新ソード・ワールドRPGリプレイWaltz
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新ソード・ワールドRPGリプレイWaltz(しんそーどわーるどあーるぴーじーりぷれいわるつ)はグループSNEによるソード・ワールドRPGのリプレイシリーズ。 ゲームマスター・執筆者は篠谷志乃。イラストレーターは桐原いづみ。監修は清松みゆき。
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[編集] 舞台、概要
前作同様、前シリーズが進行中のスタートとなった。1992年のソード・ワールドRPGリプレイ第2部以来、約14年ぶりに西部諸国が舞台となった。[1]PCはナジカ、ディケイ、アイル、キーナ、ブランシュの五人。
その存在自体を無かったことにされることすらあった「西部諸国ワールドガイド」「ソード・ワールドRPGアドベンチャー」において作られた設定が活かされているのが特徴である。このため、またプレイヤー、プレイヤーズキャラクターの構成からルールよりもロールプレイ重視のシリーズとなっている。
[編集] SEコンバット
簡略戦闘ルールSEコンバット[2]の紹介を目的の一つに掲げたシリーズであり、同ルールが採用されている。ちなみに猫の街の冒険ではこのルールの原型であるVEコンバットが採用されている。
[編集] 特徴
「かつてないほどの善良なメンバー」ということを売りにしている。また、得た報酬もほとんど全て孤児院への仕送りに使ってしまって、マジックアイテム購入などの物欲も皆無である。
実際、報酬面で依頼者にごり押しをするどころか、正当な報酬ですら逆に断ろうとするなど、既存のリプレイのパターンから大きく外れる面が度々見られる。また、プレイヤーも(初心者が参加していることを割り引いても)ルールを逆手にとってGMを困らせたりする様子もない。
[編集] サブタイトル
2巻現在、リプレイ集は全て単語を3つ並べ、中点で結んだものとなっている。詳細はソード・ワールドRPGを参照。
[編集] 登場人物
[編集] 孤児院メンバー
人間関係としてはエルフであるナジカを先生とした教え子4人という構成。孤児院が不作により財政難になったため、15歳になった子供達3人が、大食らいであるナジカともども口減らしに出されたのを機に、冒険者パーティーとして結成された。17歳のディケイは既に孤児院を出ていたものの、不安のある4人をリードするために孤児院の院長から呼び戻され、兄貴的役割を負うことになった。パーティー通称は今のところ確定していない。
- キーナ(15歳)
- 推定主人公(キャラクターシートの一枚目)のファイターで、パーティ一の筋力を持つ少女。無口という初期設定があったが、恋愛小説を読みたがるなど少女らしいロマンティストな面がアイデンティティになりつつある。また意外とノリが良く、メイド喫茶のようなメイドになり切った事がある。プレイヤーが初心者であるため、負担の少ないファイターの役が割り振られた。[3]元気で素直な主戦力で、パーティのエースストライカーである。虫が苦手。
- ブランシュ(15歳)
- シャーマンの少女。キーナと仲が良く(2巻で「キーナ命」と表記されたり、月刊ドラゴンマガジンでぺらぺらーずと競演した際はキーナに手を出したクレスポをボコボコにしている)、年頃の少女らしくはしゃぐ姿をよく見せる。小悪魔かつわがままな面を持つという初期設定があったが、内気で人見知りというロールプレイに落ち着きつつある。ナジカ同様体力が無く、不器用である。他の孤児院メンバーもそうだが、孤児という出自故に親に対して思うところがあるようである。メンバーに対する愛情がもっとも強く、仲間のことに関して感情の激発を見せることも。偏食であり、野菜と果物しか食べられず、よくナジカに叱られる。戦闘においてはキーナと並ぶポイントゲッターであり、ディケイとともに参謀的役割もこなす。
- ナジカ・ラッツェル・クフィアン・マリー(?歳)
- 通称ナジカ先生。キーナ以下4人の子供の教師であるエルフのソーサラー[4]の女性。自らは保護者のつもりでいるが、天然ボケのおっとりした要素が多く体力も無いため、むしろ子供達に保護されている面が多々見られる。既に成人しているキーナ達を「可愛い子供達」と思っていたが2巻でのキーナ達の行動を見て考えを多少改めて男女で別の部屋にする等の行動を取っている。また、頼まれてもないのに無償で依頼を引き受けようとしたり、困っている人から報酬を貰う訳には行かないと拒んだりするなど、極めて善良な反面、世渡りは壊滅的にダメダメである。その一方で「魔性の女」呼ばわりされたりもしている。見た目に反して大食いで、村では大メシ食いのナジカというあだ名があった。本名はもっと長いらしい。戦闘においてはハイ・エンシェントを渋く使いこなす。その上、冒険の途中でニードルワーカー(針子)の技能を取得する珍しいロールプレイを行ったり、毎話ごとの講座の講師でもあるため、プレイヤーは上級者であろう。なぜか会話では京都弁を使う。
- アイル・フォードラ(15歳)
- チャ・ザの神官戦士を勤める少年。バード技能も持っており、さらにコック技能も持つ多彩なキャラクター。孤児院時代は自分より年少の子供の面倒を良くみる兄的存在であったが、パーティにおいてはむしろディケイの弟的存在として行動している。年頃の男の子らしく、綺麗系のお姉さんに弱い。やたらと(プレイヤーの)直感が当たり、「予知能力」とまで言われる。チャ・ザに愛されているらしい。戦闘においては盾役、後方支援、呪歌によるトリッキーな戦術の組み立てなど器用にこなす。
- ディケイ(17歳)
- 15歳トリオの兄貴分存在であるシーフの少年(しかしフォーセリアの世界観では立派な成人)。年長者として早く社会に出ていたものの、精神的に打たれ弱くやさぐれたという初期設定があったが、ロールプレイに反映されているとは言い難い(純粋に戦闘シーンや交渉シーンで精神力の低さがネックになる場面がある程度)。過去のリプレイのぐれたキャラクターのイメージとはかなり遠く、盗賊であるためパーティの汚れ役を一手に引き受ける立場ではあるが、それを感じさせない面倒見の良い人物である。[5]トラブルを生みかねない他のメンバー(特にナジカ)にブレーキをかける存在で、彼がいないとキーナ達は売り飛ばされてしまうとまで言われる。戦闘に戦闘以外に、あらゆる場面で大車輪の活躍を見せる。他のメンバーに比べると多少お金に五月蝿く(ただし、ナジカが何かと無報酬にしようとするためだが…)、ナジカを何かと言いくるめているためGMには「詐欺師」呼ばわりされている。洞察力が高く、2巻ではオークションの開催目的を容易く見抜いて見せた。しかしその割には盗賊なら知っていそうな事を知っていなかったりする。プレイヤーの嗜好でロック好き。戦闘においてはシーフとしての素早さを活かしたおとり役と作戦を組み立てる参謀長を兼任する。
[編集] その他
ゲームマスターの篠谷志乃は略号が「W」となる作品に関ることが多く、富士見書房の関連サイトで同リプレイを紹介した際、「W」と自身との縁深さをしみじみと感慨していた。
ソード・ワールドRPGリプレイ第1部と同様、タイトル、内容に音楽用語が入っているが、これは偶然の一致ではなく意図して行われたオマージュである。
[編集] 関連項目
[編集] 註
- ^ ただし、リプレイ2巻現在のところ、行動範囲が重なるのはソード・ワールドRPGリプレイ第1部のスチャラカ冒険隊の方。
- ^ SEコンバットはぺらぺらーずシリーズの中期に開発されているが、ぺらぺらーずの得意とする先読み、先制戦術を全て封じ込めるため、防御力、生命力に劣るぺらぺらでは導入が即パーティー全滅につながりかねず、同シリーズでは採用を見送られた。このため「ぺらぺら殺し」との通称があり、開発者の清松みゆきもイベントにいて「お前らの利点、なし、お前ら、死ね」と冗談めかして要約している。後日キャンペーン途中からの導入は勧められないという趣旨の説明も行われた。
- ^ 他職業に比べ、呪文に詳しくある必要がなく、また技能が複雑でない。
- ^ エルフは初歩レベルのシャーマン技能を自動的に持つため、ナジカは古代語魔法のみならず精霊魔法も使える。
- ^ 出自が「悪党」である彼においてすら祭りに出ると土産を買ってくる、食事の前にはちゃんと挨拶をする、先生と一緒に倒したモンスターにわびておく、父親のために奔走する子供に「偉い」と声をかける、「真っ正直に生きてる人が損をするのは見過ごせない」と発言する、自信を消失している依頼人に気を使うなど明らかに善良の類に値する。事実、1巻裏表紙の解説でもキーナ達の事を表した言葉として「五人の善人」と書かれており、ディケイが善人であるのは編集サイドも認めている。
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カテゴリ: ソード・ワールドRPG | リプレイ