釣り糸
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釣り糸 (つりいと) とは、釣りに使われる細い糸のこと。
ナイロン糸が釣り糸に使用される以前は、テグスサンというヤママユガの幼虫の絹糸腺から作ったテグスや、スガ糸(絹)などが使用されたが、現在では釣り糸専用に開発された合成繊維(ナイロン、フロロカーボン)の糸が主流である。また、マグロやチョウザメ、オヒョウなど一部の大型魚類の釣りでは、道糸・ハリスともに金属ワイヤーが使用される場合が多く、鋭い歯を持つパイク目やイシダイ、イシガキダイなどの釣りではハリスに金属ワイヤーが使用される。
釣り場に残される釣り糸が水鳥にダメージを与えるとして問題視されており、これをうけて自然分解される釣り糸の開発が進められいる。一部のメーカーからすでに商品化されている。
釣り糸の販売は、江戸中期に徳島の漁師が薬剤を縛る半透明の紐を見て「これを使えば魚はいくらでも釣れる。」と言ったのをきっかけに大阪の船場にある薬問屋だった「広田屋」がテグス商としてスタートさせたのが始まりである。その漁師が実際の漁でデモンストレーションし、これによって釣り糸としてのテグスがあっという間に世の中に広まった。この話は司馬遼太郎の「この国のかたち」にも紹介されている。
釣り竿側に付いている比較的太目の釣り糸を「道糸」(または英語読みのままで「ライン」)、針側の細めの糸を「ハリス」という。
[編集] 太さ
日本では釣り糸の太さは号数で表記され。号数が大きい程太くなり、引張強さ(断面積)に比例している。