朝6生ワイド
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朝6生ワイド(あさろくなま-)は、日本テレビ系列の札幌テレビ放送(STV)が制作、北海道でのみ放送している早朝の情報番組である。
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[編集] 番組内容
朝一番の北海道内のニュース、天気予報、スポーツニュース、交通情報のほか、朝刊紙面の紹介や生活情報を放送。また、道内各地に設置された無人コントロールカメラ(お天気カメラ)・通称「パノラマカメラ」が映し出す、道内の朝の表情を随所に織り交ぜながら放送。放送時間は、午前4時53分~6時30分(6:00~6:08は『NNNニュースSUPER』が挟まれる)。ただし、『ズームイン!!SUPER』を差し替えて、ローカル放送をする。
[編集] 番組概要
[編集] 発足
番組の前身にあたる『淳子の目覚時計』(1989年10月~1990年3月放送)を引き継ぎ、時間を拡大して午前6時から7時からの1時間番組『朝6生ワイド~淳子と慎也の目覚時計』として、1990年4月にスタートした。
半年後に『朝6生ワイド~北海道あさ一番~』というタイトルになり、この頃から番組が視聴者に浸透しはじめる。1991年には、早朝6時台の番組では、全国の民放局として初めてNHKの視聴率を抜くという快挙を成し遂げ、STVのローカル情報番組の制作能力上昇に貢献、この番組の成功を軸に、1991年10月7日に夕方のテレビ情報番組『どさんこワイド』が放送開始。全国のローカルワイド番組、キー局製作の朝の情報番組にも影響を与えた。
[編集] フライングスタート
この番組の成功を受けて、1990年秋には北海道放送(HBC)が「ニュース朝一番」(後に「ニュースコール北海道)を、この番組より5分早い放送開始時間でスタートさせたことから、「朝6生ワイド」も開始時刻を午前5時55分開始とし、以降半年毎に開始時間が5分ずつ繰り上がっていった。現在、テレビ番組が正時より早く放送を開始する「フライングスタート」を本格化させたのはこの番組であり、後に「どさんこワイド」とHBCの夕方ワイド番組でも、放送開始時刻の繰り上げ合戦が繰り広げられた。
[編集] 繰り上がる放送開始時刻と「ズームイン!!」との兼ね合い
1990年代後半には放送開始時刻が、午前5時台後半から午前5時台前半へと繰り上がり、2005年現在では午前4時53分から午前6時30分までの放送となっており、現在では「朝6…」という番組タイトルに反して、6時台の放送時間は5時台と比べ短くなっているが、番組のタイトルが定着していることや視聴率ではトップの座を座り続けているからか、道内の市町村合併によりタイトル末尾の数字を減らし続ける「どさんこワイド」とは対照的に、今後も番組タイトルを変更する方針は全くない模様である。
2001年の秋より、日本テレビ系列全国ネットの『ズームイン!!SUPER』が開始されたことに伴い、番組終了時間が6時30分までと大幅に短縮されているが、6時45分すぎから一部コーナーを差し替え、道内のニュース、天気情報、交通情報、占いなどを『朝6生ワイド』のキャスターが伝えるローカル枠を放送しているため、事実上は7時近くまで同番組のスタイルが続き、『朝6生ワイド』の実際の放送終了時刻が曖昧になっている。
『ズームイン!!SUPER』が開始され、番組終了時間が6時30分までと大幅に短縮された初期の頃は、6時40分頃からローカル差し替え放送の『朝6生ワイド』のキャスターが伝えるローカル枠への切り替えがスムーズに出来ていなかったことが度々あった。視聴者から、全国ネットのニュースやコーナーが放送されている最中であるにもかかわらず、突然ローカル枠へ切り替わることに不快感を示す声が、メインキャスターの和久井薫アナウンサーが司会を務める視聴者番組『ハイ!STVです』で、視聴者からの意見として紹介されていたこともあり、その後、ローカル枠への切り替えは幾度の改善が行われている。
しかしながら、日本テレビ系列全国ネットの『ズームイン!!SUPER』が番組冒頭の5時20分から放送されている地域と、STV、CTV(中京テレビ)、FBS(福岡放送)など、地域密着路線を掲げて好評を得ているローカル番組を放送して6時30分から飛び乗りする地域が混在していることから、日本テレビ系列全国ネットの『ズームイン!!SUPER』とローカル番組との兼ね合いと融合が今後の課題でもある。
[編集] パノラマカメラ
番組を彩るのは、道内各所に設置されたパノラマカメラ。1990年の番組開始時は、札幌と、この番組の開始に合わせて設置された函館、旭川、釧路の4か所だったが、現在はその数を増やし(設置場所は札幌テレビ放送の記事を参照)、四季折々の映像を送り届けている。
また、2006年6月の札幌地区の地上デジタル放送開始に伴い、ハイビジョンサイズで高画質の「スーパーパノカメ」が登場した。移設も可能で毎朝、札幌近郊から美しい映像を届けている。なお、これらのカメラ映像の一部は、STVのウェブページのライブカメラ(外部リンク)でも見ることができる。
各地にパノラマカメラが設置されていることや、後の時間に「ズームイン!!SUPER」があること、また番組が高い視聴率を獲得していることもあって、ここ数年は早朝の時間帯にも事件・事故の現場から生中継をする回数が増えている。
特に災害時などではその効力を遺憾なく発揮し、2003年9月26日4時50分に発生した平成15年十勝沖地震では、地震発生時刻が番組の放送開始直前ということもあって、番組開始とともに十勝沖地震の情報を放送し、震源地に近い釧路のパノラマカメラが津波に備え沖へ逃げる漁船の集団を映し出し、震源地に近い地域のパノラマカメラをフル活用し、視聴者や自宅に居た報道スタッフから送られた、被害状況や停電の状況を伝えるFAXやメールが情報として伝えることで、地震で不安に陥った視聴者を安心させた。
また人員体制も揃っていたため、6時30分から飛び乗りでネット放送している「ズームイン!!SUPER」以降の日本テレビ系全国ネットの番組を一切放送せず、引き続き道内向けにローカルの独自編成を実施して十勝沖地震関連の災害報道を引続き放送し、民放でもこれまでに前例の無い番組編成であったが、その結果、災害報道では視聴者から絶大の信頼を得ているNHKを上回る高視聴率を獲得することとなった。この時、番組の視聴率は40パーセントを超え、NHKより支持をうけた(占有率は74パーセントと驚異的な数字を記録)。なお、この時日本テレビへの全国向け放送は、STVニュースセンターから裏送りで情報を伝え、映像は当番組の一部を流していた。
尚、この時には、一部時間帯でNNN全国ネットで放送された。
[編集] 出演者
[編集] 2006年9月29日までのキャスター
- 和久井薫(メイン司会、毎日)
- 熊谷明美(サブ司会、月曜日・火曜日)
- 鈴木亜紀(サブ司会、水曜日・木曜日・金曜日)
- 藤本晶子(サブ司会、月曜日・火曜日)
- 岡崎和久(サブ司会、水曜日・木曜日・金曜日)
- 宮田愛子(コーナー司会、毎日)
[編集] 2006年10月2日からのキャスター
[編集] 気象予報士
- 石掛隆人(日本気象協会職員)
[編集] 過去のキャスター
- 山上淳子(1990年4月~9月/前番組「淳子の目覚時計」から引き続き担当)
- 森中慎也(1990年4月~1991年10月)
- 宮永真幸(1990年10月~1996年3月)
- 坂本咲子(1990年10月~1995年3月)
- 谷口祐子(1990年10月~1991年10月)
- 高山幸代(1991年10月~1995年3月、1996年4月~2004年3月)
- 佐々木律(1994年4月~1996年3月)
- 西野嘉代子(1994年10月~1996年3月)
- 相本幸子(2003年9月~2005年3月)
- 藤井孝太郎(2005年10月~2006年3月)
[編集] 過去のコメンテーター
- 中西章一(エッセイスト・故人/1990年4月~1991年9月担当)
- 大澤宏一(元STVアナウンサー/中西の後を受けて、1991年10月から1992年9月まで担当)
[編集] 過去の気象予報士
- 猪股竜彦(日本気象協会職員)
- 北原宏之(日本気象協会職員)
[編集] 番組テーマ曲
- 初代テーマ曲「On wings of songs」(中川昌三/アルバム「SUMMER SKETCH」収録)
- 2代目オープニングテーマ曲「緑野原座フライト・プラネット(インストルメンタル)」(作曲:国本佳宏)
- 初代天気コーナーBGM「Summer Song」(Earl Klugh)
- 初代新聞紹介コーナーBGM「Dance With Me」(Earl Klugh)
- 二代目エンディングテーマ曲「ASAYAKEの中で」(Key Of Life)
[編集] 外部リンク
- 朝6生ワイド(札幌テレビ放送 番組サイト)
- 「Cafe LIW」(初代コメンテーター・中西章一オフィシャルサイト)