救命いかだ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
救命いかだ(life raft)は、船舶の遭難時に使用する、ゴムあるいはナイロン製のいかだ。
通常はカプセルに詰められた状態になっている。非常時に、海面に投げこみ、しかるべき操作をすると内蔵のガスボンベによりイカダは膨張し、いかだの形になる。本体部分(子供用プール状の部分)の上に、テント状のシートがついている。 テント部分は、目立たせるためにオレンジ色や赤色である。
一般に、救命いかだの中には生き延びるために数々のものが備え付けられている。例えば、飲料水、乾パン、信号灯、海面着色剤、日光信号鏡(いわゆる鏡)、生存指導書(生き残るためのノウハウ、気力を保つための元気づけの文章)、レーダー反射板(数十cmのアルミ板を組み合わせたもの)、釣り針・釣り糸、などである。
信号灯、海面着色剤、日光信号鏡、レーダー反射板は、いずれも発見してもらうためのもの。いかだ程度の大きさのものでも大海原の上では、プールのなかの塵のようにしか見えず、発見してもらうことは非常に困難である。
すべての船に設置が義務付けられているわけではない。20t未満の漁船は搭載の義務は無く、小さな漁船では通常は積んでいない。
日本での製造会社としては藤倉ゴム工業株式会社など。