府川充男

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府川充男（ふかわみつお、1951年 2月23日-）は日本の分析書誌学・印刷史研究者、辞書執筆者、辞書編纂者、タイポグラファー、ブックデザイナー。『印刷史研究』（印刷史研究会）編輯委員、築地電子活版代表。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員。国際印刷大学校客員教授。高卒（早稲田大学教育学部教育学科教育学専攻抹籍）。

中高一貫校の桐朋高校で15歳から学生運動に身を投じ、第二次ブント（共産主義者同盟）高校生細胞からレーニン主義者協議会（L協）の旗揚げ（68年7月）に参加。L協解体（69年7月）後は無党派活動家として東京大学駒場寮を拠点に三多摩、早大、東大などで活動。70年代中葉には肉体労働を経て雑誌編集者に転じ、校正、割付、デザイン、広告営業、書店営業も手掛けるようになる。当時は写研の黄金時代だが既製の写植書体にあきたらず、版面設計の材料をふやす目的で、活字の清刷などを基にした仮名文字盤を自作し始める。80年代に制作された、築地体や秀英体を中心とする活字書体によるおのおの一点ものの仮名文字盤は数十種類に及んだ。活字書体の探求が近代印刷史を渉猟するきっかけとなって、分析書誌学というあくまで印刷版面を基点とする方法を援用しつつ、組版、印刷とその周辺技術、文化事象の歴史的解明をはかる。また、印刷史の学会として小宮山博史、日下潤一らと印刷史研究会（会長・小宮山博史）を発足させ、自らもその機関誌『印刷史研究』の編輯委員を務める。

[編集] 半生

1951年横浜市に生まれる。桐朋高校時代から第二次ブント（その中でも同盟員数は相対的に少数ながら実務の殆どを握っていた旧マルクス主義戦線派系）系の活動家（社会主義学生同盟高校生委員会書記局員、高校生会議議長）として学生運動に参加していた。69年に高校を卒業した府川は、その年の10月21日、東京だけでも約1000名が逮捕された東京の武装闘争（69年「10.21」）において新宿駅の線路上で逮捕され（凶器準備集合、暴力行為、傷害、鉄道営業法違反などの容疑。なお最初の逮捕は高校二年のときのベトナム反戦デモ）、22日間の留置後、練馬区の東京少年鑑別所（通称ネリカン）にさらに22日間収容されたが、最後は家裁送致となって釈放されている。府川は、2002年6月15日、築地電子活版から刊行された、さらぎ徳二編『革命ロシアの挫折と崩壊の根因を問う』所収の「「六八年革命」を遶る断章」で「大闘争の合間には各所で無数の小闘争が組まれていて駒場や御茶ノ水、神保町等でハプニング的なゲヴァルトに遭遇するのも屡々であった。私は七一年の二月に二十歳となったが、十七歳以来の来し方を振返ってみて、錙か二年半許りの間に武器を持った相手（機動隊・日共・革マル・右翼・新左翼他党派等）と躬ら武器を持って渡り合った回数が優に二百を超している事に吾ながら呆れた事がある。とにかく荒事だらけの時節であった。」と記しているが、逮捕歴は71年1月18日の東大安田決戦3周年闘争を含めて、なんとその60分の1にも及ばぬ全3回に過ぎない。ここからも、その当時の学生運動の凄まじい高揚と府川の練度を推し量ることができるだろう。府川は70年早稲田大学教育学部に入学。その年の夏休みに長野県で行われた学部の二年生闘争委員会の合宿で早くもヘゲモニー（主導権）を握った。翌71年10月には、35名の武装部隊で、全都の革マル派の武装部隊300名を早大理工学部に引き受けて10分間にわたり激闘。以後1年間ほどにわたり早大キャンパスを去り、各大学の全共闘によるアルバイトの口入れ屋、建設関連一般臨時雇合同労働組合（略称建設臨労）に所属して土方、塗装屋などに従事していたが、革マル派による第一文学部学生・川口大三郎殺害を機にまきおこった、瞬間的には5000人規模ともいわれる全学的な革マル派糾弾の大闘争が勃発した途端にキャンパスに復帰。全国の大学全共闘で最後まで叛乱を持ちこたえた早大学生運動の退潮を見届けてから完全にキャンパスを去り、建設臨労が事実上解体してからは工場内集塵装置のフィルタの清掃などの肉体労働に従事した。その後は東京都新宿区新宿3丁目・世界堂の脇の路地で飲み屋「セラヴィ」を経営しつつ昼間は音楽雑誌『音楽全書』編集長となり、かたわらレコード会社などへの広告営業もこなした。長髪とサングラスといえば、長年月刊『噂の真相』誌を編集・経営して引退、以来悠々自適で南島へ隠居した岡留安則とともに府川の代名詞だが、長髪は若年の府川のほうが常にずっと長い。早稲田大学の学籍は入学以来放ったらかしにされたままに終わった（70年4月入学-77年3月抹籍。学籍番号57001075）。

『音楽全書』（76年-77年、海潮社）、『同時代音楽』（79年-83年、ブロンズ社他）、『リベルタン』（82年、朝日ソノラマ）などの雑誌を編集、ムック『イメージの冒険　神話』（79年、河出書房新社）を高橋順一や長谷川明とともに企画・編集。ブック・デザインでは81年の『戦車と機甲戦』（朝日ソノラマ）ですでに築地体初号活字や凸版印刷20ポイント活字に基づく自製文字盤を用いていた。以降、一貫して築地体、秀英体などの仮名を駆使したタイポグラフィを実践する。 1983年1月には，坂田明トリオのマネージャー柏原卓（故人）をバンマスとするジャズ・バンドBUSの結成に参加し，1983年1月に新宿ピットインでデビュー，バンドは以後2年間にわたって活動を続けた。メンバーは川端民生（坂田明トリオ，故人），藤井信雄（坂田明トリオ），大谷尚弥（伊藤銀次バンド），渋谷殻（ピアニスト），奥成達（詩人），橋本克彦（ルポライター），野坂周司（酒房勤務）他。『ペンギン・クエスチョン』の創刊準備号（83年、現代企画室）で、見出しの書体を記事ごとに替えるという試みを行う。84年、『SAGE』（三共社）で羽良多平吉と協働して誌面設計。この年から白虎社のポスター、チラシ、雑誌などをフォトコラージュの木村恒久とともに担当。87年『アサヒ芸能』に30回にわたり連載された「超報道写真」（写真・蔵田精二、執筆・朝倉喬司）では殆ど既製の仮名書体を用いず毎回本文の仮名書体を変えていった。80年代から90年代にかけて制作された自製仮名文字盤は、築地体初号、36ポイント、一号細仮名、一号太仮名、二号太仮名、三号細仮名、秀英体四号太仮名、四号仮名、大日本印刷24ポイント、16ポイント・アンチック、凸版印刷30ポイント（秀英型）、20ポイント・アンチック（築地型）、江川活版行書三号、弘道軒清朝三号、四号など、またゴシック系では大日本印刷32ポイント（築地型）、凸版印刷30ポイント（秀英型）、それに粘葉本和漢朗詠集の単体仮名など。印刷資料への博捜は、最初は、和文タイポグラフィの材料を集めるために始められた。

87年ころより92年まで丸6年弱、開館日には連日、国立国会図書館、国立公文書館内閣文庫、東大明治新聞雑誌文庫、早大図書館特別資料室、青山学院資料センター、天理大学附属図書館などの図書館に籠り、印刷史・書体史などの第一次資料約一万標目を渉猟した。従来の通説であった「本木昌造とウィリアム・ギャンブルから説き始める近代日本印刷史」という視角には、当初から根本的疑問を抱いており、ヨーロッパ東洋学や中国沿岸部でのキリスト教伝道関係の資料を次々に発掘。小宮山博史や鈴木広光らとも協働しながら、より資料的事実に即した印刷史像を描こうとしている。91年、東京谷中墓地で行われた花見における地元の若者10名ほどとの深夜の乱闘を最後に、パンチにスピードと切れがなくなったとして、町場の喧嘩からの引退を宣言（最近引退を撤回したとの噂もある）。92年以降、近年まで月刊『情況』の表紙を設計。2005年10月号まで同誌の本文組版を手掛ける。97年より通産省傘下の行政法人日本規格協会電子文書処理システム標準化調査研究委員会ワーキンググループ2の委員としてJIS X 4052の策定とJIS X 4051の改訂に参画。99年、株主総会の結果が気に入らないという理由で，それまでDTP部門の統轄を担当していた株式会社聚珍社を一人で突如離脱、友人の元・社会主義労働者同盟の活動家木之内良一から一時借金をして小池和夫と有限会社築地電子活版設立。

印刷史にとどまらず、出版史、洋学史、新聞史、教科書史、日欧交渉史、和訳聖書史、明治期国語国字改良論争史、国語書記法史、ヨーロッパ東洋学史、プロテスタント伝道史などにわたる研究成果とほとんどが新出の版面図録4000点ほどは、図書館を出て2年ほどで「字体—書体—仮名」という文字論の形式を取った全3篇に成稿された。94年には大日本印刷のCTSのラインで初校ゲラが出ており、96年中の刊行が目指されていたものの（B5判400ページある最初の単著『組版原論』はその販促パンフレットとして2ヶ月ほどで速成された）、最初の版元リブロポートの社長交代、二番目の版元・第三文明社との民事訴訟などのトラブルが続き、結局、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・豊島正之助教授の教示にしたがい、行政法人日本学術振興会の出版助成金を得て、2005年、三省堂から『聚珍録図説＝近世・近代〈文字‐印刷〉文化史』として上梓された。B5判全三千数百ページ、全部で約8.5キログラムという大冊である。

『アイデア』312号（2005年、誠文堂新光社）に「府川充男の仕事」，『理戦』84号（2006年、実践社）に「宿命に拉致された人生の落とし前を五〇代でつけたぞ」が掲載されている。2005年以降は、執筆＝原稿入力、テキスト処理のプログラミング、レイアウト、組版、スキャニング、画像処理、図書外装設計から、毎日の築地電子活版ウェブサイトの更新までを一人で手がける（2004年までは画像処理技術の一部に自信が持てなかったらしい。築地電子活版のもう一人、小池和夫はマガジンハウスの『Tarzan』誌のDTPを一人でこなしている）。なお本年4月5日、約5年間にわたり同居してきた滝春美さんと入籍（30代での初婚から数えると3回目）した（ちなみに4月5日は春美さんの誕生日。春美さんは2回目の入籍という）。

WIN機であればいかなるブラウザ・ソフトを用いても築地電子活版のサイトから聞こえてくるサウンドは、30か国語以上による日替わりの「インターナショナル」。1910年フランス録音の「世界ではじめて録音された「Internationale」」が聴ける日もあり、ホーメイ（khoomei）と呼ばれる喉歌を駆使して日本人にはまず「インターナショナル」には聴こえない、チュバ共和国版「インターナショナル」が流れている日もある。韓国語の静かな「インターナショナル」は1985年の韓国全学協によるバージョンで、韓国での曲名は「希望」。韓国ばかりでなく、ベトナム、タイ、タガログなど、アジア系の「インターナショナル」は概して静かである。時たま流れるストレート・ロックの「インターナショナル」は上海のロック・バンドのサウンドかと思われる。

MACのOSXではプラグインの関係でサウンドが聴けない場合がある。当然、Classic環境にしてInternet Explolorを用いるならばサウンドを聴くことができるが、OS9.2.2でもNetscapeを用いるとプラグインの問題が生じることとなる。

[編集] 主な著書

近世・近代活版印刷史全般や分析書誌学、文字コード問題、DTPの技法、明治期国語国字改良論争史、幕末から昭和初年までの新聞紙面の変遷、日本語の書記法史、パンクチュエーション、タイポグラフィなどについての論述多数。100円ショップ「キャンドゥ」で売られている『難読即解国語辞典』の執筆には、江戸読本や『南総里見八犬伝』の研究で知られる高木元（国立大学法人千葉大学教授）も参加している。キャンドゥの辞書はいずれも10万部近くを売り上げているベストセラー。『難読即解国語辞典』は「大人の読む辞書」の典型と評される。著書のなかでも『聚珍録』は、研究の集大成であり主著と呼ぶに足る。以下に主要な著作を示す。

編集人（筆名での執筆も多い）

季刊『音楽全書』（1976-7年、海潮社）
『同時代音楽』（1979-83年、ブロンズ社他、上掲誌の後継誌）

編著書

『活字礼讃』（1991年、活字文化社、共著）
『組版原論タイポグラフィと活字・写植・DTP』（1996年、太田出版）
『歴史の文字記載・活字・活版』（1996年、東京大学総合研究博物館、西野嘉章編、共著）
『漢字問題と文字コード』（1999年、柏書房、共著）
『本と活字の歴史事典』（2000年、柏書房、共編著）
『たて・ヨコ組版自由自在』（2000年、グラフィック社、共著）
『旧字旧かな入門』（2001年、柏書房、共著）
『真性活字中毒者読本』（2001年、柏書房、共著）
『日本の近代活字本木昌造とその周辺』（2003年、近代印刷活字文化保存会、共編著）
『聚珍録図説＝近世・近代〈文字‐印刷〉文化史』（2005年、三省堂）
『印刷史／タイポグラフィの視軸』（2005年、実践社）
『本木昌造と日本の近代活字』（2006年、大阪府印刷工業組合、共著）
『ザ・一九六八』（2006年、白順社、編著）

辞書編纂

『難読即解国語辞典』（2004年、キャンドゥ）
『必携漢字字典』（2004年、キャンドゥ）
『難読語辞典』（2004年、太田出版）

　　なお小池和夫・鹿島康政と共に『JIS漢字字典』（日本規格協会、初版1997年、増補版2002年）の制作実務にも深く関わった。

解説

『世界印刷通史』（2000年、ゆまに書房）

書体選定

「日本の活字書体名作精選」（2004年、小宮山博史覆刻、大日本スクリーン製造）築地活版の仮名活字書体を中心に、9つの仮名フォントをまとめる

論攷類

「文字の現在」（三共社『SAGE』第5巻第6号、1984年）
「和文組版雑纂―—字体と書体」（麻布書館『季刊スフィンクス』第4号、1986年）
「触感的書体論」（戸田ツトムとの対談。マガジンハウス『ブルータス』第7巻第6号、1986年）
「発明された文字たち」（美術新聞社『書道研究』第2巻第8号、1988年）
「大鳥活字瑣攷―—縄武館・幕府陸軍所の刊行物に用いられた大鳥圭介創製の活字を遶る諸説の梗概と問題点」（エスエル出版会『季節』第12号、1988年）
「異形の文字諸体」（青弓社『クリティーク』15号、1989年）
「蜥蜴の尻尾始末記—『UWF革命』後日譚」（エスエル出版会、『プロレス・ファン』創刊準備号、1989年）
「新字諸案」（東京都古書籍商業協同組合中央線支部、第24回サンプラザ古本まつり古書目録解説、1989年）
「呪詛と文字」（東京都古書籍商業協同組合中央線支部、第25回サンプラザ古本まつり古書目録解説、1989年）
「明治初年の非本木系活字」（東京都古書籍商業協同組合中央線支部、第26回サンプラザ古本まつり古書目録解説、1990年）
「幕末明治活版印刷史研究の新局面」（読書人『週刊読書人』第1872号―第1896号［1991年］に全23回分載）
「近代印刷史研究の新しい課題をめぐって［1］-［4］」（印刷学会出版部『印刷雑誌』第74巻第6号、1991年）
「活字逍遙」（東京機械製作所『季刊TKS』第26号、1991年）
「明治期「新字」案の諸相」（日本タイポグラフィ協会『タイポグラフィックス・ティ』134号、1991年）
「明治初年の「非本木系」活字」（リョービイマジクス『アステ』第9号、1991年）
「遂に“発見”された一八六八年版『よのうはさ』」（日本タイポグラフィ協会『タイポグラフィックス・ティ』140号、1992年）
「島霞谷と東校活版」（日本タイポグラフィ協会『タイポグラフィックス・ティ』139号・141号［1992年］に分載）
「書と日本の活字版」（芸術新聞社『墨スペシャル』第12号「図説日本書道史」、1992年）
「“発見”された最初の海外邦字新聞」（読書人『週刊読書人』第1944号、1992年）
「『まいにちひらかなしんぶんし』の謎」（日本タイポグラフィ協会『タイポグラフィックス・ティ』143号［1992年］-144号［1993年］に分載）
「大鳥活字再攷」（日本タイポグラフィ協会『タイポグラフィックス・ティ』145号［1992年］・147号・148号［1993年］に分載）
「活字書体をつかった近年の装丁とエディトリアル・デザイン」（日本タイポグラフィ協会『タイポグラフィックス・ティ』149号、1993年、筆名「市川純夫」使用）
「小括・築地体と秀英体」（日本タイポグラフィ協会『タイポグラフィックス・ティ』150号、1993年、無署名）
「活字「毛筆書体」の諸相」（日本タイポグラフィ協会『タイポグラフィックス・ティ』151号、1993年、無署名）
「神字と新字―近代日本における〈文字〉の発明」（新人物往来社『別冊歴史読本―「古史古伝」論争』、1993年）
「トタンを叩け!?」（聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト『Macintosh Project News』第6号、1993年、無署名）
「文字・文化・デザイン―タイポグラフィのための基礎的視座」（阿佐ヶ谷美術専門学校デザイン科平成五年度タイポグラフィ・ゼミ発行パンフレット、1993年）
「和文組版における組版ルールと禁則処理のベーシックス」（聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト『Macintosh Project News』第12号、1994年、無署名）
「ディジタル組版システムと漢字字体」（聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト『Macintosh Project News』第12号、1994年、無署名）
「和文組版における組版ルールと禁則処理のベーシックス・補訂」（聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト『Macintosh Project News』第13号、1994年、無署名）
「BIBLOS外字逍遙」（聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト『Macintosh Project News』第14号、1994年、無署名）
「ディジタル組版システムと漢字字体・補訂」（聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト『Macintosh Project News』第14号、1994年、無署名）
「ひたすら元気な活版印刷との遭遇」（聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト『Macintosh Project News』第14号、1994年）
「マックDTP 業務、本格的離陸に向け発進す」（聚珍社マッキントッシュ・プロジェクト『Macintosh Project News』第15号、1994年、無署名）
「長崎諏訪字神社藏三號楷書木活字の字面の鑒定」（武蔵野美術大学共同研究「和文活版の黎明期から現在までの書体変遷史と書体系譜の研究」報告書、1995年）
「島霞谷の新発見資料」（印刷史研究会『印刷史研究』第1巻第1号、1995年）
「『珊瑚集』の組版を題材に印刷史家が辛うじて語りうる僅かな事ども」（青土社『ユリイカ』1997年7月号）
「講演録「近代和文活字書体史概論」」（日本語の文字と組版を考える会『日本語の文字と組版を考える会会報』第3号、1997年）
「失われたタイプフェイスをもとめて」（小宮山博史との対談、青土社『ユリイカ』1997年6月号）
「究極のDTP組版―QuarkXPressでここまでできる」（グラフィック社『DTPワーキング実践プロセス』所載、1997年）
「常識破りの字典作り『JIS漢字字典』」（小池和夫と共同執筆、印刷出版研究所『印刷情報』1998年1月号）
「当今「漢字問題」卑見」（青土社『ユリイカ』1998年号）
「島霞谷と東校・文部省官版」（印刷史研究会『印刷史研究』第4巻第1号、1998年）
「日本語組版の歴史」（日本語の文字と組版を考える会『日本語の文字と組版を考える会会報』第9号、1998年）
「和文鋳造活字の一般化と明治の出版物―—明治初年から二〇年代を中心に」（日本近代書誌学協会『日本近代書誌学協会会報』第5号、1999年）
「「六八年」問題をめぐって」（情況出版『情況』2003年7月号、すが秀実・高橋順一との座談会）
「八〇年代のブックデザインとタイポグラフィを過（よ）ぎる」（青土社『ユリイカ』2003年9月号）
「幕末長崎から明治期東京へ――本邦近代活字史の本流」（印刷博物館『年報2003』、2003年）
「誌面逍遙一〇〇年前の『印刷雑誌』」（太田出版『d/SIGN』第8号、2004年）
アンケート回答「私の論文作法」（青土社『ユリイカ』2004年3月号）
「経歴詐称常習者平井玄――「歴史の捏造」と「解釈の余地なき事実」」（情況出版『情況』2005年3月号）
「愛のあるユニークで豊かなタイポグラフィを求めて」（誠文堂新光社『アイデア313』2006年、中垣信夫・向井裕一との座談会）