死霊の盆踊り
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『死霊の盆踊り』(しりょうのぼんおどり、原題:Orgy of the Dead)は、1965年に製作されたアメリカ映画。監督A・C・スティーブン、脚本エド・ウッド。上映時間91分。
見た人からは史上最低のハリウッド映画とかZ級ホラーなどと言われるほど大不評を買っている映画であるが、その異常なまでのつまらなさが一部で人気となり、伝説的なカルト映画として有名になっている。そのおかげもあってかDVD版も発売されている。
日本では1986年に公開。邦題を名づけたのは江戸木純。配給会社はギャガ・コミュニケーションズ。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] ストーリー
真夜中、売れない小説家のボブは、恋人のシャーリーとともに小説のネタ探しをするために墓場へ向かっていた。途中でシャーリーは引き返すよう強く迫り、ボブは仕方なくUターンして戻ることにした。だが、車はUターンに失敗し、2人は車ごと崖に転落してしまう。その頃、墓場では夜の帝王と闇の女王が死霊たちの宴を開いていた・・・。
[編集] キャスト
- ボブ:ウィリアム・ベイツ
- シャーリー:パット・バリンジャー
- 夜の帝王:クリスウェル
- 闇の女王:ファウン・シルヴァー
[編集] 内容
この映画は死霊の女性が裸で踊るシーンがほとんどを占めている。さらに、真夜中のシーンなのに突然昼になる、夜の帝王が明らかにカンニングペーパーを読んでいるなど、この映画にはいい加減な部分が多い。また、日本語字幕が間違っていたり(「闇の女王」を「夜の女王」と出す)するなど、日本のスタッフのいい加減さが伝わってくるところまである。このように映画としてはあまりにもひどい出来であるため、見た人から大不評を買っているのである。
[編集] 映画に関するエピソード
- 夜の帝王役のクリスウェルは、撮影の時全くセリフを覚えないで現場に来た。そのため、カンニングペーパーを見ながらセリフを言うことになった。
- 日本での公開時、監督のA・C・スティーブンが来日した。監督は映画祭上映を決定事項だと信じ込んで来日したが、実際は土壇場で不合格になってしまった。江戸木らは監督に不合格になったことを伝えないよう接待し、監督は映画祭正式参加作品になったと信じたまま帰国した。
- 監督は帰国後、すぐに「死霊の盆踊りパート2」のシナリオを江戸木に送った。内容は音楽がロックになっている以外ほとんど同じだったという。
- 日本での劇場公開時、宣伝スタッフが死霊に仮装して本物の盆踊りを催した。
[編集] 参考資料
「地獄のシネバトル」 江戸木純 洋泉社刊