結果をめぐって賭け(巨人が優勝したら坊主になる)を行い丸坊主になっているが、この一件以降はそうした賭け事は行われていない。
妻は女優の樋口可南子。愛犬はジャック・ラッセル・テリアのブイヨン。
[編集] 出演番組
[編集] テレビ
- 月刊やさい通信(NHK総合)
- YOU(NHK教育テレビ)
- ザ・テレビ演芸(「飛び出せ笑いのニュースター」審査員、テレビ朝日)
- ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!(日本テレビ)
- タモリのジャポニカロゴス(フジテレビ系)
- タモリのボキャブラ天国(フジテレビ系)
- トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識~(フジテレビ系)
- 電波少年的CS放送局(日本テレビ系CS)
- フジサンケイグループ広告大賞 (フジテレビ系)
- イトイ式(TBS系)
[編集] ラジオ
[編集] 映画
[編集] CM
[編集] 雑誌連載
- ヘンタイよいこ新聞 (ビックリハウス)
- 萬流コピー塾 (週刊文春)
[編集] 代表的なキャッチコピー
- 「くう ねる あそぶ」 - 日産自動車「セフィーロ」キャッチコピー
- 「エンディングまで泣くんじゃない」 -ゲームソフト『MOTHER』キャッチコピー
- 「おとなもこどもも、おねーさんも」 - ゲームソフト『MOTHER2』キャッチコピー
- 「奇妙で、おもしろい。そして、せつない。」ゲームソフト『MOTHER3』キャッチコピー
- 「TRAiNG」 - 東日本旅客鉄道キャッチコピー
- 「君にクラクラ」 - カネボウキャッチコピー
- 「よろしく。」 - 矢沢永吉・ポスターキャッチコピー
- 「やたッ。」 - RCサクセション・ポスターキャッチコピー
- 「センチメンタル50%ジャーニー。」 - サンヨーレインコートキャッチコピー
- 「愛は地球を救う」「本当の主役は、あなたです。」 - 日本テレビ24時間テレビサブタイトル・番組内コピー
- 「中国四千年の味」 - 明星食品キャッチコピー
- 「イノセンス、それはいのち」 - イノセンスキャッチコピー
[編集] スタジオジブリ作品
- 「このへんないきものは まだ日本にいるのです。たぶん。」 - 映画『となりのトトロ』キャッチコピー
- 「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」 - 映画『魔女の宅急便』キャッチコピー
- 「カッコイイとは、こういうことさ。」 - 映画『紅の豚』キャッチコピー
- 「好きなひとが、できました。」 - 映画『耳をすませば』キャッチコピー
- 「生きろ。」 - 映画『もののけ姫』キャッチコピー
- 「タヌキだってがんばってるんだよォ」 - 映画『平成狸合戦ぽんぽこ』キャッチコピー
- 「私はワタシと旅にでる。」 - 映画『おもひでぽろぽろ』キャッチコピー
- 「トンネルのむこうは、不思議の町でした。」 - 映画『千と千尋の神隠し』キャッチコピー
- 「4歳と14歳で生きようと思った。」 - 映画『火垂るの墓』キャッチコピー
- 「ふたりが暮らした。」 - 映画『ハウルの動く城』キャッチコピー
- 「かつて人と竜はひとつだった。」「見えぬものこそ。」- 映画 『ゲド戦記』キャッチコピー
[編集] 西武百貨店
- 1980年「じぶん、新発見。」
- 1981年「不思議、大好き。」
- 1982年~1983年「おいしい生活。」
- 1984年「うれしいね、サッちゃん。」
- 1985年「情熱発電所」
- 1986年「元禄ルネッサンス」
- 1987年「じゃない。」
- 1988年「ほしいものが、ほしいわ。」
- 1989年「より道主義だ。」
- 1990年「いいにおいがします。」
[編集] その他
- 1989年に藤田元司が読売ジャイアンツ(巨人)監督に復帰した際に、巨人の野球を「噛めば噛むほど味が出る『スルメ野球』」と評している。
- 任天堂の「ゲームボーイ」「ニンテンドウ64」「バーチャルボーイ」の名付け親。
- ユニクロ野菜「SKIP」のプロデュース。
- 2005年創部の萩本欽一がオーナーと監督を兼任する社会人野球チーム「茨城ゴールデンゴールズ」のチーム名を命名。
[編集] 作詞
- 『パパの歌』(歌&作曲:忌野清志郎)
- 『TOKIO』(歌:沢田研二、作曲:加瀬邦彦)
- 『恋のバッドチューニング』(歌:沢田研二、作曲:加瀬邦彦)
- 『酒場でDABADA』(歌:沢田研二、作曲:鈴木サブロー)
- 『クライマックス』(歌:沢田研二、作曲:沢田研二)
- 『春咲小紅』(歌:矢野顕子、作曲:矢野顕子)
- 『TVの国からキラキラ』(歌:松本伊代、作曲:筒美京平)
- 『雪列車』(歌:前川清、作曲:坂本龍一)
- 『いまのきみはピカピカに光って』(歌:斉藤哲夫、作曲:鈴木慶一)
- 『花咲く乙女よ穴を堀れ』(歌:ムーンライダーズ、作曲::鈴木慶一)
- 『ニットキャップマン』(歌:ムーンライダーズ、作曲::岡田徹)
- 『地平線を見て育ちました』(歌:安全地帯、作曲::玉置浩二)
- 『自転車でおいで』(歌:矢野顕子、作曲::矢野顕子)
- 『ふりむけばカエル』(歌:矢野顕子、作曲::矢野顕子)
- 『夢のヒヨコ』 (歌:矢野顕子、作曲::矢野顕子)
- 『あなたは「おもしろマガジン」』 (歌:榊原郁恵、作曲:水谷公生)
- 『ワンナイト・ショー』 (歌&作曲:矢沢永吉)
- 『天使たちの場所』 (歌&作曲:矢沢永吉)
[編集] ゲーム
- 『MOTHER』シリーズ(任天堂)
- 『糸井重里のバス釣りNo.1』シリーズ(任天堂)
[編集] 音楽
- 『ペンギニズム』(1980年レコード発売。1995年CDで再発。2006年再々発)。
[編集] 賞歴
- 1975年 TCC(東京コピーライターズクラブ) 新人賞
- 1984年 第1回ベストジーニスト賞(協議会選出部門)
- 1989年 第6回日本アニメ大賞・アトム賞 声優部門特別演技賞
- 2000年 第6回AMD Award 功労賞
- 2001年 第3回eAT KANAZAWA 名人賞