戸出野神社大鳥居
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戸出野神社大鳥居(といでのじんじゃおおとりい)は、富山県高岡市戸出町3丁目、旧町名でいうところの本町側にある大鳥居である。御影石でつくられたこの大鳥居は瀬戸内海の小豆島より産出されたものであると伝えられている。戸出地域がかつて千保川を通じて伏木、さらには瀬戸内海、京、大阪と繋がっていたことを示す貴重な歴史遺産となっている。
加賀藩屈指の豪商でもあった竹村屋茂兵衛は、戸出の特産品である八講布・菜種等の問屋であり、船を持ち、伏木港を拠点として海運業を営み財を築いた。この大鳥居は竹村屋茂兵衛の繁栄にあやかるため、伏木の廻船問屋及び7軒の船問屋のうちで最も実力のあった能登屋三右衛門とその持船の船頭らが、嘉永6年(1853年)3月、竹村屋茂兵衛が住む戸出の戸出野神社へ寄進したものであると考えられている。竹村屋茂兵衛の屋敷はかつてこの大鳥居より西側あった。
大鳥居には以下の文字が彫られてある。
- 嘉永六年葵丑年三月吉日
- 伏木能登屋三右衛門手船
- 観世丸 太四郎
- 恵比寿丸 七左衛門
- 万福丸 荘助
- 大黒丸 治兵衛
- 奉寄進
- 佐野屋 栄三郎
- 煙草屋 吉左衛門
- 能登屋 与兵衛
- 高辻屋 八右衛門