時をかける少女 (アニメ映画)
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時をかける少女 | |
監督 | 細田守 |
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製作 | 角川書店 マッドハウス |
脚本 | 奥寺佐渡子 |
出演者 | 仲里依紗 石田卓也 板倉光隆 原沙知絵 谷村美月 垣内彩未 関戸優希 |
音楽 | 吉田潔 |
配給 | 角川ヘラルド映画 |
公開 | 2006年7月15日 |
言語 | 日本語 |
IMDb | |
『時をかける少女』(ときをかけるしょうじょ)は、2006年7月15日に角川ヘラルド映画から公開されたアニメ映画。
目次 |
[編集] 概要
筒井康隆の小説『時をかける少女』が原作であるが、原作の映画化ではなく、原作の約20年後を舞台にした続編である。筒井康隆も正当な続編だと評価している。
興行規模はミニシアター並みであり、そのため上映館も当初は東京都内の1館のみでの上映と非常に少なく、『ゲド戦記』などの同時期に公開された他のアニメーション映画に比して宣伝規模が極めて小さいにも関わらず、インターネット上での主要な満足度ランキングでは軒並み高得点を獲得しており、傑作との評価を得ている。
また、インターネットなどによる口コミ効果により公開後1ヶ月を過ぎてからも、テアトル新宿などでは連日立ち見が出るほどの観客で溢れかえっており、配給会社の角川ヘラルド映画は急遽上映館を増やすなど異例の対策をとった。上映用のフィルムの数が十数本しかないため、上映が終わった館で使っていたフィルムを次の上映館へと使いまわす方式で順次公開中。
興行収入は2.6億と発表されている。2007年3月9日からは『跳躍吧! 時空少女』というタイトル名で台湾でも公開された。
[編集] ストーリー
東京の下町にある高校に通う女子高生紺野真琴は、ある日踏切事故にあったのをきっかけに時間を過去に遡ってやり直せるタイムリープ(時間跳躍)能力に目覚めてしまう。
最初は戸惑いつつも、遅刻を回避したり、テスト問題を事前に知って満点を取ったりと奔放に自分の能力を使う真琴。そんなある日、仲の良い2人の男友達との関係に微妙な変化が訪れ……
[編集] 登場人物・キャスト
- 紺野真琴(声優:仲里依紗)
- 東京の下町にある高校に通う2年生。ある日突然、時間を跳躍する「タイムリープ」の能力を身につける。学校の成績は中の下。朝に弱く遅刻をくり返す。男友達の千昭と功介とは、放課後に野球の真似事をして遊ぶ奇妙な間柄。「タイムリープ」の使い方に慣れると、妹に食べられたプリンを先回りして食べ、遅刻した日に時間通り登校し、設問の内容を知っている抜き打ちテストで満点を取るなど、さっそく自分の私利私欲のために能力を駆使するようになるなど、結構お調子者。彼女が「タイムリープ」の能力を発動するためには助走をつけてジャンプする必要があり、跳躍先で勢いがついたまま転がり回る彼女を周囲の人間が訝しがる描写も本作の面白さのひとつである。
- 間宮千昭(声優:石田卓也)
- 真琴のクラスメイトで、遊び友達。美形で女子生徒にファンもいる。数学の成績は極めて優秀だが、簡単な漢字が読めないと言う奇妙な少年。真琴と功介の3人で放課後に野球ごっこをするなどしてつるんでいる。奇妙なバランスで結ばれた3人だったが、千昭は真琴を意識し始めていた。
- 津田功介(声優:板倉光隆)
- 真琴のクラスメイトで、遊び友達。精悍な容貌の秀才。家は病院で、彼も医者を目指している。彼がグループの一員である事は校内でも不思議に思われているようだ。ファンの下級生が彼に告白した事から、3人のバランスが崩れ始めたといえる。
- 早川友梨(声優:垣内彩未)
- 真琴のクラスメイトで、仲のいい女子生徒。千昭が気になるようで、真琴を通じて彼の事を知ろうとする。真琴と千昭が既に付き合っているのではないかと恐れていた。
- 藤谷果穂(声優:谷村美月)
- ボランティア部に所属する、真琴たちの下級生。引っ込み思案な性格でいつも俯いている少女だが、過去のボランティア部のとある活動から功介に好意を抱いている。おせっかい焼きの友人が2人おり、彼女らに引きずられるかたちで功介に告白する。
- 紺野美雪(声優:関戸優希)
- 真琴の妹。中学生。
- 芳山和子(声優:原沙知絵)
- 真琴の叔母で、原作『時をかける少女』のヒロイン。美術館(東京国立博物館)で絵画の修復をする仕事をしている。30代後半だが独身で、浮世離れしたその雰囲気からか、真琴は彼女を「魔女おばさん」と呼んでいる。自分の若い頃に真琴を照らし合わせ、色々と助言めいたことを言う。
[編集] 主題歌
作詞・作曲・歌はシンガーソングライターの奥華子。
- 主題歌
- 「ガーネット」作詞・作曲:奥華子
- 挿入歌
- 「変わらないもの」作詞・作曲:奥華子 編曲・佐藤準
[編集] スタッフ
- 製作総指揮:角川歴彦
- 製作:井上伸一郎(角川書店)、江川信也(角川ヘラルド映画)、川島晴男(ハピネット)、川崎代治(メモリーテック)、森本義久(キュー・テック)、榊俊人(G.T.エンターテインメント)
- 制作:丸田順悟(マッドハウス)
- 企画:丸山正雄(マッドハウス)
- 製作統括:安田猛(角川書店)
- プロデューサー:渡邊隆史(角川書店)、齋藤優一郎(マッドハウス)
- 脚本:奥寺佐渡子
- キャラクターデザイン:貞本義行
- 作画監督:青山浩行、久保田誓、石浜真史
- 作画監督補佐:藤田しげる、名倉靖博
- 美術監督:山本二三
- 色彩設計:鎌田千賀子(DR TOKYO)
- 撮影監督:冨田佳宏(旭プロダクション)
- CG:ハヤシヒロミ(Spooky graphic)
- CGIプロデューサー:奈良井昌幸(DR TOKYO)
- 編集:西山茂(リアル・ティ)
- 音響効果:倉橋静男(サウンドボックス)
- 録音:小原吉男
- 音楽:吉田潔
- ピアノ演奏:美野春樹
- アニメーション制作:マッドハウス
- 配給:角川ヘラルド映画
- 監督:細田守
[編集] 受賞
- 第39回シッチェス・カタロニア国際映画祭アニメーション部門(Gertie Award)最優秀長編作品賞
- 第11回アニメーション神戸賞 作品賞・劇場部門
- 第31回報知映画賞特別賞
- 第49回朝日ベストテン映画祭(朝日新聞社・朝日放送主催)日本映画 第3位
- 第28回ヨコハマ映画祭ベストテン 日本映画 第10位
- 第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞
- 第30回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞
- 第1回Invitation AWARDS アニメーション賞
- 第61回毎日映画コンクールアニメーション映画賞
- デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー06/第12回AMDAward 「大賞(総務大臣賞)」「BestDirector」
- 第21回デジタルコンテンツグランプリ優秀賞
- 第6回東京アニメアワード 『アニメーション・オブ・ザ・イヤー』 監督賞 原作賞 脚本賞 美術賞 キャラクターデザイン賞
国際映画祭の出品に関連し、時をかける少女 公式ブログにて英語字幕の一部が閲覧出来る。
[編集] 漫画
- 時をかける少女 -TOKIKAKE-(2006年7月発行、ISBN 4047138401)
- 月刊少年エースにて琴音らんまるによるコミック版『時をかける少女 -TOKIKAKE-』。本作を忠実に再現しており、本編では語られていない芳山和子の過去にも触れている。
[編集] DVD
[編集] 外部リンク
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