森博嗣
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森博嗣(もり ひろし、1957年12月7日 - )は日本の小説家、推理作家、研究者。愛知県生まれ。東海中学校・高等学校、名古屋大学工学部卒業。同大学院修士課程修了後、三重大学助手を経て名古屋大学助教授。2005年3月に名古屋大学を退職。工学博士。
妻は、イラストレーターのささきすばる。
目次 |
[編集] 人物
推理小説を中心として執筆している。以前は名古屋大学大学院環境学研究科都市環境学専攻(旧工学研究科建築学専攻)の専任助教授として研究を続ける傍ら、小説家として活動していた。なお、著作の中での著者プロフィールでは「国立N大助教授」としていた。同大学に、『S&Mシリーズ』に登場する犀川の研究室の助手・国枝桃子のモデルとなった人物も在籍している。小説家として文学部の教壇に招かれたことがある。
森が「ミステリー」とは表記・呼称せず「ミステリィ」としているのは、工学系で語末の長音を省略するのが慣用(英単語の語尾がor、erの場合はカタカナでの語尾は省略、語尾がyの場合は長音符号「ー」をとり、「ィ」とする、など。詳しくは「日本語の誤用」参照。)となっているため。
1996年、『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞。なお森博嗣を衝撃的にデビューさせるためにメフィスト賞が設立され、『すべてがFになる』が「第一回受賞作」になった、と言われている。この時点で『冷たい密室と博士たち』『笑わない数学者』『詩的私的ジャック』『すべてがFになる』の4作を書き上げており、最初に投稿したのは『冷たい密室と博士たち』であったが、編集部の戦略により最もインパクトの強い『すべてがFになる』が第1作として刊行された。それに合わせて、続く3作についても登場人物の年齢やコンピュータ技術等が書き直されることとなった。
大学や研究所等が舞台となることが多く、本作が刊行されると作風も相まって理系ミステリと評され、話題を呼んだ。近年は、恋愛、絵本、詩集といった分野に進出している。
大学時代に同人サークル「グループドガ」を堀田清成(漫画『ヒカルの碁』の原作者ほったゆみの夫)と主宰し、同人誌即売会「コミックカーニバル」を主催する。グループドガ解体後「出版JETPLOPOST」を主宰。同人漫画家としては「森むく」というペンネームを使っていた。 極めてセンシティブなタッチのコミックとコミカルなタッチのコミックを描き分け、創作ジャンルの同人界でも有名であった。JETPLOPOSTの同人には、のちに商業誌で活躍する山田章博などが在籍していた。
自宅に5インチゲージの「欠伸軽便鉄道、弁天ヶ丘線」を開業し、5インチのミニ列車を走らせている。 この庭園鉄道の駅長を長く務めていた愛犬のシェットランド・シープドッグ、森都馬は2005年3月24日に永眠した。
自ら「作家・森博嗣が創作者として崇拝する唯一の存在」と認めるほどの大の萩尾望都ファンで、愛犬の森都馬(もり とーま)の名前は萩尾の作品『トーマの心臓』に由来(「都」は彼女の名前から一字拝借したもの)していた。この森都馬は『S&Mシリーズ』に登場する西之園萌絵の愛犬で西之園都馬というシェットランド・シープドッグのモデルでもあった。なお現在の森の愛犬は同じくシェットランド・シープドッグのパスカル。
数年後に小説を書くことをやめると自身のブログで発言した。
[編集] 作品リスト
[編集] S&M(犀川創平&西之園萌絵)シリーズ
- 『すべてがFになる The Perfect Insider』
- 『冷たい密室と博士たち Doctors in Isolated Room』
- 『笑わない数学者 Mathematical Goodbye』
- 『詩的私的ジャック Jack the Poetical Private』
- 『封印再度 Who Inside』
- 『幻惑の死と使途 Illusion Acts Like Magic』
- 『夏のレプリカ Replaceable Summer』
- 『今はもうない Switch Back』
- 『数奇にして模型 Numerical Models』
- 『有限と微小のパン The Perfect Outsider』
[編集] V(瀬在丸紅子)シリーズ
- 『黒猫の三角 Delta in the Darkness』
- 『人形式モナリザ Shape of Things Human』
- 『月は幽咽のデバイス The Sound Walks When the Moon Talks』
- 『夢・出逢い・魔性 You May Die in My Show』
- 『魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge』
- 『恋恋蓮歩の演習 A Sea of Deceits』
- 『六人の超音波科学者 Six Supersonic Scientists』
- 『捩れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest』-講談社ノベルス創刊20周年「密室本」の一冊でもある。
- 『朽ちる散る落ちる Rot off and Drop away』
- 『赤緑黒白 Red Green Black and White』
[編集] 「四季」シリーズ
- 『四季 春 The Four Seasons Green Spring』
- 『四季 夏 The Four Seasons Red Summer』
- 『四季 秋 The Four Seasons White Autumn』
- 『四季 冬 The Four Seasons Black Winter』
- 『四季 The Four Seasons』(『春』『夏』『秋』『冬』の合本)
[編集] Gシリーズ
*タイトルにギリシャ文字が入っているため、「Greek」の「G」だと思われる。カタカナ表記ではφ(ファイ)、θ(シータ)、τ(タウ)、ε(イプシロン)、λ(ラムダ)、η(イータ)。
- 『φは壊れたね Path connected φ broke』
- 『θは遊んでくれたよ Another playmate θ』
- 『τになるまで待って Please stay until τ』
- 『εに誓って Swearing on solemn ε』
- 『λに歯がない λ has no teeth』
- 『ηなのに夢のよう Dreamily in spite of η』
[編集] 他シリーズ系
※以下、シリーズ名は不確定、正式なものではないが宣伝用などに使用されている
女王シリーズ
- 『女王の百年密室 God Save the Queen』
- 『迷宮百年の睡魔 Labyrinth in Arm of Morpheus』
スカイ・クロラシリーズ
- 『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』
- 『ナ・バ・テア None But Air』
- 『ダウン・ツ・ヘヴン Down to Heaven』
- 『フラッタ・リンツ・ライフ Flutter into Life』
Mシリーズ
- 『工学部・水柿助教授の日常 The Ordinary of Dr.Mizukaki』
- 『工学部・水柿助教授の逡巡 The Hesitation of Dr.Mizukaki』
[編集] 短編集
- 『まどろみ消去 Missing under the Mistletoe』
- 『地球儀のスライス A Slice of Terrestrial Globe』
- 『今夜はパラシュート博物館へ The Last Dive to Parachute Museum』
- 『虚空の逆マトリクス Inverse of Void Matrix』
- 『レタス・フライ Lettuce Fry』
[編集] シリーズ外の単発小説
- 『そして二人だけになった Until Death Do Us Part』
- 『墜ちていく僕たち Falling Ropewalkers』
- 『奥様はネットワーカ Wife at Network』
- 『ZOKU』
- 『探偵伯爵と僕 His name is Earl』
- 『カクレカラクリ An Automaton in Long Sleep』
- 『少し変わった子あります Eccentric persons are in stock』
- 『どきどきフェノメノン A phenomenon among students』
[編集] エッセイ他
- 『森博嗣のミステリィ工作室 Mori's Mystery Workshop』
- 『森博嗣の浮遊研究室 MORI Hiroshi's Floating Laboratory』
- 『森博嗣の浮遊研究室2 未来編』
- 『森博嗣の浮遊研究室3 宇宙編』
- 『森博嗣の浮遊研究室4 鳳凰編』
- 『森博嗣の浮遊研究室5 望郷編』
- 『すべてがEになる I say Essay Everyday』
- 『毎日は笑わない工学博士たち I say Essay Everyday』
- 『封印サイトは詩的私的手記 I say Essay Everyday』
- 『ウェブ日記レプリカの使途 I say Essay Everyday』
- 『数奇にして有限の良い終末を I say Essay Everyday』
- 『100人の森博嗣 100 MORI Hiroshies』
- 『アンチ・ハウス ANTI HOUSE』(阿竹克人と共著)
- 『ミニチュア庭園鉄道 欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の昼下がり』
- 『ミニチュア庭園鉄道2 欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の大躍進』
- 『ミニチュア庭園鉄道3 欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の野望』
- 『臨機応答・変問自在 森助教授VS理系大学生』
- 『臨機応答・変問自在2』
- 『別冊宝島「森博嗣本」』-西尾維新との対談が収録されている。
- 『工作少年の日々』
- 『人間は考えるFになる』(土屋賢二と共著)
- 『大学の話をしましょうか—最高学府のデバイスとポテンシャル』
- 『森博嗣の TOOL BOX』
- 『MORI LOG ACADEMY 1 モリログ・アカデミィ 1』
- 『MORI LOG ACADEMY 2 モリログ・アカデミィ 2 1年のケーキ元旦に飽き』
- 『MORI LOG ACADEMY 3 モリログ・アカデミィ 3 日のないところに書け無理絶えず』
- 『MORI LOG ACADEMY 4 モリログ・アカデミィ 4 投げたらあかん!』
- 『悠悠おもちゃライフ』
- 『的を射る言葉 Gathering the Pointed wits』
[編集] 写真集、絵本、詩集
- 『アイソパラメトリック Isoparametric』
- 『君の夢 僕の思考 You Will Dream While I Think』
- 『議論の余地しかない A Space under Discussion』
- 『悪戯王子と猫の物語 Fables of Captain Trouble and Cat』(妻・ささきすばるとの共著)
- 『猫の建築家 A Cat of Architect』(絵・佐久間真人)
- 『詩集 MATEKI -魔的 Magical Words behind me』
- 『STAR EGG 星の玉子さま』
- 『STAR SALAD 星の玉子さま2』
- 『蜥蜴 Salamander』 (妻・ささきすばるとの共著)
- 『蛟竜 Dragon』 (妻・ささきすばるとの共著)
[編集] ビデオゲーム
[編集] コミック
- 『すべてがFになる』(作画・浅田寅ヲ/ソニーマガジンズ→幻冬舎コミックスBIRZ COMICS SPECIAL/2001年発売)
- 『冷たい密室と博士たち』(作画・浅田寅ヲ/幻冬舎コミックスBIRZ COMICS SPECIAL/2003年発売)
- 『女王の百年密室』(作画・スズキユカ/幻冬舎コミックスBIRZ COMICS SPECIAL/2001年発売)
- 『迷宮百年の睡魔』(作画・スズキユカ/幻冬舎コミックスBIRZ COMICS SPECIAL/2005年発売)
- 『黒猫の三角』(作画・皇なつき/角川書店あすかコミックスDX/2002年発売)
[編集] ラジオドラマ
- 『女王の百年密室』(出演:高山みなみ他/NHK-FM 青春アドベンチャー/2003年放送・2005年再放送)
- 『迷宮百年の睡魔』(出演:高山みなみ他/NHK-FM 青春アドベンチャー/2005年放送)
[編集] TVドラマ
[編集] 学術著書
- 『建築系のためのBASICプログラミング』
- 『C言語によるマトリックス演算』 C言語による構造解析シリーズ
- 『C言語による有限要素法入門』 C言語による構造解析シリーズ
- 『建築材料 ―その選択から施工まで―』
[編集] 発刊予定
- 『イナイ×イナイ』(新シリーズ)
- 『クレィドゥ・ザ・スカイ』(スカイ・クロラシリーズ)
なお、『発音がうまくならないと英会話は上達しない』という書名の本があるが、これは同姓同名の別人の著書。