欠食児童
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欠食児童(けっしょくじどう)とは、家庭の経済的困窮により、十分に食事を与えられていない子どものことである。日本では、特に学校へ弁当を持参できない子どもを指して使われることが多い。
[編集] 日本での欠食児童
松方財政によるデフレで米価が低迷すると、定額金納の地租が農家に大きな負担となり、多くの農家が窮乏化し、土地を手放して小作人化する者も増えた。松方財政以降、農村は慢性的な貧困状態に陥り、子どもの食事を十分に用意できない農家が多く存在することとなった。農村の貧困は、地主に土地を集積させ、彼らの資本は株式などの投資に向けられた。更に、農村は綿織物業等に従事した女性労働力に代表されるように、低賃金労働力を創出し、日本の資本主義の発達を大いに促した。日本の資本主義がこのようにして発展していったため、農村の貧困状態は改善されることがなかった。そして、1930年に発生した昭和恐慌により、農村は大打撃を受け、東北地方を中心に各地で欠食児童が深刻な社会問題となった。 戦後、GHQは、日本の軍国主義の温床となった寄生地主制を改革するために農地改革を断行し、自作農が多く誕生した。しかし、一人あたりの耕地面積は狭く、農家は零細的経営を余儀なくされ、農村の貧困状態を根本的に改善することはできなかった。そのため、戦後も農家を中心に、欠食児童は多く存在し続けた。しかし、給食制度が一般化し、高度経済成長を経て日本が名実共に先進国の仲間入りをすると、農家の経済状態も向上し、今日では欠食児童という言葉は死後になりつつある。しかし、少数ではあるが、現在も存在するのは事実である。
[編集] 海外
海外では、アフリカを中心に多くの開発途上国で食糧不足の問題が深刻化しており、日本でいう欠食児童も多く存在している。特に、ソマリア・スーダン・エチオピアなどの後発開発途上国の食糧不足は深刻である。これらの国々ではほぼ例外なく人口が急増しており、将来の見通しも明るくない。世界から「欠食児童」がいなくなる日はまだ当分訪れそうにないのが現状である。