カルト映画
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カルト映画またはカルトフィルムとは、熱狂的ファンによる小グループによって支持される映画、または、そのような支持者によって長年に渡って支持され続ける映画のことである。すなわち、ある種のジャンル・テーマ・モチーフ・演出方法等による分類方法ではなく、その作品が“特定の観客にどのように受け入れられているか”、という現象面によって分類されるべき映画である。当然、厳密な分類は期待できず、また、定義自体が変わらなくても時代や社会によって、その外延は変化する。
ある映画がカルト映画として成立していく条件は、特定の観客がその映画をどう受け止めるか、その映画に対しどのような関係を築いていくかに依っている（商業的な成績は関係ないが、一般に「狭く深い熱烈なファンをもつ作品」であることから、あまり成功してはいないことが多い）。
例えば、『ロッキー・ホラー・ショー』(The Rocky Horror Show、1975年、英) は、公開当時は商業的大失敗に終わったが、翌年のニューヨークでの深夜上映会を皮切りに、パーティのような気分で劇場に通い詰める観客が急増していき、ある種の社会現象となっていった。この映画を「最初のカルト映画」として推す声は現在でも多い。
以下のリストには、『スターウォーズ』のように今ではカルトというよりメインストリーム映画の扱いを受けているものもある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] カルト映画に見られる特徴
一般にカルト映画と呼ばれるものにはいくつかの特徴があり、それ故に興行的に大ヒットを収めるケースは少ない。しかしながらその特徴故に一部のマイノリティからは熱狂的な支持を受ける作品である。また内容的に世間との軋轢を生み、社会通念上好ましくないとされる作品も少なくなく、場合によっては上映禁止やフィルムの没収、廃棄などもおこなわれるケースがあり、それが更に作品のカルト度を高める結果に繋がる場合がある。
- 難解なシナリオ
- 生理的嫌悪感を催すようなテーマ、演出（暴力、エログロ、異常なSexプレイ、ある種のフェティッシュなど）
- 社会通念的にマイノリティであるテーマ、登場人物の設定（畸形、同性愛者、性格異常者、特定の主義主張を叫ぶ者など）
- 差別用語の多用
- サブカルチャーとの接点
- 演出、シナリオなどでの薬物との関連性。
- 監督を含む制作関係者、あるいは役者による奇行（エピソードとして作品のカルト性を補完する場合がある）
[編集] カルト映画一覧
以下に、カルト映画と呼ばれる作品を公開年順に列挙する。（）内は特筆ない限り監督。
- リストに加筆する方はなるべく「その映画のカルト性」も書いてください。リストを伸ばす前に必ず合意事項に目を通すこと。
[編集] 1930年代
- フリークス（トッド・ブラウニング）
- 全米からサーカス等で活躍する畸形の人物を集めて撮影された。あまりにもショッキングな内容に、上映中に映画館から逃げ出す人間が続出、果てはショックで流産したとして訴訟を起こす人間まで現れたため会社側が作品を封印したという、いわくだらけの映画。監督のブラウニングはこの作品以降、業界を追放されている。30年間上映禁止となっていたが、現在ではむしろカルト映画の傑作と評価されている。
[編集] 1950年代
- 遊星よりの物体X（クリスティアン・ナイビイ）
- 狩人の夜（チャールズ・ロートン、主演：ロバート・ミッチャム）
- 禁断の惑星（フレッド・マクラウド・ウィルコックス、主演：レスリー・ニールセン）
- SF映画。人間の深層心理を重要な要素とした物語で、B級エンターティンメントが主流だったSF映画としては異質なものだった。現在では先鋭的な作品として評価が高い。
- ストーリーはオリジナルであるが、様々な落語をモチーフにして作られた時代劇である。当時のスターたちを脇役にしたこと、実現できなかった幻のラストシーン等の逸話からカルト的な人気を博している。また、キネマ旬報が行った「オールタイムベスト100日本映画編」では5位に選ばれるなど、日本映画の最高傑作の一つとしても知られている。
- 宇宙人が、地球人の爆弾開発をやめさせるために地球の死者を甦らせるというSFホラー。あまりのつまらなさに上映権の買い手がつかず、結局テレビ局に権利を安く買いたたかれた結果、深夜テレビで繰り返し放送され、一部でカルト的な人気を得た。ティム・バートンやクエンティン・タランティーノに影響を与えた。1976年に「ゴールデン・ターキー・アワード」という本の中で「史上最低の映画」として紹介され、伝記映画『エド・ウッド』で注目を浴びた。
[編集] 1960年代
- 一人の空軍司令官の暴走によってアメリカとソ連が核戦争勃発寸前の緊迫した状況に陥ってしまう。そんな中でも自分勝手に振舞う、国の上層部の人間たちの愚かさと狂気をシニカルに描いたSF映画。マッドサイエンティストであるストレンジラヴ博士を筆頭に、強烈な個性を持った登場人物が多く登場する。キューブリックの巧みな演出も相まって、非常に濃い映画となっている。
- 無人島へ漂流した７人の男女が脱出を試みるも、飢餓と絶望から互いにエゴをむき出し始め、ついに島に自生していた謎のキノコ・マタンゴを食してしまったことから彼らの崩壊が始まる、というSFスリラー映画。人間の心の弱さを描いた群像劇としても評価に値し、また衝撃の結末も語り草となっている。
- フェリーニ自身の自伝的作品。妻や愛人たちとの関係に苦悩する映画監督の日々を、少年時代の思い出を絡めつつ幻想的な演出で描いている。ストーリーは難解であるという批評を受けることが多い。なお、アカデミー外国語映画賞を受賞している。
- 作曲家の團伊玖磨の原案に基づき、山田洋次が脚本を書き監督した異色作。ハナ肇主演。村会議員に騙されて土地を手放してしまった母のために、少年戦車兵あがりの男が戦車で復讐を試みるナンセンスコメディで、山田洋次の「馬鹿シリーズ」(ほかに『馬鹿まるだし』『いいかげん馬鹿』)の最高傑作と言われる。
- 死霊の盆踊り（A・C・スティーブン）
- 基本的にはポルノ映画であるらしく、ストリップを見せることが目的だった模様。しかしその設定が「墓場でゾンビがストリップをする」という途方もないもの。事実上ストーリーらしきストーリーがないことも含めて史上最悪の映画としての悪名の高さゆえか有名になり、カルト映画の系列に名を連ねた。脚本はかのエド・ウッド。ちなみに、今では大手配給会社であるギャガ・コミュニケーションズが最初に配給した作品でもある。
- 華氏451（フランソワ・トリュフォー）
- マカロニ・ウェスタンの代表作の一つ。非常に人気の高い作品であり、映画人の中にも熱狂的なファンが存在している。特にクエンティン・タランティーノは最高の映画の一本に挙げているほどである。レオーネの特徴的な演出や、三人の男の緊迫感溢れる決闘シーンは有名。
- 第一次世界大戦を舞台にしたコメディタッチの戦争映画。狂気と正気の境目を描く。ブロカ監督のチームの意欲作でもある。
- まともに宣伝されずに、しかも客入りの少ない2月に公開されたこともあって、興行成績は東宝の作品の中でも最低を記録した。1980年代のリバイバル上映でようやく評価された不遇な作品である。なお、劇中にとある放送禁止用語が連発されるためにテレビ放映されることは少ない。
- 複数の映画監督によって撮影された作品。当時の実力派俳優を多数起用したものの、内容の理解が困難なほどストーリーが破綻しており、原作の原型を留めていない。しかし、それ故にカルト的な人気がある怪作である。後の『オースティン・パワーズ』シリーズにも大いに影響を与えている。2006年に改めて映画化された。
- 宍戸錠の演じる花田五郎や鈴木清順の演出、「殺し屋ランク」などの設定が独特の雰囲気を醸し出している。また、海外での知名度も高い。
- アーサー・C・クラーク原作のSF映画。リアリティあふれる画像と極めて難解な物語で毀誉褒貶が著しかったが、後日名声を確立。
- ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/ゾンビの誕生(生ける屍の夜)（ジョージ・A・ロメロ）
- 後に作られるゾンビ映画の礎的な作品で、多くの続編（正式なものだけでなく、勝手に名乗っているだけのも含む）やパロディ作品が制作されている。
- マジック・クリスチャン、キャンディ（原作：テリー・サザーン）
- 既存のハリウッド式映画製作に飽き足らなかった映画人がよってたかって作り上げた怪作。アメリカン・ニューシネマ系のみならず名声を確立していた俳優なども参加。ユル・ブリンナーがスキンヘッドのオカマを熱演していたりする。
- 池畑慎之介のデビュー作。新宿のゲイバーの風俗を描く。先端的な映像美で、スタンリー・キューブリックが『時計仕掛けのオレンジ』のビジュアルの参考としたといわれる。
- アメリカン・ニューシネマの代表作の一つ。ラストの銃撃戦は6台のカメラで11日間ぶっ通しで撮影された。後のアクション映画に大きな影響を及ぼした作品である。
[編集] 1970年代
- 全体主義が支配する近未来のロンドンを舞台にしたSF映画。麻薬や強姦、暴行など不健全な要素がふんだんに詰まっている（あくまで風刺であり、暴力行為を扇動している映画ではない）。俗に言う、キューブリック「SF三部作」の最後の作品であり、この作品でも独特で力強い演出が発揮されている。
- ディープ・スロート（ジェラルド・ダミノア）
- 惑星ソラリス（アンドレイ・タルコフスキー）
- ポーランドのスタニスワフ・レム原作のSF映画。人間の潜在意識を具現化する能力を持った海とその研究者の物語。ロシア映画の常としてたいへん上映時間が長く、ビデオが一般化する前はなかなか見られない作品でもあった。
- ピンクフラミンゴ（ジョン・ウォーターズ）
- 映画史上もっとも下品な作品とも評される。世界一お下劣な人間を競って繰り広げられる変態行為のオンパレードで、特に主演のディバインが犬の糞を食べるシーンは有名である。
- 燃えよドラゴン（ロバート・クローズ）
- 格闘技ブームを巻き起こした人気作。ブルース・リーの豪傑ぶりを大いに堪能できるカンフー映画であり、彼の最後の出演作でもある。明らかに不自然なエキストラがいたり、本来見えてはいけないセットの一部が露呈したりする珍妙なシーンもある。公開当時は学生を中心にヌンチャクを自作したりと、熱烈なファンを生み出した。
- 従来のヒロイックな任侠映画と一線を画した殺伐とした暴力描写で、のちのヤクザ映画の方向性を決定づけた。この映画の影響があまりに大きかったため、主要な設定場面である広島、神戸には「ヤクザ」のイメージが定着してしまった。
- 悪魔のはらわた（ポール･モリセイ）
- 内臓嗜好癖のあるフランケンシュタイン男爵が二体の人造人間を交わらせ、新人類の創造を試みるという奇天烈なストーリー。製作にアンディ・ウォーホルがクレジットされているが、名義を貸しているだけで、実質的には映画に関わっていない。
- 1957年にウィスコンシン州プレインフィールドで実際に発生したエド・ゲインによる猟奇殺人事件をモデルにしたホラー映画。レザーフェイスをはじめとする殺人一家による異常な残酷な殺人描写は観る者に強烈な印象を残し、その後のホラー映画に多大な影響を与えた。現在のホラー映画の原点にして頂点。
- 芸術性の高い、寺山の自伝的作品。ストーリーはシュールかつ難解。登場人物の服装が個性的なところや、色彩センスが独特であることから、映像面でもかなり強烈な作品。ラストシーンが非常に斬新であることでも知られる。
- アニメ版ルパン三世の一期と二期の合間にプログラムピクチャーとして製作された実写版ルパン三世。クレイジーキャッツの映画を多く手がけた坪島孝監督だけあってサービス精神旺盛でコミカルな仕上がりだが、アニメからルパン三世に入った多くのファンには黒歴史的な存在とされている。次元大介を田中邦衛が演じている。
- ロッキー・ホラー・ショー（ジム・シャーマン）
- 極めて荒唐無稽なストーリーとアクの強すぎる登場人物により、強烈なインパクトを誇る映画。公開当初は興行的に失敗したものの、ニューヨークへの輸出をきっかけに大ブレイクしたため、カルト映画の代名詞的な存在となっている。
- 日本では予想ほどヒットしなかったが、特にフランスではカルト的な人気がある。その背景には、大戦後の鉄道の高速化競争において、最先端をかつてはフランスが独占していたにも関わらず、この当時には新幹線の後塵を拝する状況になっていたという事情がある（本作品はTGV開業前の製作である）。
- 低予算カンフー映画。やたらせこい戦法を用いる主人公、アクション技術の低さ、効果音の珍妙さなどから非常にチープな印象を受ける作品。ストリートファイターなどに影響を与えている。キル・ビルでオマージュされたことで人気が再燃した。
- ソドムの市（ピエル・パオロ・パゾリーニ）
- ブラック・ムーン（ルイ・マル）
- ルイ・マル監督が不思議の国のアリスを独自に映像化したもの。鼠と話す老婆や喋る一角獣、近親相姦の姉弟など、不気味な登場人物が特徴。
- アメリカの病める現代社会を独特の映像美と音楽で綴った作品。公開時はこの映画に影響を受けた若者が、当時の大統領であるフォード大統領の暗殺未遂の原因となった問題作でもある。
- 「カルトの帝王」デヴィッド・リンチが私財を投じて製作した、長篇映画デビュー作。始めは深夜に上映され、得体の知れない恐怖感からカルト的なリピーターが続出し、レイトショーの基盤となった作品である。モノクロの夢魔的なヴィジュアルと不気味なインダストリアルノイズが強烈に印象に残る一作で、現在もこの映画を支持するファンは少なくない。
- スター・ウォーズ・シリーズの第1作。この作品が契機となってSF映画の大ブームが引き起こされた。
- アタック・オブ・ザ・キラートマト（ジョン・デ・ベロ）
- モンスター化したトマトが人々を襲うというナンセンスな内容のために、「死霊の盆踊り」と共に史上最低映画の名を連ねている。
- ライフ・オブ・ブライアン（T・ジョーンズ）
- マッドマックス（ジョージ・ミラー）
- 派手なカーアクションが見物のバイオレンス・アクション映画。また本作に登場する主人公の乗る車「インター・セプター」や暴走族の乗るバイクにも人気があり、車やバイクをこれらに真似て改造するファンもいる。世紀末的世界に変貌した続編の『マッドマックス2』も人気がある。
- 宮崎駿の初監督長編映画。本作は一部熱心なファンに支持されたにとどまり、ヒットメーカーとなったのは次回作の『風の谷のナウシカ』以降である。
- 一介の教師である主人公が一人で原子爆弾を作り上げるという破天荒なストーリーを持つ。逮捕覚悟で皇室をゲリラ撮影したり、勝手に高速道路を封鎖したりと逸話が多い。監督本人にも逸話が多い上に、これ以降監督業をしていないため（この作品を含めても2作品しかない。なお、2作ともに評価は高い）、現在ではもはや伝説的作品になり、熱烈な支持を集め続けている。
[編集] 1980年代
- ブルース・ブラザース（ジョン・ランディス）
- アクションやミュージカルなど様々な要素が詰まった、爽快感溢れる派手な映画。ジェームス・ブラウンやレイ・チャールズがゲスト出演している点も作品に華を添えている。
- キューブリックのおどろおどろしい演出が観るものを不安にさせるホラー映画。大量の血が流れ出てくるシーンや、ジャック・ニコルソンの怪演が印象的な作品。
- B級エンターティンメント作品の名手によるシチュエーション・ホラー。荒廃の結果、閉鎖され自治が認められた牢獄となったマンハッタンにエアフォース・ワンが墜落し、大統領の救出作戦が行われる。低予算であるにもかかわらず極めて完成度が高く注目を集めた。
- イザベル・アジャーニの、本当に取り憑かれたようなエグい演技。北斎のタコの浮世絵を思わせるシーンやピンクの靴下など、ストーリーに謎が多い。
- トロン（スティーブン・リスバーガー）
- 世界初の「CG映画」というふれこみで製作された。物語は陳腐なものだったが、画像の新規性が注目を集めた。実際には大半がアニメーションと合成によるものだったが、CG利用の先駆的作品となった。
- フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作とした映画。原作小説もカルト的な人気を誇っていた。劇場公開当初の観客動員数は著しい不入りであったが、その後ビデオレンタルで大ヒットした。近未来SFとしてのビジュアルが先駆的かつ秀逸であり、ストーリーにおいて哲学的要素が強いことなどが映画ファンに高く評価され、今日でもシークエンスについて熱く議論される作品となった。
- 「砂の器(脚本)」の橋本忍が手がけた、東宝創立50周年記念超大作。愛犬を殺されたソープ嬢が、犯人の作曲家と琵琶湖のほとりでマラソン対決をし、それに戦国大名の怨念やスペースシャトル計画などが絡むという、意味深とも意味不明ともとれる内容が観客に理解されず、封切り後わずか一週間で打ち切り。21世紀に入ってカルトファンの再評価を得るまで封印されていた、文字通り「幻の」映画。
- デッドゾーン（デヴィッド・クローネンバーグ）
- コヤニスカッツィ（ゴッドフリー・レッジョ）
- 死霊のはらわた（サム・ライミ）
- 人生狂騒曲（T・ジョーンズ）
- スカーフェイス（ブライアン・デ・パルマ）
- 公開当時は酷評の嵐で興行成績も振るわず、大失敗作との汚名をつけられていたが、レンタル開始とともに人気がじわじわと広がり、さらに本国アメリカでは黒人層などからの熱狂的支持を受け、再評価された。ラストの破滅へとひた走るアル・パチーノの姿と、残虐な暴力性を爆発させた銃撃戦は圧巻。背後からショットガンで撃ち込まれて噴水に落ちるパチーノの死に様は、映画史に残る名シーンとなった。
- 原作の小説も人気が高いが、本作も娯楽映画の傑作として名高い。モノクロで撮影されたり、独特のカメラワークを用いたりと、様々な箇所に制作側の拘りを感じられる作品である。
- 架空のロックバンド、「スパイナル・タップ」を密着取材したという設定のモキュメンタリー映画（擬似ドキュメンタリー映画）。あくまで架空のバンドであるにも関わらず細かい設定まで作りこまれていたり、メンバーが微妙にダサかったりするのが特徴。ただし、映画とは関係無しに2ndアルバムがあったりするので、完全に架空ではなく半分架空である。
- 小説、「1984年」にインスパイアされたSF映画。暗い未来社会を独特の映像美で描いている。元々はバッドエンドだが、会社側から無理矢理ハッピーエンドへの変更を求められたり、撮影中に監督がストレスを感じすぎて両足が一週間麻痺した等の逸話も多い。
- コマンドー（マーク・L・レスター）
- 特にネットユーザー、2ちゃんねらーに絶大的な支持を集めている。シュワルツェネッガーが素手で南京錠を壊したり、人間が入っている電話ボックスを軽々と投げ飛ばしたりと、明らかに無理のあるシーンが少なくないが、それが逆に一部のファンにはウケているようだ。
- 個性的なストーリーと映像、そしてデニス・ホッパーの狂気に満ちた演技が特徴の作品。また、非常に低予算で製作されている。
- 中年男性と19歳の少女による破滅的なラブストーリー。ベアトリス・ダルはこの作品で鮮烈なデビューを飾った。恋愛の始まりと終わりが生々しく描写されており、女性を中心に熱狂的なファンを獲得した。
- 香港ノワールの火付け役となったバイオレンスアクション。それまで「香港アクション＝カンフー」と言う固定観念を覆し、香港はもちろん、アジア各国でも一大センセーションを巻き起こした。
- 過激な言動で知られる奥崎謙三の姿を追った異色のドキュメンタリー映画。奥崎のエキセントリックな言動が生々しく描かれており、かなりインパクトのある作品に仕上がっている。
- アリス（ヤン・シュヴァンクマイエル）
- 裸の銃を持つ男（デヴィッド・ザッカー）
- 寄宿制の学校。帰るところがない4人だけが残る夏休み。少年どうしの恋愛が自殺を引き起こす。耽美主義的な世界を丁寧に構築した小品。原作は、クレジットはされていないが萩尾望都の「トーマの心臓」とされている。
- 10億円もの莫大な費用をかけて製作されたアニメーション作品。高度に完成された世界観や緻密に描かれたビルの崩壊シーン、秀逸なストーリーなどから高い評価を受けた。日本のアニメーションが本格的に海外進出する足がかりになった作品である。
- ごく平凡なサラリーマンの全身が徐々に金属化するというシュールなSFホラー。
[編集] 1990年代
- ドアーズ（オリバー・ストーン）
- 遊びの時間は終らない（萩庭貞明）
- 銀行強盗を題材としての防犯訓練が行われた。ところが犯人役をまかされた警察官が融通のきかない堅物で、大真面目にプランを立案し、逮捕役の警官を見破り、銀行に立てこもってしまう。いったい誰がどのように幕を引くのか。日本では珍しいくらいに羽目を外したコメディ作品。
- ニュー・ジャック・シティ（マリオ・ヴァン・ピープルズ）
- この映画の上映中、アメリカの各地で暴動事件が多発し、一時は上映禁止となった問題作。
- プロスペローの本（ピーター・グリーナウェイ）
- シェークスピアの真夏の夜の夢をモチーフとした作品。技巧的にはハイビジョンによる合成を世界で初めて映画制作に用いたことで注目されるが、ヨーロッパ神秘主義を基調とする耽美的演出と多数の裸体の乱舞などで物議をかもす。
- 少女椿（絵津久秋）
- 丸尾末広原作のコミックを映画化したアニメーション作品。作品中に畸形の描写であるとか差別用語、サーカス団体への偏見助長などがあるとされ、海外での映画祭公開後に日本に持ち帰ったフィルムが1999年に日本の税関で没収されてしまう。上映時には場面にあわせて劇場内にスモークを炊くなど独特の演出を要求していた事も特筆に値する。
- それぞれがリンクしている複数の短編からなる作品。低俗で長いセリフや監督の趣味と思われるシーンが多いのが特徴的。アカデミー脚本賞ほか、様々な賞を受賞している。
- ゴッド・アーミー/悪の天使（グレゴリー・ワイデン）
- 「神が人間を愛することに嫉妬した天使達が天国で再び戦争を起こす」という斬新な設定で描かれるオカルトホラー。クリストファー・ウォーケンやヴィゴ・モーテンセンら俳優陣による怪演、"天使座り"等の独特な演出が非常に魅力的である。日本でもたのみこむでDVD化の要望が上位にあるほど人気が高い。
- 悦楽共犯者（ヤン・シュヴァンクマイエル）
- トレインスポッティング （ダニー・ボイル）
- パソコン通信を舞台とした恋愛映画。この当時、パソコン通信は、まだかなり特殊な世界と思われていた。丁寧な描写もあり、パソコン通信ユーザからの熱狂的な支持を集めた。
- 演出や水野本人の演技が低い評価を受けるB級映画。その怪作っぷりが一部のファンにはむしろ好評である。
- 鋼鉄の立方体の空間に閉じ込められた6人の男女が脱出を試みるが、部屋には殺人トラップが仕掛けられており、次第に人間の深層心理が露にされる。低予算で製作されているにもかかわらず、斬新な設定で後に大量に製作されるハード・シチュエーション・ホラーの礎となった。
- 新世紀エヴァンゲリオン劇場版Air/まごころを、君に（庵野秀明）
- TVアニメ版の完結編として製作された作品。ストーリーは終始暗く、哲学的である。圧巻の暴力描写や破滅的で難解なラストシーンが強い印象を残す。TV版と共に熱烈な支持を集め、国内だけでなく海外でも有名な作品である。
- 巨大な昆虫と戦う軍隊を、CGを駆使して描いたSF映画。グロテスクな映像、やたらご都合主義的なストーリーなどが特徴で、B級映画の雰囲気を漂わせる。バーホーベン監督らしさが遺憾なく発揮されている作品である。
- オースティン・パワーズ（ジェイ・ローチ）
- 1999年には続編『オースティン・パワーズ:デラックス』が公開された。
- 映画監督、黒澤清の名を世界に轟かせた作品。首から胸にかけてX字型に切り刻まれるという異様な連続殺人事件と、それを追う刑事の葛藤を描く。独特の映像で人間の心に潜む狂気を描いた傑作として知られる。
- アニメーション作品。ストーカーやインターネットなど、この時代には珍しかった要素を取り入れた意欲作。アイドルから女優へと転身した主人公が、ストーカーや周囲で起こる殺人事件によって精神的に追い詰められていく姿を、スリラータッチで不気味に描いた作品。
- ビッグ・リボウスキ（コーエン兄弟）
- イディオッツ（ラース・フォン・トリアー）
- 精神障害者のふりをして楽しむ人々を通して、人の偽善性を暴く。
- ブレア・ウィッチ・プロジェクト（ダニエル・マイリック、エドゥアルド・サンチェス）
- ドキュメンタリー映画風に作られたホラー映画。低予算映画であるにも関わらず、書籍やインターネットで大いに宣伝され、大ヒットした。ドキュメンタリーという体裁によって観客を映画の中に引き込む手法や、謎はあえて謎のままで終わらせるというストーリーが特徴である。
- とあるビルにある小さな穴が、ジョン・マルコヴィッチの頭に通じているという非常にシュールで奇想天外な内容の映画。脚本が高く評価されており、アカデミー賞にノミネートもされたほどの秀作でもある。
- パイレーツ・オブ・シリコンバレー（邦題：ジョブスとゲイツ シリコンバレーの青き炎）（マーティン・ バーク）
- 若き日のビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズの仁義なき抗争を描く。
- ギャラクシー・クエスト（ディーン・パリソット）
[編集] 2000年代
- 最終絶叫計画（キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ）
