日本漢字能力検定
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日本漢字能力検定(にほんかんじのうりょくけんてい)は、財団法人日本漢字能力検定協会が実施する漢字の技能検定。一般に、漢字検定または漢検と呼ばれる。1975年(昭和50年)開始。1992年(平成4年)から文部省(現・文部科学省)の認定の資格となったこと、漢字検定を単位認定や入学優遇に使用する高校・短大・大学が増えてきたことにより、最近では広く知られるようになってきた。また、漢字検定を重要視している企業もある。最近は日本に渡ってきた外国人が、日本語や漢字を学ぶために児童漢検から受けるケースも増えている。2003年(平成15年)度には、約220万人が受検した。
級が上がるほど使用頻度の少ない漢字が出題されるため、準1級や1級のレベルでは、漢字検定(及び雑学)以外での使用例が非常に少ない漢字も出題される。
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[編集] 試験の概要
以下は2006年現在のもの
[編集] 受検級
以下のレベル・括弧内の字数は、日本漢字能力検定協会が公表している各級の目安である。
- 1級 - 大学生・社会人レベル(JIS第1・第2水準を目安とする約6000字)
- 準1級 - 大学生・社会人レベル(JIS第1水準を目安とする約3000字)
- 2級 - 高校卒業レベル(常用漢字、人名用漢字2229字)
- 準2級 - 高校在学レベル(常用漢字1945字)
- 3級 - 中学卒業レベル(常用漢字1608字)
- 4級 - 中学在学レベル(常用漢字1322字)
- 5級 - 小学6年生レベル(常用漢字1006字)
- 6級 - 小学5年生レベル(学習漢字825字)
- 7級 - 小学4年生レベル(学習漢字640字)
- 8級 - 小学3年生レベル(学習漢字440字)
- 9級 - 小学2年生レベル(学習漢字240字)
- 10級 - 小学1年生レベル(学習漢字80字、ひらがな・カタカナを含む)
- 1級・準1級受験志願者は、公開会場用願書が必要である。
なお、以前の児童漢検(初9級・初10級)相当分が現在は、漢字検定9級・10級に編入されている。実際は1級の場合、少しながらもJIS第3・第4水準も含んでおり、第2水準の一部は含んでいない。2級の出題範囲の人名用漢字については、2004年(平成16年)9月27日より693字増えたが、それ以前からの人名用漢字。
[編集] 実施の概要
- 個人受検の場合、年3回(6月、10月、2月、いずれも日曜日)ある、公開会場受検を利用すると良い。公開会場(準公開会場を含む)は、日本全国の主要都市・約124ヶ所と海外約13ヶ所に設置される。
- 団体受検の場合、準会場や団体公開会場を利用する。(中学生の受験の場合、受験者の中学校が準会場として指定されている場合が多い)
- 団体受検の際、受検者数が100人以上になると成績優秀者に団体内賞が授与される。
詳しくは財団法人日本漢字能力検定協会のサイトなどを参照されたい
[編集] 合格基準
- 1級、準1級 - 200点満点・80%以上の正解
- 2級 - 200点満点・80%程度の正解
- 準2級、3級、4級、5級、6級、7級 - 200点満点・70%程度の正解
- 8級、9級、10級 - 150点満点・80%程度の正解
- 2級の場合のみ、合格基準に達していない場合でも合格として扱われる事がある。1級と準1級の場合は、合格基準を1点でも下回っていた場合は不合格となる。
[編集] 漢検CBT
パソコンを使って受検する、漢検CBTというコンピューターテストが実施されている。自己の都合に合わせて受検でき、また結果の通知が早いというメリットがあるものの、コンピューターに不慣れな者には難しく感じるだろう。以下にその概要を解説する。
- 受検可能な級は2級~7級。
- 受検日は月に1回~毎日。受検会場によって異なる。事前予約制で定員がある。
- 解答には、漢字の読みの問題はキーボードを、漢字の書き取り問題はペンタブレットを用いる。
- 出題範囲や内容、難易度、合格基準は通常の漢字検定の同級のものと同等とされる。
- 合格者は、通常の漢字検定と同じ認定が得られる。(漢検CBT2級合格者は、漢検2級合格扱いになる。)
詳細は日本漢字能力検定協会のサイトを参照されたい
[編集] 関連項目
- 日本語文章能力検定
- 硬筆書写技能検定
- 毛筆書写検定
- 日本語教育能力検定
- 日本語能力検定
- 今年の漢字
- 日本漢字能力検定協会準一級指定漢字一覧
- 日本漢字能力検定協会一級指定漢字一覧
- 財団法人日本漢字能力検定協会公認 漢検DS