新ゲッターロボ
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『新ゲッターロボ』(しんゲッターロボ)は、永井豪、石川賢原作のロボットアニメOVA。
『ゲッターロボ』シリーズのうちの一つであるが、いまのところ「ゲッター・サーガ」に組み込まれていない。原作の持つアナーキーでバイオレンスな雰囲気を前面に押し出した作品である。
また、本作に登場するゲッターロボのデザインはこれまで発売されたゲッターロボOVA作品(『真ゲッターロボ』等)から一新された。従来のゲッターロボは「プロトタイプ・ゲッター」の名前で第1話にのみ登場する。
バンダイビジュアルより2004年夏から展開。全13話、DVD全6巻。
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[編集] ストーリー
突如、人類に牙を剥いた者達がいた。その姿は古来から伝わる伝説の生き物「鬼」そのものであった。ゲッター線研究の第一人者、早乙女は鬼たちに対抗するべくゲッター線を動力とする巨大ロボット、ゲッターロボを開発するが、試作型のゲッターロボでは鬼に太刀打ち出来なかった為、新型のゲッターロボの開発とそれを乗りこなせるパイロットの選定を急ぐ事にした。
一方、東京・新宿で借金の取り立てを相手に喧嘩に明け暮れる一人の男がいた。彼の名は流竜馬。後に自分がゲッターロボのパイロットとして鬼との壮絶な戦いに巻き込まれる事になろうとは、この時、まだ知る由も無かった…
[編集] 登場人物
- 流竜馬(ながれ りょうま)
- 新ゲッター1のパイロット。新宿で父親から受け継いだ空手道場を経営しているが、多額の借金を抱えている。取り立てに来たヤクザ相手に喧嘩に明け暮れる日々を送っていた所を早乙女に目を付けられ、半ば強引にゲッターロボのパイロットにされてしまうが、戦いを好む性格の為か、仕方が無いと思いつつも鬼との戦いに身を投じる事になる。
- 常人を遥かに凌ぐ戦闘能力を持っており、それはゲッター1の操縦にも遺憾無く発揮されている。
- 神隼人(じん はやと)
- 新ゲッター2のパイロット。元は革命組織のリーダーだったが、防衛庁の特殊兵器管理センターを襲撃した際にゲッター線に関する機密情報を入手。ゲッター線に興味を持った彼は革命組織のメンバーと共に早乙女研究所を襲撃するが、既に襲撃を察知していた早乙女によってゲッターロボのパイロットにされてしまう。
- 鬼との戦いの中で、ゲッター線の真実に迫ろうとする。
- 武蔵坊弁慶(むさしぼう べんけい)
- 新ゲッター3のパイロット。手が付けられない程の暴れん坊だったが、旅の僧に改心させられて以来、その僧が住職を勤める寺にて真人間になる為に修行を積んでいた。
- ある日、鬼に豹変した住職や修行仲間達に襲われそうになるが、パトロール中に鬼獣の攻撃を受けて墜落したイーグル号に搭乗していた竜馬と出会う。その後、後を追って来た早乙女によって強引にゲッターロボのパイロットにされてしまうが、仲間達の敵を討つ為に鬼との戦いに身を投じて行く。
- 元々、豪快で自由奔放な性格だが、修行時代もその性格はあまり変わっていない様だ。あまり難しい話をされると眠ってしまう癖がある。また、家宝の守り刀を肌身離さず持ち歩いているが、この刀が後に重要な役割を持つようになる。
- 名前の由来は、他のゲッターロボ作品に登場する「巴武蔵」と「車弁慶」の名前を繋げたものである。この為、戦闘中に「大雪山おろし」を使う場面も見られる。
[編集] 登場メカ
- ゲッターロボ
- 「鬼」に対抗するために開発された、スーパーロボット。絶大なパワーを持つが、それ故に扱えるパイロットがいなかった。ゲッター1を竜馬、ゲッター2を隼人、ゲッター3を弁慶が操縦。後、新型炉心を搭載しパワーアップ。なぜか竜馬が単独搭乗すると、戦闘力が跳ね上がるようになる。
- ゲッターロボを名乗りつつも、デザインは既存のゲッターから一新された。3機の戦闘機が合体することで構成される点は、これまでのゲッターと同じ。ゲッタードラゴンの「シャインスパーク」や、真ゲッター1の「ストナーサンシャイン」のような必殺技は持っていない。
- 初代ゲッターロボや真ゲッターロボとの名称の重複を防ぐ目的で「新ゲッターロボ」と呼ばれることも多く、マニア向けフィギュアや玩具等では「新ゲッターロボ」との表記も見られる。
- 本作のゲッターロボは、原作や「真ゲッターロボ」の「宇宙開発用」という設定を切り捨て、純粋な戦闘用スーパーロボットとして建造された、ということになっている。
- プロトタイプ・ゲッター
- 先行するOVA『真ゲッターロボ』2作品に登場した初代ゲッターロボと同じデザインを持つ、試作型ゲッターロボ。第1話に登場。鬼には力及ばずに自爆する。
[編集] スタッフ
- 企画:ダイナミック企画
- 原作:永井豪、石川賢
- 監督:川越淳
- シリーズ構成、脚本:大西信介
- キャラクターデザイン:鈴木藤雄
- メカデザイン:田中良
- 音楽:信田かずお
- 音楽プロデューサー:井上俊次
- 音響監督:岩浪美和
- 音響効果:神保大介
- 音響プロデューサー: 中野徹
- 音響制作:HALF H・P STUDIO
- 制作協力:ダイナミック企画、ビーメディア、アニマックスブロードキャスト・ジャパン
- アニメーション制作:ブレインズ・ベーズ
- 制作:新早乙女研究所
- オープニングテーマ:『DRAGON』
- 作詞:影山ヒロノブ
- 作曲、編曲:須藤賢一
- 歌:JAM Project
- エンディングテーマ:『No Serenity』
[編集] 挿入歌
本作のDVDの初回版には挿入歌のシングルCDが付属していた。2006年7月26日にこの挿入歌とOP・EDをまとめたボーカル集『新ゲッターロボ Vocal Collection DRAGON BATTLE』が発売されている。
- WARRIOR
- SAGA
- 作詞:影山ヒロノブ
- 作・編曲:河野陽吾
- 歌:遠藤正明
- 吠えろ!!
- DEEP RED
- Gods
- 作詞・作曲:影山ヒロノブ
- 編曲:須藤健一
- 歌:串田アキラ
- 伝説~Legend~
- 作詞:奥井雅美
- 作・編曲:須藤健一
- 歌:水木一郎
[編集] キャスト
- 流竜馬:石川英郎
- 神隼人:内田直哉
- 武蔵坊弁慶:梁田清之
- 早乙女博士:有本欽隆
- 早乙女達人:山野井仁
- 早乙女ミチル:本田貴子
- 安倍晴明:子安武人
- 源頼光:朴璐美
- 多聞天:玄田哲章
- 増長天:屋良有作
- 広目天:郷里大輔
- 持国天:銀河万丈
[編集] シナリオリスト
- 竜馬が行く
- 隼人が来る
- 武蔵坊弁慶
- 三匹が行く
- 鬼火
- 鬼の棲む館
- 陰陽師
- 激突
- 地獄変
- ひとり狼
- かくて神風は吹く
- 天と地と
- 竜馬がいく